結論から書くとこのスズキ初となる完全バッテリー駆動の自動車であるeビターラ、「買い」である。
その理由は3つある。まずガソリン車から乗り換えたとしても違和感がなく、それでいてEV感も味わえる絶妙に優れた味付けとなっていること。特にスロットル操作に対する加速度は非常にこだわってセッティングしたそうで、速すぎず遅すぎずという特性は誰にとっても運転がしやすいのだ。
次にデザインのよさ。ジムニーの成功によりSUVといえばスズキという印象が定着した感もあるが、eビターラもSUVらしい筋肉質な外装デザインが与えられており、純粋にかっこいいと思える。内装はブラウンを上手く配色したことで上質感が感じられる。大きな10インチクラスのディスプレイを2つ配置したインターフェースも未来を感じさせてくれる。その一方で使用頻度の高いエアコンや音量ボリュームは物理スイッチにしてくれており、ユーザーフレンドリーな操作性もある。こうした点にスズキの良心を感じ取ることができた。
そして最後のポイントが走行性能の高さ。多くのBEVはガソリン車をベースに開発しているのだが、スズキはBEV専用プラットフォームである「HEARTECT-e」を開発したことでロングホイールベース化と高剛性を実現。バッテリー搭載位置の低重心と相まって走る、曲がる、止まるという基本性能を非常に高いレベルで実現したのだ。
BEVといえばスポーティな硬めの足回りが多いが、eビターラは非常にマイルド。リアサスペンションは高級車譲りのマルチリンクとなっており、大きくうねるような路面や石畳のような路面でも追従性が高く、不快な振動がない。また高速道路で追い越し車線を走る状況でも高い走行安定性があり、レーンチェンジやブレーキングでも不安感を微塵も感じさせることもなく運転を楽しむことができた。さらに4WDではタイヤが浮くようなオフロードも想定した電動4WDシステム「ALLGRIP-e」を開発するなどスズキの得意分野もしっかりと取り入れているのだ。
なお4WDは61kWhのバッテリーを積み、航続距離は公称472㎞。デイリーユースや週末のちょっとしたドライブもこなせるスペックで、未来を身近に感じられるコストなのも魅力となっている。
■eVITARA



スズキ初となる電気自動車(BEVC)。コンセプトは「Emotional Versatile Cruiser」。XとZのグレードを用意し上位モデルとなるZには4WDもラインナップ。専用プラットフォームや洗練されたデザインの内装、SUVらしい逞しい外装に加え、電動4WDシステム「ALLGRIP-e」により、力強い走りと優れた走破性を両立する。
新開発のEV専用プラットフォーム HEARTECT-e

EV専用のプラットフォーム「HEARTECT-e」を新開発したことでロングホイールベース化による大型駆動用バッテリーの搭載が可能となるほか走行安定性も向上。タイヤもSUVらしい18インチの大径のタイヤの装着が可能となる。さらにスアリングの切れ角も大きくとれることで最小回転半径は5.2mという取り回し性能を実現。高ハイテン材の使用率も高く、軽量化高剛性のフレームとなっている。
4WDシステムと4つのドライブモード

4WDには前後にeアクスルを配置し、合計の最高出力は135kW。この出力をEV専用の制御となる「ALL GRIP e」を用いてトルク配分を緻密にコントロールし力強い走りを実現する。またドライブモードは「ノーマル」、「エコ」、「スポーツ」に加え「トレイルモード」も採用。タイヤが空転する状況でもブレーキLSD制御により脱出を可能とする。ちなみEVは速度がゼロ時でも最大トルクを出せるので、ジムニーよりも悪路走破性能を高められる可能性があるという。

サイズは4275×1800×1640(㎜)とコンパクト。大型化が進むSUVでこのサイズはありがたい。ロングホイールベースによる伸びやかなシルエットや筋肉質なフェンダーが印象的だ。


充電ポートはフロント右フェンダー上に設置。車両に付属する充電ケーブルをラゲッジ床下に備えているので、自宅や充電スポットで簡単に充電が可能。充電はバッテリー温度や電力残量、充電環境などの条件にもよるが、急速充電で約45分(Z)。普通充電で約10.5時間(Z)となっている。

フロントには制御ユニットなどを搭載。一般的に寒冷地が苦手なBEVだが、eビターラにはバッテリーウォーマー機能や走行中のバッテリー昇温機能を備える。

ブラウンを取り入れたことで上質感のあるインテリア。異形ステアリングやダイヤル式シフトで未来を感じる一方、使用頻度の高いエアコンなどは物理スイッチを残し操作性も確保。


メーターには10.25インチ、センターには10.1インチのディスプレイを採用。操作性や視認性を両立するためディスプレイ位置はミリ単位でこだわって設計したという。またリアシートにはUSBと1500W容量のACコンセントを備える。

フロントシート

リアシート
運転席のみ10WAYの電動調整機能を搭載(Z)。リアシートにもスライドとリクライニング機構を備え快適な乗り心地を実現。

ラゲッジは全幅が1165㎜。リアシートを前方にスライドすると835㎜、倒すと最大1455㎜を確保できる。リアゲートの開口部も大きく使い勝手も高そうだ。

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