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AMG SL

2022.02.05

【走りの本能を刺激するスペシャルカーの世界 Vol.04/SL65 AMG Black Series】レーシングカーのような 過激な姿とハイパフォーマンス

かつてのAMGのように、1台ずつ手作業で仕上げられる特別なモデルがブラックシリーズ。AMGパフォーマンススタジオが生み出すレーシーなワイドボディがたまらない。ここでは世界限定350台というSL65 AMGブラックシリーズを紹介しよう。

 

SL65 AMG Black Serie

レーシングカーのようなルックスは他を圧倒する存在感を放っている。これで公道を走れてしまうのだから、飛び切りスペシャルなAMGだと言えるだろう。
 

どこを見てもスペシャルな
ブラックシリーズ

 エンジンこそアファルターバッハの専用工場で組み立てられているが、通常のモデルと同様にラインで大量生産されている現在のAMGメルセデス。それとはまったく違った価値を持つ、飛び切りスペシャルなモデルがブラックシリーズだ。2006年にオープンした愛車のスペシャルオーダーを求める特別なカスタマーのためのアトリエ「パフォーマンス・スタジオ」が送り出す、限定仕様のフラッグシップモデルだけに与えられる称号なのである。
 さらなるチューニングが加えられた最強の出力を誇るエンジンに、存在感のあるアグレッシブなラインを描くワイドボディ、そして専用の足回りやブレーキシステムを組み込んでサーキットレベルまで高められたパフォーマンス。ラグジュアリー方向とは違った、最上級のスポーツ性能を持つ最高レベルの高級車として、唯一無二の存在感を放っている。もちろんユーザーのニーズに合わせ、さらなるカスタマイズを加えることも可能。完全なハンドメイドで仕上げられるボディや内装のスペシャルメイクと合わせ、まるでチューニングファクトリーで手作りされていた時代のAMGを再現したかのような手間と時間をかけて贅沢に作られているのがブラックシリーズなのだ。
 ブラックシリーズは、06年のSLK55AMGブラックシリーズを皮切りに、翌年にはCLK63AMGブラックシリーズが登場。これらは日本へは導入されなかったものの、08年には世界限定350台で生産されたSL65AMGブラックシリーズのうち12台が日本へ割り当てられ、正規輸入という形で販売されている。さらに、CクラスのクーペをベースとしたC63AMGクーペブラックシリーズを、日本限定50台の予定で予約販売している。
 さて、撮影したのは正規輸入台数が12台というスペシャル感たっぷりのSL65AMGブラックシリーズである。
 SLクラスはオープンモデルだが、ブラックシリーズではクーペとし、ドアパネル以外はドライカーボンを採用している。トレッドは約100mm拡大されており、レースカーのような圧倒的な迫力を感じさせる。
 エンジンはV12をベースにチューニングが施され、最高出力は670ps/最大トルク101.9kg‐mというスペックで、最高速度は320km/hとされている。ノーマルモデルではABC(アクティブ・ボディ・コントロール)が搭載されているが、ブラックシリーズは全長調整式コイルサスペンションに変更されている。もはや、サーキットレベルでも十分に通用する圧倒的なパフォーマンスを発揮するのだ。
 飛び抜けたスペックとド派手な出で立ちのブラックシリーズは、かつてのAMGがそうであったように、これからもクルマ好きの視線を釘付けにするに違いない。いつの時代も特別なニーズに応える確かな技術力を持つのがAMGなのである。

フェンダーの張り出しがワイルドな雰囲気を醸し出している。ノーマルモデルに備わるABCは撤去され、コイルサスペンションを装着している。
ボンネットには冷却のためのダクトが備わっている。もちろんカーボン製である。
リアウイングも備わり、過激なスポーツカーらしいオーラを放っている。
至高のV12ユニットをベースにAMGのチューニングが施されたスペシャルなエンジン。タービンや吸排気系、コンピュータも変更されている。
カーボンパネルで彩られたインテリア。コクピットのような包まれ感のあるドライバーズシートとなっている。
強力なエンジンパワーを確実に受け止める専用のブレーキシステムを搭載している。