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【メンテのお悩み相談室 vol.06】エンジン警告灯が点灯

編集部に寄せられたアンケートやメール、さらにはキャラバン会場で聞いたーザーの悩みを解決するコーナー。ここではメンテナンスに関するQ&Aを紹介したい。いざという時に役立つ保存版だ。第6回は「エンジン警告灯が点灯」だ。

Q : 突然エンジンの警告灯が点きました。でも、どう対応していいか分からず焦ってしまったことがあります。対処方法があるなら教えてください。(岡山県・T.Gさん)

 

A : エンジンの警告灯が点いたら
安全な場所にクルマを停める

クルマが発するSOSとして分かりやすいのが警告灯。走行中、突然インパネに見慣れない警告灯が点灯すると驚いてしまう人も多いだろう。だが、その意味を知っていれば焦らず対応できる。
 
 エンジン関連の警告灯で多いのは油圧警告灯。これが点灯した場合には、すみやかにクルマを安全な場所に停車させてエンジンオイルの量を確認。油圧が低下したことで警告灯が点灯しているので、油量が十分にも関わらず警告灯が消えない場合には修理工場に連絡をするようにしたい。高年式モデルではエンジンオイルのレベルゲージが備わっていないので、インパネのインフォメーションディスプレイから確認するか、コンピュータ診断機で点検するしかない。オイル管理が悪いクルマは油圧低下の原因になりやすいので注意が必要だ。
 充電警告灯は発電されていないと点灯するため、オルタネーターが原因であることが多い。突然止まってしまうことも考えられるので無理に自走するのはやめて助けを呼ぶのが無難だ。
 触媒に排気温センサーが取り付けられているクルマがあるが、その温度が高温になると警告灯が点く。この場合もすぐにクルマを停車させる必要があるのだが、その時に下回りに可燃物がないところを選ぶことが重要だ。冷えるまで待つという手もあるが、排気が高温になるということは重大トラブルを抱えている可能性も高いので無理に動かさないほうが賢明だろう。
 警告灯の中でもとくに焦ってしまうのがエンジンチェック。エンジン関係に重大なトラブルが発生したときに点灯するのだが、その原因はさまざまだ。空気量を計測しているエアマスセンサーの不良など吸・排気系パーツの不良や、高価なエンジンハーネスやコンピュータが原因であることもある。だが、コンピュータ診断機を持ち歩くわけにはいかないので、その場で原因を特定するのは難しいというのが現実だ。
 アイドリングが不安定であったり、エンジンストールするなど症状として現れることも多いので、すぐに修理工場で対応してもらうこと。無理に走れば症状が悪化してしまうので、これは絶対に避けたい。
 電子制御式ATに不具合が起きると警告灯が点く。この場合、エマージェンシーモードに入り3速に固定されてしまうので、普通に走るのも困難な状況になる。
 そもそも、ATにこれ以上のダメージを与えないためのエマージェンシーモードなので、走るのは諦めてレッカーを呼ぶのが得策。原因としては基板やコンピュータなど電気的な不良と内部の機械的な不良があるが、電子制御式ではやはり電気的な不良が多い。エンジンを切って再始動すると消えることがあるが、少し走ると再び点灯することが多いので、ここは大人しくレッカーを待ったほうがクルマにも優しい。
触媒が高温になると点灯するのが排気温警告灯。触媒は非常に高価なパーツであり、高温になった排気が原因で触媒内部に大きなダメージを与えてしまう。
油圧警告灯が点くのはエンジン内部の油圧が低下しているから。定期的なオイル交換を行なっていないクルマは、オイルの劣化による油膜切れを起こしかねないので注意しよう。
電子制御式ATに多いエマージェンシーモードに入るというトラブルが起きるとAT警告灯が点く。一度エンジンを切って再始動すると消えることがあるが、再点灯することがほとんど。

エンジンチェックが点く原因として比較的多いのがエアマスセンサーの不良。ハンチングやエンストなど症状として現れやすいケースでもある。吸・排気系のホースに亀裂が入っていることも。