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【メンテのお悩み相談室 vol.01】エンジンからの異音

編集部に寄せられたアンケートやメール、さらにはキャラバン会場で聞いたーザーの悩みを解決するコーナー。ここではメンテナンスに関するQ&Aを紹介したい。いざという時に役立つ保存版だ。第1回は「エンジンからの異音」だ。

Q : 最近、エンジン周辺からおかしな音が聞こえることがあります。どこか不具合が起きているのでしょうか? (埼玉県・K.Hさん)

 

A : エンジンの回転に比例する
異音は緊急性が高いことが多い

エンジンルームからキュルキュルという異音が聞こえたら、ベルトテンショナーやプーリーの不良である可能性が高い。走行中は気づきにくいが、アイドリング時やエンジンの始動直後などクルマが止まっている状態での異音はベルト関係が怪しい。
 
 機械的な問題によって発生するクルマからの異音は非常に様々な種類があるため、ここだけで紹介するのは不可能だが、いつもとは違う音を感じたらそれがクルマの速度に比例して変化しているか、エンジンの回転数と共に変わっているのかを確認したい。
 自分で異音の原因箇所を追求しようと思わない人でも、メカニックにおかしな音がすると伝える時に「エンジンの回転に比例して」と一言付け加えるだけで「コイツ、できるな!」と思われることは間違いない。
 車速に比例した異音の原因としては、ブレーキの引きづり、ハブベアリングやドライブシャフト関係など足回りや駆動系の問題が多く、エンジンの回転数と共に変化する場合は、補機類やベルト回りなどエンジンの前側に原因があるケースがほとんど。どちらかと言うとエンジン回転に比例した異音の方が緊急性が高く、すぐに対処しないとベアリングロックによってベルトが切れて走行不能になる可能性が高い。
 こんなケースでは、アイドリング中もボンネットの中からキュルキュルという音が出続けているのが普通だ。またエンジンの回転数を上げるとそれに合わせて「パタパタパタ」という音が出る場合、エンジンルーム内で排気が漏れていることが考えられる。これはとても危険な状態なので、窓を開けて換気をしすぐに修理工場へ向かおう。
 これ以外では、走行中にアクセルを放すと後ろの方から「ゴー」という音が聞こえることがある。再びアクセルを踏むと音が消えるという場合、デファレンシャルに問題があることが考えられる。内部のオイルが減っていたりすると大変なので、早めにチェックすることが大切だ。
 また縁石などの段差を乗り越えた時に「ゴキッ」というような異音が出る場合、ロアアームブッシュなどサスペンション系ブッシュか、ステアリング系のボールジョイントなどに問題があることが考えられる。どちらも安全上非常に重要な部分で、事故に直結するようなトラブルも考えられるので早急に点検して対策しておくことが必要になる。
 このように、いつもとは違う音を感じた場合の対処方法は、速やかに専門の修理工場に持ち込んで点検してもらうというのが一番。ただし、誰もが振り返るような極端に大きな音が出ている場合は、自走させるのは不可能だと思った方がいい。また走行中に明らかに音が大きくなってきた場合なども、ムリをしないことが大切。ケース・バイ・ケースで、どこまで走っても大丈夫かを見極めることも、輸入車ライフにおいては必要。それもハッピーなトラブル解決のカギとなる要素である。
足回り付近からゴーという異音がしたらハブベアリングの不良。グリースの劣化や漏れがガタつきの原因になる。定期的にリフトアップをしてハブのガタをチェックすることも大切なメンテ。
古めのクルマで注意したいのがエキゾーストマニホールドからの排気漏れ。パタパタという異音が出ることが多く、見えない部分で漏れていることもある。すぐに修理工場に持ち込もう。
足回りからの異音はいろいろとあるが、ブレーキング時や段差を乗り越えた時に「ゴキッ」という音が出たらロアアームブッシュの劣化が考えられる。リフトアップして点検してもらおう。
車速に比例する異音としてありがちなのがブレーキの引きづり。ブレーキキャリパーのピストンの動きが渋かったりすると引きずりにより異音が発生する。オーバーホールが必要だ。
ステアリングを切った時などに音が出る場合に怪しいのがボールジョイントのガタつき。ブーツが裂けてグリースが漏れていることも。ブーツが裂けたままでは車検もクリアできない。