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【ドイツ車に強い整備工場を訪ねる/ファクトリー巡り Vol.2】三重県/K-RD motor works

クルマを直すのに必要なのは的確な診断や確かな技術力。だが、果たしてそれだけだろうか? オーナーの悩みを汲み取り、その期待に常に全力で対応しているのが、三重に店舗を構えるK-RDモーターワークスだ。

 

ホームドクターのような
信頼感と安心感が魅力!

 豊橋から伊勢市まで、伊勢湾を半周するルートを描く国道23号線。その伊勢市から名古屋方面に約10 km戻った柏町交差点から側道に入った先にk-RDモーターワークス(以下、K-RD)がある。国道からは一段低くなるのでお店の姿は見えないことと、西側からアプローチするとかなり鋭角な交差点を曲がることになるので、東側の側道からアクセスすることを強くオススメしたい。
 代表の濱口さんは、開口一番「実は一番働きたくなかった業種が自動車関連だった……」と衝撃的な発言。濱口さんによると、父親のすすめで輸入車ディーラーで働いたものの諸事情で退職。だが、クルマそのものが嫌いなわけではなく、もう一度メカニックとして再挑戦することに。どうせなら世界最高のメーカーで働きたいと決意し、1995年にヤナセに入社。その後2014年まで正規ディーラーでメカニックやサービスマネージャーを経験。ちょうど20年のキャリアとなった2015年に自身のお店「K-RD」を設立したというわけだ。
 「気づけば四半世紀以上クルマに携わっており、自分でも数奇な運命のようなものを感じますね。前職からお付き合いのある方に贔屓にしていただいており、その方からお客様を紹介していただくこともあります。でも、クルマに関する悩みや不具合について半分でも話していただけたらいい方です。特にはじめてのお客様の場合はそうですね。技術があれば直すことはできますが、そこに至るまでのコミュニケーション能力が重要。ただ悪い部品を交換すれば良いわけではなく、お客様の現在の状況を鑑みた提案をしますし、一生乗ると言って購入されても車両トラブルが発生すると、ほとんどの方は乗り換えを考えてしまう。そんな愛車への情熱を冷めさせないようにするのも我々の使命だと思いますね。もちろん不具合箇所を全て修理するのがベストですが、優先順位をつけリペアする方法もあります」と語る濱口さん。そのスタンスはヤナセなどで培ったものだが、様々な経験を積んだだけあって、その言葉には非常に重みが感じられる。 
 ちなみに濱口さんは、2006年にメルセデスベンツ国際認定メカニックを取得しており、実は三重県内では認定第一号。これはディーラーでメルセデスを扱う場合、各カテゴリー分けされた前試験を全てパスしてからでないと受験ができない資格なのである。
 「どのメーカーにも当てはまりますが、クルマというものは様々なバランスを考えて作られています。そのため、ベストなコンディションはやはりフルオリジナルと言えるでしょう。経年劣化はどうしても発生しますが、定期的に消耗部品を交換すればクルマの寿命を伸ばすことは可能です。せっかく手に入れた愛車をいたわって欲しいですね」と話す。
 ユーザーの悩みを聞き、それを解決するために適切な対処を施す。まさにクルマにとってのホームドクターのような頼もしい存在と言えるだろう。余談だが、お店の名前にはそんな意味が隠されているそうだ。

 

ユーザーのニーズに沿った整備プラン

ユーザーによってクルマに対する価値観は異なる。だが、クルマは動けばいいというわけではなく、ドイツ車であれば本来の性能を楽しんでこそ醍醐味が感じられるもの。クルマは設計する段階で様々なバランスを考えて作られており、例えばホイールを交換するだけでそのバランスは崩れてしまい、長い目で見れば寿命の低下へと繋がる。こうしたことを考慮し、ユーザーの希望を聞いた上で最善の策を模索してくれる。
 

三重県初の国際認定メカニックを取得!

ディーラー勤務時代、メルセデス・ベンツを整備するために設けられた資格がドイツ本国からの国際認定資格。濱口さんはこれを2006年に取得。トラブルが起きたクルマをまず診断機にかけるのではなく、何が起きているのかあらゆる可能性を追求するそうだ。クルマは喋らないので、オーナーからどれだけの情報を聞き出すか、そういった意味でも、コミュニケーション能力は非常に重要だ。
高度な電子制御を搭載した近年のドイツ車の整備で必須となるコンピュータ診断機(写真はその一部)。クルマと診断機を接続することでトラブルの原因を探っていくが、エラーコードが出ている箇所が必ずしもトラブルの原因とは限らない。そのためメカニックの経験と知識こそが迅速な診断に繋がっていく。K-RDモーターワークスの濱口さんはメカニックとして長い経験と確かな技術を持つ人物だけに、大切な愛車を安心して任せることができる。
K-RDモーターワークスで扱う車両は2015年付近のメルセデスが中心だが、複数台所有する顧客も少なくなく、他ブランドのドイツ車にも対応する。
ビンテージモデルの整備にも対応可能。取材当日はタテ目メルセデスが水回りの修理で入庫していた。整備用フェンダーカバーを作業時に装着するのは当然かもしれないが、加えてボディカバーをして作業をするところに、濱口さんの仕事に対する本気度がうかがえる。
メルセデスを所有しつつ、時々はBMW MINIを運転することもある濱口さん。一番好きなモデルを聞くと「抜群のバランスの良さでC63ですね」と答えてくれた。
 
●K-RD motor works
●所在地:三重県伊勢市柏町885-1
●TEL:0596-63-6573
●URL: https://k-rdmw.com
●Mail:info@k-rdmw.com
●営業時間:9時〜20時
●定休日:不定休