デリカD:5のキャラクターを、そのまま〝軽スーパーハイトワゴン〟というコンパクトなパッケージに凝縮、キュートで頼もしい「デリカミニ」がデビューしたのは2023年5月のこと。以来、月販で3000台以上を続ける大ヒットモデルとなったが、そんなデリカミニが2025年10月、早くもフルモデルチェンジを遂げ、2代目モデルに突入した!
もちろん初代の人気そのままに、2代目モデルも発売前にすでに1万台以上を受注してしまったというから凄まじい。いったいなぜ、デリカミニはこれほど支持される存在になったのだろう?
そもそも、デリカミニが属する〝軽スーパーハイトワゴン〟は今、もっとも新車販売台数の多いカテゴリーだ。軽自動車という限られたボディサイズ、限られたエンジンスペックの中に、各自動車メーカーが様々なアイデアを注ぎ込み、広々とした快適な室内、優れたユーティリティを実現。現代のクルマにふさわしい先進の安全性能も盛り込みながら、人気車を次々生みだしている。
また、それぞれに個性を持たせているのも特徴。子育てを意識した仕様、スポーティさをアピールしたもの、SUVライクなテイストを持たせたもの……。限られたカテゴリーの中でも、自分の好みや使い方・乗り方に合わせて選べるのも〝軽スーパーハイトワゴン(そして軽ハイトワゴンも)〟が人気になっている理由なのだ。
そして、そんな激戦区にあっても、デリカミニは確固たる支持を集め続け、その中心的な存在になっている。それはやはり、デリカミニというクルマのコンセプトが、多くのユーザーマインドに響いている、ということだろうか? もちろん、デリカD:5のコンセプトを継承しているということもあるが、もっと気軽に、もっと楽しく出かけられるワクワク感が、兄貴分のデリカD:5より強いような気がする。それに〝カッコかわいい〟ビジュアルや、クルマそのものとはあまり関係ないのかもしれないが、〝デリ丸〟の存在もけっこう大きいかも?
そんなわけで順風満帆なスタートを切った2代目デリカミニ。この人気者ぶりの正体をじっくり探っていってみよう。

三菱自動車
商品戦略本部 チーフ・プロダクト・スペシャリスト
藤井康輔氏
1991年に三菱自動車カーライフプロダクツ株式会社に入社。以来、純正用品はもちろん、カスタマイズ用品や特装車の商品企画に携わり、2021年からデリカD:5/軽自動車全般のチーフ・プロダクト・スペシャリストとして商品企画をとりまとめている、いわば“ミスター・デリカ”と呼ぶにふさわしいその人が、藤井康輔さんだ。

編集部:まず初代デリカミニについてお伺いしたいのは、ekクロススペースの後継として登場したことです。ekクロススペースは、デリカD:5そっくりのフェイスが採用されていましたが、〝デリカミニ〟とはなりませんでした。
藤井:「当時から〝三菱らしいクルマってなんだ?〟という取り組みがある中で、やはりデリカというのは象徴的な存在でした。その中で〝どうすればデリカと名乗れるのか?〟と考えた時に、やはり少し足りないものがあったんですね。それで、走りもユーティリティも高いレベルで兼ね備えた、日常も非日常もワクワクするような。まあ、軽自動車ですからそれほど高い悪路性能は難しいんですが、それでも悪路を安心して走れる、そんなことをテーマに生まれたのだデリカミニだったんです。
逆に今は〝デリカD:5をデリカミニ顔にしてほしい〟なんてお客様の声も聞こえるほどです。今考えると、デリカミニのフェイスって、初代D:5のものに近いのかな?とも思ったりします」
編集部:初代デビューから2年でフルモデルチェンジして2代目へって、自動車としては異例の早さですよね?
藤井:「初代のデリカミニはそれまでのeKクロススペースをベースにした改良モデルですが、そのeKクロススペースの発売からは約5年が経過し、フルモデルチェンジのタイミングでした。2代目は開発初期段階から我々が目指していたデリカらしさを織り込むことが出来ました。」
編集部:2代目のプロジェクトは、すでに初代がデビューする前からスタートしていたとか?
藤井:「はい、スタートしていました。初代モデルは発売前の事前の調査などで高い評価を得ていたこともあり、2代目ではその良さを残しながらどのように進化させていくか?そういった部分が非常に難しかったです。」
編集部:藤井さんご自身はデリカD:5オーナーであり、カスタムなされたり、キャンプを楽しまれたり、さらにはイベントなどにも足繁く通われています。
藤井:「これは我々スタッフにも言っているんですが、お客様と同じ目線にならないと見えてこない部分もたくさんあるので、やはりそうやって自分自身が体験して楽しんでみることが、クルマ造りには大事なんだと思いますね」
編集部:そういう意味ではお客様の声もキャッチしやすい?
藤井:「そうですね。ですからフルモデルチェンジにあたっては、走りの部分ですとか、インテリアやユーティリティの部分は比較的〝進化〟させやすかった。とくに初代のインテリアはekスペースと大きな変更点がなかったので、そこはデリカミニらしさを表現するポイントとなりましたね。いかにお客様の満足感を高めていくか。その一方、難しかったのは好評をいただいていたエクステリアデザインのところです」
編集部:新型のデリカミニは初代のイメージを残しながら、力強さが増していますし、発売前1万台以上を受注したとのことで、まずは大成功なのではないでしょうか。しかも4WDの比率が高いとか?
藤井:「はい。比率としては53%とのことですね。軽スーパーハイトワゴンですと4WDは20%くらいが普通なんですが。初代モデルも実は販売台数の約半数が4WDだったんですね」
編集部:やっぱり〝デリカ〟なんですね。軽でも、ハイトワゴンでもなく、〝デリカ〟。グレードはどれが人気ですか?
藤井:「今回、Google搭載インフォテイメントシステムや3Dマルチアラウンドモニター、MITSUBISHI CONNECTなど、すべてを標準装備とした〝TプレミアムDELIMARUパッケージ〟というトップグレードを用意したのですが、その4WDモデルが一番人気、同じ2WDモデルが二番人気ですね」
編集部:DELIMARUパッケージの車両価格は274万100〜290万7300円(税込)とのことですが。
藤井:「先日のジャパンモビリティショー2025に出展した際も、〝軽自動車だったんですね!〟と驚かれている方が多かったです」
編集部:もちろん、それだけの価値、満足感を感じさせてくれるクルマということですよね!
ありがとうございました。
専用の内装を採用

インテリアはより機能的で高品質な空間に変更した。上級グレードではグランピングのコテージのようなシックなカラーリングと上質なファブリックの組み合わせ、標準グレードではベーシックなブラックを基調色に採用する。撥水シート生地やシートヒーター、ステアリングヒーター、リヤヒーターダクトも装備している。





大きなアッパーグローブボックスや、運転席&助手席シートバックテーブルなど充実の収納と、USBケーブルを用意する。
デリカの走りをダイヤル操作で実現

路面状況を見ながらドライバーが5つのドライブモードを選択・設定できる“ドライブモード”を、軽自動車として初めて採用(2WD、4WDとも)。切り替えはダイヤル操作で行うので、D:5のようなSUVライクな感覚でドライブできる。

ドライブモードを変更するとディスプレイに遊び心あふれる専用グラフィックが表示される。これで楽しみも倍増!さらにグリップコントロールやヒルディセントコントロールなど先進機能も搭載している。
エクステリアはキープコンセプト

エクステリアは従来のアウトドアイメージを、さらに高めたスタイリングに。フロントフェイスは象徴的な半円形LEDポジションランプを大型化しながら少し穏和な表情に。全体のスタイリングもAピラーの角度を立てたりDピラーの幅を広げて骨太なフォルムに。

力強さと安心感を表現するフロントのダイナミックシールドを継承、フロントバンパーと一体化しながらボディ同色としてさらに洗練された力強さが。
アクティブに活動できる仕様に変身

ラゲッジルームは最大長675㎜、開口高1080㎜を確保した大容量。シートアレンジも多彩で27インチ自転車やボード類の積載も楽々だ。後席は後席側・荷室側、どちらからでもワンアクションでスライド可能で便利なのだ。


樹脂ラゲッジボード&PVC後席シートバックの採用で、濡れたり汚れたりしたアウトドアグッズも気にせず積載可能。掃除も簡単にできるのでガンガン載せよう!
軽スーパーハイトワゴンとは
各メーカーから個性豊かなモデルが続々と登場し、まさに群雄割拠の様相を呈している「軽スーパーハイトワゴン」カテゴリー。スズキのスペーシア、ダイハツのタント、ホンダのN-BOXなど、販売ランキング上位の常連がずらりと並ぶ激戦区だ。しかし、そのユーザー層は比較的流動的で、選ぶ基準も「価格」や「購入のタイミング」など、実はコアなこだわりよりも実用性寄りの要素が占めている。極端に言えば〝軽で、広ければOK〟という選ばれ方をされることも少なくない。
では、デリカミニはどうか。ここがまったく違うポイントだ。デリカミニの購入者の多くは〝指名買い〟。つまり「デリカミニじゃなきゃダメ!」という強い理由を持って選んでいる。
デリカ譲りのSUVマインドとミニバン的な実用性を両立した独自のキャラクター。個性的で〝カッコかわいい〟フロントフェイス。街乗りからロングドライブまでこなす余裕の走り。軽スーパーハイトワゴンでありながら、その枠を超えた存在感こそがデリカミニの本質だ。実際に4WD比率が圧倒的に高いことが、その証ともいえる。
今回比較対象として選んだのは、軽スーパーハイトワゴン、ではなく、実はキャラクターが近い2台、スズキ・ハスラーとダイハツ・タフト。アウトドア志向の軽SUVに近い領域で、そのポテンシャルを見比べてみた。
うーん、やはり室内空間の広さや快適性、アウトドアユースへの配慮など、デリカミニが一枚上手。何より〝見てワクワク、乗ってもっとワクワク〟という感覚こそ、デリカミニ最大の魅力といえるだろう。

全長・全幅は軽自動車枠に収まりながら、1700㎜以上の高い車高で室内高を確保、さらに両側スライドドアを採用してファミリーに優しいクルマたちをこう呼ぶのだ。
■デリカ ミニが選ばれる理由
室内空間の余裕(特に室内高)
車とも全長/全幅は同等だが、デリカミニは室内高・居住性でアドバンテージがある。キャンプや遊び道具を積む機会が多いユーザーにとって実用的。
装備の充実度(上級グレードの安全&快適機能)
高度な運転支援(上位でMI-PILOT系)、大型ディスプレイ、アラウンドモニターなど、装備面で他車をリードする項目が多い。
アウトドア使用への親和性
大きな室内高とフラット化できる荷室(オプション含む)により、車中泊や道具の積載・取り出しがしやすい。
差別化されたデザインとブランド訴求
デリカ系列の“アウトドア”イメージを引き継いだデザインは、遊びをテーマにしたユーザー心を掴む。

大型ディスプレイやアラウンドモニターといった先進装備をはじめ、運転支援機能や快適装備が充実しており、軽SUV・スーパーハイトワゴン両カテゴリーの中でも高い完成度を誇る。視認性の高いディスプレイは操作性にも優れ、アラウンドモニターと組み合わせることで駐車や狭い道での取り回しも安心。

力強いフロントフェイスやスクエアなフォルムは、小柄なボディながらタフさと存在感を演出。バンパー下部のガードデザインや大径タイヤ風のホイール意匠など、細部までSUVらしさを追求している。

デリカミニはスーパーハイトワゴンならではの高い室内高を確保している点が大きなアドバンテージだ。頭上にゆとりがあり、乗り降りのしやすさや開放感に優れるうえ、大きな荷物も積みやすい。とくにキャンプ道具や遊び道具などを載せる機会が多いユーザーにとって、この“高さ”が実用性の面で大きく貢献する。
遮音や整備のチューニングにより静粛性が高い印象。車重は重めだが低重心のセッティングで安定感が高い。コーナーでの姿勢変化が穏やかで乗り心地と安定性のバランスに優れる。高速での安定性・遮音性能が高く長距離巡航で疲れにくい。上位グレードだと高速域の運転支援が充実している点も大きな安心材料。
■デリカ ミニの深化
新型デリカミニは、〝頼れるアクティブギア〟というコンセプトのもと、SUVらしさと日常使いの快適さをより高次元で融合させた意欲作だ。ひと目で「デリカ」とわかるタフなフロントフェイスを採用し、新世代の「ダイナミックシールド」デザインと丸型LEDランプ、ワイドなグリルが個性と存在感を際立たせる。前後バンパーにはスキッドプレート調の意匠を取り入れ、ボディ下部をブラックアウト化。従来型よりもSUVらしいプロポーションを強調している。
ボディカラーは全15色(ツートーン6色/モノトーン9色)を設定。新色の「サンドベージュパール」や「デニムブルーパール」が加わり、ライフスタイルに合わせた多彩なコーディネートが楽しめる。
室内は機能性と上質感の両立をテーマに刷新。インパネには7インチ液晶メーターと12.3インチインフォテインメントを一体化した〝モノリスディスプレイ〟を採用し、シンプルで先進的な印象を与える。
また、室内長は従来型比で115㎜拡大。大きなキャンプ用品や家族の荷物も余裕で積める空間を実現した。上級グレードでは明るいベージュ基調の内装を採用し、SUVのタフさの中にも心地よい居住性を感じさせる仕上がりとなっている。

1代目(2023年〜2025年)

2代目(2025年10月〜)
■6つの【深化】ポイント
よりタフに進化したデザイン
従来モデルで好評だったデザインを継承しつつ、ボディ造形を工夫することで、さらにタフで無骨なスタイルに。親しみやすいフロントグリルや、半円形のLEDポジションランプを備えたヘッドライトなどが特徴となる。
プラットフォームの刷新
新開発のプラットフォームを採用し、走行安定性や乗り心地が大幅に向上。走行性では、路面からの不快な突き上げを抑え、揺れの少ない快適な乗り心地を実現している。
進化した走行性能
運転のしやすさと走破性の両立を追求。一部グレードでは「グラベル」モードが選べるドライブモードセレクターを搭載し、路面状況に応じた走りが可能となる。
先進機能の拡充とインテリアの向上
車載情報システムにはGoogleが搭載され、利便性が向上している。大型ディスプレイを採用し、インフォテインメントシステムが飛躍的に進化した。インテリアは質感が大幅に向上。
マイルドハイブリッドシステムの廃止
先代モデルで全グレードに搭載されていたマイルドハイブリッドシステムは廃止された。エンジンの改良により、燃費性能は同等レベルを維持している。
グレードと価格
従来の4グレードに加えて「デリマルパッケージ」を追加し全6グレード構成となった。価格は従来モデルより11万〜12万円ほどアップした。






パワートレインは自然吸気とターボの2タイプを設定。最低地上高は150〜160㎜を確保し、ちょっとした悪路でも安心して走破できる。新採用の「ノーマル/エコ/パワー/グラベル/スノー」の5つのドライブモードは、路面状況に応じて最適な制御を自動で行なう。軽自動車としては異例の本格的な走行性能を備え、まさに〝ミニ・デリカ〟の名にふさわしい仕上がりだ。
安全面では「三菱 e-Assist」を中心に、後側方衝突防止支援システムや後退時交差車両検知など最新の予防安全機能を搭載。高速道路での同一車線運転支援(MI-PILOT)にも対応し、日常からロングドライブまで安心感を提供する。
価格は196万4600円〜290万7300円。グレード構成も幅広く、日常の足としてはもちろん、レジャー用途にも柔軟に対応できる。軽とは思えない存在感と機能性、そして〝どこへでも行ける安心感〟を凝縮した2代目デリカミニ。小さなボディに詰め込まれたデリカスピリットが、日常をより自由で楽しいものに変えてくれるはずだ。
運命カラー、16色の中に。
前代に続いてデリカミニのイメージカラーはアッシュグリーン系。これってデリ丸。のイメージ?そういえばデリ丸。にも新色が続々登場しています。
チタニウムグレーメタリック

レッドメタリック

ブラックマイカ

アッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ(有料色)

サンドベージュパール×ブラックマイカ(有料色)

デニムブルーパール×ブラックマイカ(有料色)

ナチュラルアイボリーメタリック×ブラックマイカ(有料色)

ホワイトパール×ブラックマイカ(有料色)

チタニウムグレーメタリック×ブラックマイカ(有料色)

アッシュグリーンメタリック(有料色)

サンドベージュパール(有料色)

デニムブルーパール(有料色)

ナチュラルアイボリーメタリック(有料色)

ホワイトパール(有料色)

ミストブルーパール(有料色)

ボディカラーはモノトーン9色、そしてその一部カラーをべースにブラックマイカのルーフを組み合わせた2トーンが6色、計15色で展開されている。
イメージカラーは前代から設定されているアッシュグリーンメタリック×ブラックマイカだが、新色としてサンドベージュパール(モノトーン または 2トーン)、デニムブルーパール(同)を設定。サンドベージュはキャンプギアと調和する、いわゆるアースカラーで、予約の段階では一番人気となったほど。
一方、デニムブルーパールもアウトドア感たっぷりで、アクティブなイメージ。その他ホワイトパールやブラックマイカなど、オーソドックスなカラーも売れ筋だし、ナチュラルアイボリーメタリックやチタニウムグレーメタリックは少し落ち着いた、オシャレなオトナのイメージ。ホント、どの色を選ぶか迷いますね!













