TOP > 記事 > 【ネオクラシックBMWの世界 / 1990y BMW 325i ツーリング(E30)】セダンブーム全盛期のバブル時代にリリースされた隠れた名車

【ネオクラシックBMWの世界 / 1990y BMW 325i ツーリング(E30)】セダンブーム全盛期のバブル時代にリリースされた隠れた名車

E30後期型88年式以降、わずか2年ほど日本国内のディーラーモデルとして存在していた325iツーリング。当時はワゴンブーム前だったので販売台数も伸び悩んだが、現在となってはその希少性に拍車がかかり人気を博している。

 

クラシックと呼ぶに
相応しい時期を迎えている

日本でワゴンブームが訪れていなかった当時、実用性の高いツーリングよりもセダンの人気が圧倒的だったが、33年の時を経過した現在、そのスタイリングの良さに改めて魅力を感じる人が続出中。販売期間が短かったこともあり、中古車市場での希少性は高まるばかりだ。
 
 大阪のシンプルオートと言えば2002、3.0CSなどの70年代以前のクラシックBMWを扱うイメージではあるが、ポストクラシックBMWと期待される80〜90年代初頭までのネオクラシックも多数取り扱う。紹介する325iツーリングのルーツは3ドアハッチバックとして初めて誕生した2002ツーリングであり、初代3シリーズであるE21時代には製造されなかったため、ワゴンにおいては非常に価値あるモデルとして昨今人気急上昇中の個体だ。ちなみに当時新車で販売されていた時代を知る、創業37年のシンプルオートでは、代表の吉田氏をはじめメカニックの方達も過去に愛用していた名車。ディーラーで工場長を務めた経験もあるメカニックの方に話を伺うと、当時はセダンブームで売りにくかったこともあり大幅に値引きして社員価格で購入できたというラッキーなエピソードもあったとか。現車は平成11年から前オーナーがガレージにて大切に所有していた個体で、現在の走行距離は8.2万㎞ほど。新車時からの整備記録も多数残っており、過去に純正色のブリリアントレッドで全塗装された状態の良い一台。しかし33年経過した個体なのでダッシュの割れや塗装のクリア浮きなどがチラホラと存在していたため、入庫してすぐに塗装を補修。割れたダッシュは同社が誇る膨大なパーツストックの中から、程度の良いダッシュボードを用意して換装済み。ひと通りの整備を済ませて同社のスタッフ達で数日間試乗したところ、まだ現行モデルだった当時に乗っていた感覚と何ら遜色なく、スモールシックスの2.5ℓとスポーツモード、スノーモードなど3つのモード切り替え付の4速ATで操る。
 味わい深い走りは、非常にフレッシュで良い走りだと太鼓判を押す。今やM3よりも中古市場での販売台数が少ない希少モデルではあるが、部品の供給においては何の心配もないネオクラシックBMW。新車当時は実用的なワゴンとしてセダン人気の影に隠れた名車だったが、33年の時を経た現在、改めてその魅力の虜となる人が続出中である
 

現代でも十分実用になる装備と快適性

テールレンズを避けるようなデザインで開く独特の形状が当時のツーリングらしさであり、実にユニークなリアゲート回り。セカンドシートを倒さなくともゴルフバックやアウトドアギアが楽に積載可能。シートを倒せばさらに広大なラゲッジスペースを確保できる。
ヘタリやたばこによる焦げなどの一切ないクリーンなファブリックインテリア。電動サンルーフ付で天井の状態も30年以上経過したとは思えないグッドコンディションを誇る。紫外線などで傷みやすいダッシュボードは程度の良い自社ストック品に換装済みだ。
本国モデルでは318、320など1.9ℓクラスのE30が多く走っていた当時、日本へは最上級のスモールシックス 2.5ℓを中心に輸入する傾向にあった。とてもパワフルなエンジンであまり知られてはいないが、このエンジンはレギュラーガソリン対応。ガソリン価格高騰中の昨今、お財布に優しい旧車なのだ。
4速ATのシフトは走行シーンに応じてスポーツモードやスノーモードなど3つのモード切替え機能付き。当時としては最先端のテクノロジーで、セダン同様にハイスペックな装いが際立つ。シートなどもキレイなコンディションを維持している。

【 U-CAR DATA 】
1990年 BMW E30 325iツーリング

●走行8.2万㎞ ●ブリリアントレッド ●AT
●フル装備 ●サンルーフ ●価格:ASK

 

シンプルオートの吉田氏に聞いた
走りが楽しいBMW ベスト3

 

第1位 2002ターボ

機関や足回りなどしっかりレストアされたマルニターボは、普通のマルニとは別次元。今でもアクセルを踏みたくなる衝動に駆られる名車ですね。

第2位 3.0CSクーペ

どのモデルもシルキーシックスと呼ばれるビッグシックスエンジンを搭載しています。エレガントな内装に反して楽しい走りを楽しめるのが3.0CSクーペです。

第3位 E30 3シリーズ全般

当社がイメージするネオクラシックBMWは、丸目四灯のE30までではないかと考えております。名機スモールシックスなど操る喜びをダイレクトに感じさせてくれます。

 

車両の問い合わせ: シンプルオート 
所在地: 大阪府寝屋川市宝町29-8 
TEL: 072-839-6778 
URL: http://simpleauto.jp/