【創刊200号記念特集①/CROCO CARS】ずっと眺めていたくなる流麗なC124のボディライン/Mercedes-Benz 300CE-24 (C124)
旧車ブームもあって、ヤングタイマーモデルであっても中古車相場は上昇傾向にある。しかし、まだまだ手が届く範囲のモデルも存在し、そのようなC124を購入した、弱冠19歳の若者にスポットを当てていく!
Mercedes-Benz 300CE-24 (C124)
19歳にしてメルセデスC124のオーナーとなったK・Sさん。角目世代のメルセデスの深い味わいとデザインは若い世代のクルマ好きをも虜にしてしまう。
若者も虜にする
クーペの美しいデザイン
弱冠19歳にして、C124型メルセデス・ベンツ300CE‐24のオーナーとなったのがK・Sさん。彼の祖父がW124のオーナーであったことがきっかけとなり興味を抱き、初めての愛車として選んだクルマがこのC124だったのだ。
「祖父が乗っていたのはセダンのW124でした。子供のころに乗せてもらったので詳細は分からないのですが、シルバーのボディにレザーシートとサンルーフが付いたモデルだったんです。子供ながらに普通のクルマとはちょっと違うな、という印象が残っていて、いつか乗ってみたいなと思っていたところに、クロコカーズで販売していたのが、このC124でした。祖父が乗っていたW124と同じく、レザーシートにサンルーフ付き。センターピラーが無い独特のクーペスタイルは、最近のクルマではなかなか見られないデザインであることにも魅力を感じました。200万円強という価格も、購入を決意したきっかけのひとつでした」というK・Sさん。実は今年の4月から、成人年齢が18歳へと引き下げられる民法の改正が実施されたため、親の承諾ナシにローンが組めるようになった。しかも、彼は自動車整備を学んだ経験を持つ社会人2年目ということもあり、実に計画的な購入だったのだ。
「5速ATだけが不安の種ですが、大切に乗れば何とかなるかな、と。ある程度のことは自分で整備しながら、できるだけ長く乗っていきたいです」というK・Sさんだった。
サッシュレスウインドーにセンターピラーレス。サイドウインドーを下げれば、開放感たっぷりの室内となる。それにしても、このリアビューは見る者を魅了するほど美しい。
最高出力225psを発生する3ℓの直6ユニット。ヘッドカバーなど、劣化した部分は、徐々に仕上げていくという楽しみが残されている。クルマ趣味を存分に堪能できるモデル。
走行12kmオーバーの個体ゆえ、レザーシートは使用感こそ十分に感じられるが、それもこのクルマの味だ!
初めての愛車が左ハンドルのC124というK.Sさん。だが慣れてしまえば、左ハンドルの運転も楽しいとのこと。シンプルなデザインも往年のメルセデスの魅力だ。
スライディングに加えて、ポップアップするサンルーフはK.Sさんのお気に入りのひとつ。「これを上げているスタイルが気に入っています」とのこと。純正の8穴アルミを履かせつつ、若干のローダウンを行なっている足回り。低すぎない絶妙な車高はクロコカーズによるものだ。
Mercedes-Benz 190E (W201)
内外装のコンディションは極上
イベントでもヒーローになれる!
安全性やメカニズムはSクラス譲りのものが与えられ、リアサスには世界初のマルチリンク式を搭載したメルセデス・ベンツの190シリーズ。コンパクトなボディに当時のメルセデスらしさを凝縮したこの名車で、走行5.2kmの極上車が現れたのだ!
鮮やかなボディカラーと
往年の足回りは絶品
タテ目世代のW114/W115はコンパクトクラスと呼ばれて親しまれ、後にW123へとその座を譲る。そして1982年、メルセデス初のDセグメントモデルとしてW201こと190シリーズが登場する。これにより、W123はミディアムクラスとなり、後のEクラスへと発展し、コンパクトクラスは190シリーズが担い、後にCクラスへと発展する。
そのような背景を持つメルセデス・ベンツの190シリーズ。5ナンバーサイズに収まるボディサイズは、BMWの3シリーズ(E30)とモロにバッティングするものでありながら、リアに当時最新のマルチリンク式サスペンションを奢るなど、Sクラスにも負けない乗り味と安全性が特長のエントリーモデルであった。ここに登場するのは正規輸入の最終型となる1993年式の190Eで、その走行距離はなんと5.2万㎞! シグナルレッドの鮮やかなボディカラーもサッコプレートも、抜群の状態に保たれている。さらに驚くのが室内だ。メーター回りにくすんだ印象はまるで無く、美しく情報を表示する。日焼けやヒビ割れなどが生じやすいゼブラノウッドも美しく、インパネには6本のカセットテープを収納できるケースも完調だ。もちろんモケットのシートは前後ともキレイで、運転席のヘタりも感じさせない良好なもの。奇跡とも呼べる極上の190Eの価格は248万円。ヤングタイマーイベントでもヒーローになれる1台だ!
ドアハンドルやドアミラーカバー、さらには前後バンパーなど、未塗装の樹脂パーツは白く劣化した状態にない!
エアバッグ付きの純正ステアリング、ダッシュボード、ウッドパネル&メーター回りも美しい状態にある。ウッドパネルに目立つようなキズや割れもなく良好なコンディション。エアコンなどの快適装備も正常に作動する。
グレーカラーをメインとしたチェック柄のモケットシート。擦り切れやすい運転席のサイド部分も全く問題ない。
2ℓの直4ユニットはSOHCで115psを発生。ラジエターのリザーブタンクはやや変色気味だが、その他は非常に良い状態となっている。
若い世代のクルマ好きにも
往年のメルセデスの魅力を伝える!
ヤングクラシック世代のメルセデスを得意とする専門店
CROCO CARS
クロコカーズ
名古屋高速3号大高線の呼続出口からクルマで約2分、地下鉄名城線の堀田駅から徒歩で約10分という場所に位置しているのがクロコカーズ。屋内店舗に常時10台前後の販売車両を展示しており、雨の日でもじっくりとクルマを見ることができる。またヤングクラシックメルセデスを得意とする提携工場があり、良質なメンテナンス、修理も提供している。板金塗装も得意としていることから、レストア等の高度な修復も可能。ボディや下回りなど見えない部分の点検、修理にも対応してくれる頼れるプロショップである。
「最善か無か」を企業理念にしていたメルセデスに引かれ、W124を始めとしてW126やW201など、ヤングタイマーなメルセデスを中心に販売しているのがクロコカーズ。2017年に設立された同社の代表は、メカニック経験を持つ鰐部大也氏。今のモデルにはないデザインやコストカットが見られないクルマ作りなど、この時代のメルセデスだからこそ感じられる魅力を、若い人にも経験してもらいたいと話す。
車両の問い合わせ:クロコカーズ
●所在地:愛知県名古屋市瑞穂区明前町13-28
●TEL:052-883-8965
●定休日:月曜日