「PUTデポ」ランドクルーザー70系の「逆輸入車」という選択
ジムニーにラングラー、ランドクルーザー・プラド…。そう、人気のSUVに負けず劣らず、本格オフロード四駆もコンスタントに販売台数を伸ばしている現在。秘かに驚かされるのは、ランドクルーザー70系の人気ぶりだ。ワークホース系ランクルの直系として人気を集めたが、’04年に国内販売を打ち切り。その後’14~’15年に期間限定で国内で再販され、予想以上の販売台数を記録してしまったのは、記憶に新しいところだ。
つまり、それだけランクル70の人気は根強いってこと。中古車市場にしても、すでに再販前の最終モデル(’99年式以降のフロント・コイルモデル)は、当時の新車価格を大きく上まわるプライスがつけられているほどだ。もちろん、再販モデルも台数が少ない分、プレミアム価格が…。
そこで提案したいのは、70系の逆輸入車という選択だ。国内でこそ販売が打ち切られた70系だが、海外では圧倒的な人気を誇るワークホース。もちろん新車販売もされている。中古車と同じような価格帯で、新車が手に入る可能性が高いのだ。
しかし逆輸入車はなかなかハードルが高い?いやいや、そんなことはない。逆輸入車ショップの老舗であり、スペシャリストでもある「PUTデポ」にまかせてしまえば、海外モデルのランクル70系も、ぐっと身近な存在になってくるのだ。
実際、PUTデポの展示場には、トゥルーピーやショートなど海外仕様の70系がズラリ!すべて売約済みで、納車待ち。
「ランドクルーザーについては当社では中近東仕様をオススメしています」と代表の金原崇雄さん。オーストラリア仕様は右ハンドルではあるが、価格がかなり高くなってしまうという。「それに中近東からはコロナの影響もさほどなく、定期的にクルマが入ってきていますね」クルマのオーダーをかけてから、輸入、予備検査、登録を経て、実際、納車されるまで、3ヶ月半から4ヶ月ほどとのこと。意外なほど待つ時間は短いのだ。
「実車も当社には常時、用意しています。当社のホームページでも紹介していますよ」ちなみにPUTデポでは、まだバックオーダーを20台以上抱えているのだというから、その人気はすさまじいほど!自社工場完備の充実したバックアップ体制、それに良心的な価格設定も、PUTデポが選ばれる理由かもしれない。もちろんオーダーは日本全国からOK。地方には提携しているプロショップも多いそうなので、安心して「逆輸入車ライフ」を送っていただきたい!
■ランドクルーザー70シリーズ
ランドクルーザー70系ってどんなクルマ?
ワークホースとして登場したランドクルーザーの、正統的な後継モデルが70系だ。40系の後を継いでデビューしたのは1984年、2004年には日本での販売が打ち切られ、販売先は海外だけとなる。しかし2014年、70系登場30周年を記念して、1年だけ、国内で再販。現在のラインナップはショート3ドア(幌&メタルトップ)、セミロング5ドア、トゥルーピー、ピックアップ(シングル&ダブルキャブ)。エンジンは4.0ℓV6ガソリン、4.2ℓ直6ディーゼル、4.5ℓV8ディーゼルターボ。
GRJ71L
搭載エンジン変更に伴い、70系は’07年、フロントマスクを丸目2灯から異型2灯に変更しているが、その“顔”の2ドアショートモデルだ!今回のモデルは左ハンドル、フロントシートは3人掛けで、リヤシートは横向き対面式。ただし日本では現在横向きシートは保安基準不適合なので、登録上は3人乗りとなる。搭載エンジンは日本でもおなじみの4.0ℓV6ガソリンの1GR-FE型、トランスミッションは5速MTしか選べない。4WDシステムはもちろんパートタイム式だ。おもしろいのは、フロントハブが直結式、ホイールもスチールのリング式と、なかなかワイルドな内容なのだが、マニュアルエアコンやパワーウィンドーが標準装備されていること。
サスペンションはフロントに3リンク・コイル・リジッド、リヤにリーフ・リジッド。リーフは76や78に比べるとスパンが短い。タイヤは日本製ながら日本では販売されていないブリヂストンM755、7.50R16LT。ホイールはスチール製で、リングでタイヤを脱着できる。
エンジンはプラドなどでもおなじみの4.0ℓV6ガソリンの1GR-FE型。トランスミッションは5速MT(H150F型)。ちなみに現在、70系にATの設定はないらしい(ごく一部の仕様にあるとも?)。4WDはパートタイム式。
インテリアはいたってシンプル。鉄板むき出しの部分もあって、いかにもナナマルらしい。マニュアルエアコンや、クッション性のいいファブリックシートは、少し高級感が。フロントシートは3人掛け(やや狭いが)、リヤシートは横向き対面式となる。日本では3人乗り登録。
オーバーフェンダー無しのナローボディに、見た目のボリュームが増した現行顔でショートのフォルムは、アンバランスな感じが逆にカワイイ。まるで大きくなったジムニーのよう。リアランプは旧来の70系のイメージだ。
VDJ76L
このボディタイプは日本でも見慣れたもの、そうセミロングホイールべースの5ドアで、再販されたGRJ76Vと同じもの。ただしオーバーフェンダーの付かないナロー仕様で、全体にすっきりした印象だ。さらにエクステリアではメッキグリル&メッキバンパー、シュノーケルが特徴的。そしてなんと言っても、搭載エンジン。そう、4.5ℓV8ディーゼルターボを搭載しているのだ。しかも5速MTで。走りはなかなか楽しめるはず。インテリアは、フロント2人掛け、リヤ3人掛けのシート構成で、ファミリーユースにもうってつけ。もちろん左ハンドル、そして強烈なエンジンで、日本向け再販76とは一線を画す存在感だ。
サスペンションは70系全車共通、ただしリヤのリーフスプリングはボディタイプによって様々。ちなみにPUTデポではカスタムも行なってくれる。予備車検前に相談すれば、カスタムした上での登録もOK。タイヤは225/95R16、つまり7.50と同等サイズとなる。
エンジンは4.5ℓV8ターボの1VD-FTV型。ランクル200系には同エンジンのツインターボが搭載されるが、こちらはシングルターボ。スペックは196HP&44kg-mだが、5速MTで操ると、その強烈なトルクは数字以上だ。
撮影車両にはランクルの最終兵器、前後デフロックも装備されていた。こちらはオプション扱いとなるので、“デフロック付きで!”とオーダーしよう。オフロードをそれほど走らなくても、雪道など、あれば必ず役立つはず。
インパネデザインなどは70系全車、ほぼ共通。今回のモデルのグレードは“LX”だが、フカフカのファブリックシートが特徴。フロントは2人掛け、リヤはベンチタイプの3人掛けとなるが、居住性は国内向けの76同様だ。ちなみにリヤシートは一体型の可倒式。
セミロングホイールべースの5ドアボディ、つまりかつてのHZJ77や、国内で再販されたGRJ76と同じ。エンジンは1VD-FTV型を搭載するので、型式名はVDJ76Lとなる。オーバーフェンダーのないナローボディ、シュノーケルも標準装備。
VDJ78L
PUTデポがオーダーを受けているランドクルーザー70系、その8割がこの仕様、そう、ロングホイールベースのトゥルーピー(トゥループキャリア=人員輸送用の車両)だ。全長5mを超えるボディ、なのに3ドア…。もちろん日本仕様にはこれまで正規で設定されたこともなく、おそらく、今後も日本で正規販売されることはないだろう。しかし、マニアにとっては、これこそがワークホース系ナナマルのシンボル、という人もいるほどだ。ちなみにフロントシートは3人掛けだが、リヤシートは横向き対面式となる。つまり、先ほどのショートの例と同様、“今のところ”日本では3人乗りの登録となる(PUTデポではトゥルーピー用の前向きリヤシートも製作済)。
フロント・コイル+リヤ・リーフの、前後リジッド式。リヤのリーフはかなり厚いバネが、数多く重ねてある。ちなみに最大積載量は500kgで登録、71、76、78、すべて1ナンバーとなる。タイヤは225/95R16C、ホイールはスチールだがリング式ではない。
エンジンは、やはりV8ディーゼルターボ。せっかく海外仕様のナナマルをオーダーするなら、このエンジンを強く推奨したい。ガス検やブレーキ検査など、日本で登録するため、PUTはかなり時間とコストをかけたようだ。
広大な砂漠をクルーズすることを考え、燃料タンクをメインとサブ(90ℓ+90ℓ)、2つ備えているのもトゥルーピーの特徴だ。燃料計はメーターパネル内に、メインタンクとサブタンクの切替はインパネのスイッチで行なう。
インパネデザイン自体は他の70系と変わらないが、トゥルーピーの場合、なぜかタコメーターがなかった(グレードによる違いではない)。その代わり、サブタンクの表示が。そう、燃料タンクは90ℓ容量のものを2つ、備えている。リヤシートは横向き対面式、PUTでは前向きリヤシートも販売中だ。
車幅は71、76と変わらないが、ボディは5mを軽く超える長大なもの。しかもドアはフロント両席用と、観音開きのリヤゲートのみ。荷物の積み降ろしにはかなり不便だが、そもそもが人員を運ぶためのクルマなのだ。
「タンドラ」や「タコマ」など、USトヨタ車をメインに、日本のユーザーに海外仕様の魅力的なモデルを届けてくれる「PUTデポ」。現在は中東仕様のランドクルーザーの逆輸入にも積極的。メーカー純正のテスターなども完備して、バックアップ体制も万全なのだ。