ココがPOINT!
電気式メーターのトラブル原因の一つとして挙げられるのが基板不良。クルマによっては焼き付きを起こしていることもある。チップやコンデンサなどの経年劣化が原因であることも。
液晶部分の文字欠けもリペアで修理できる
メーターには電気式と機械式がある。高年式モデルは電気式が主流なのだが、バックライトが点灯せずに真っ暗になってしまったり、チカチカと点滅して見にくくなってしまうことがある。近年では、スピードメーターが途中で止まってしまう事例もあるから放置することはできないトラブルなのである。
メーターパネル内にある液晶部分が文字欠けしてしまうトラブルも多い。ディスプレイに何が表示されているのか分からないほど文字欠けしてしまうのだ。シフトポジションを表示する文字が欠けてしまったり、エラーメッセージを示す文字が欠けてしまうこともある。シフトポジションの表示は直接走行には影響しないものの、エラーメッセージなどが確認できないのはマズイ。
こうしたトラブルの原因になっているのがメーターに備わる基板の不良。通常修理ではメーターごとの交換となり、その費用は15万円以上と高価なのがネックだが、そんな時に役立つのが分解修理である。メーターを分解して内部の基板などを修理してくれるため、リーズナブルに直すことが可能なのだ。原因はハンダのクラック、チップの不良など症状によって様々。また、電気式でもモーターやギアなどの機械的な部分がダメになることもある。費用はショップや車種によって異なるものの、1・5万円からというのが目安だ。
機械式メーターもトラブルが多いが、メーター職人の高い技術力によって分解整備することが可能。例えば、メルセデス・ベンツEクラス(W124)の直列エンジンモデル用メーターは、内部の樹脂製ギアが摩耗してオドメーターが動かなくなってしまうのが定番トラブルだ。
修理のポイントになるのが、5ミリほどの小さなギアの交換。さらに分解したついでに、長時間の使用でガラス部分が黒く変色した照明バルブを交換したり、バルブの熱で溶けてしまいがちなライティング用のアクリル板をチェックして、軽く油を差してやれば正常に動き出す。ギアを交換するだけではなく、同じトラブルが発生しないように修理してくれるのは、機械式メーターを得意とするショップの高い技術と経験によるものだ。
自分でバラして直す場合の注意点としては、グリースと樹脂製のギアには相性があり、きちんとしたものを注油しないと逆に傷めてしまうことがある。こういった細かな部分にもノウハウがあるわけで、プロはそういった知識も豊富なのである。
分解整備をすることで高価なメーターを一式交換することなく、愛車とともに刻んできたオドメーターの数字がリセットされてしまうということもない。費用は車種や症状によって異なるが1万円からが目安だ。
電気式も機械式も、修理を依頼する際にはメーターを外して送ることが前提となる。専業でやっているところがほとんどなので、クルマごと持ち込んでも対応してもらえないことが多い。普段通っている修理工場を通じて依頼するのが簡単で確実な方法だ。