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【修理工場で聞いた特選メンテ情報 vol.2】塗装でもなく溶剤の塗り込みでもない新発想のスチーム蒸着で黄ばみを除去!?

ヘッドランプの黄ばみを除去するアイテムには様々なものがリリースされているが、ここで紹介するのはスチーム蒸着という新発想の技術。驚くほど簡単にキレイになる秘密を解説していこう。

 

リーズナブルにヘッドランプを再生

 輸入車のみならず国産車でも多く発生しているヘッドランプの黄ばみ。これは紫外線により樹脂製のアウターカバーが黄ばんでしまうのが原因。
 一般的な整備アプローチはヘッドランプをまるごと交換することだが、現代のドイツ車のヘッドランプは高価で左右を新品にすれば40万円以上の出費になるだろう。片方だけ新品というのも違和感があるし、中古パーツも人気が高く相応の価格になることが多い。また現代のドイツ車のヘッドライトはコーナリングライトなどが装備されていることもあり、同じクルマでもヘッドライトの品番が違うというケースは多い。また、樹脂製のアウターカバーだけが販売されているクルマもあるが、専用設計となるため汎用性という面ではまだまだ対応できていないのが現状だ。
 そのため量販店などでも黄ばみを除去するケミカル剤が販売されているが耐久性の面で満足できないという声が多い。 
 そこで紹介したいのが、従来とは違った新しいアプローチでヘッドライトレンズの黄ばみを除去する「ヘッドランプスチームコート(以下、HLSC)」。これは樹脂を蒸着させて、新しい層をヘッドランプに作り出すことで黄ばみの再発を防ぐというもの。
 作業の流れを簡単に見ていくと、ペーパーなどで劣化による黄ばみを除去し、気体となったHLSCの溶剤を当てることで新品のようなクリアな状態に再生できるのである。取材時に実際に施工したクルマを確認したが、とてもキレイな状態で満足のいく仕上がりだった。
 施工時の注意点としては、古いハードコートなどが残っていると処理できない場合があるのでしっかりと除去すること、溶剤を厚塗りしすぎないなどがある。とはいえ、作業自体は簡単なので心配は無用だ。
 このHLSCを展開しているのは、千葉県我孫子市にあるジースタイル。来店での施工は片側1万円(税別)となる。さらに1年の保証が付くというのも、耐久性に自信を持っているからだろう。業者向けにもキット販売を行なっており、現在も問い合わせが殺到しているとのこと。
 ユーザーのみならず、ドイツ車業界として話題になっているHLSC。愛車のアンチエイジングとして、ぜひとも試してみてほしい。

まずはレンズ表面をキレイにした後、サンドペーパーなどで磨いていく。番手は状態によるが、今回は600番を使用(耐水でなくても可)。この下地作りが重要なポイント。
水分を除去したら溶剤を専用のカップに入れ、電源を入れ加熱する。溶剤が沸騰してきたら、専用のノズルを使ってレンズに蒸気を当てると、驚くほどクリアな状態になる。
ヘッドランプスチームコートは業者向けにもキット販売しているとのこと。それだけ注目されているアイテムなのだ。
 
問い合わせ:ジースタイル
●所在地:千葉県我孫子市南新木4-11-17
●TEL:04-7187-4405