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デリカD:5

2026.01.26

【デリカD:5進化論】デリカのDNAとは?デリカの哲学と新モデルに込めた想い

2025年秋、新型デリカD:5がついに登場した。見た目も走りも、新しいスタイルと先進技術を身につけ、大きく生まれ変わったデリカD:5は、ミニバンの常識を超える新たなステージへと足を踏み入れた。

【相棒としてのデリカ。未来を担う開発陣の本音。】

1.デリカD:5は18年目を迎えました。ブランドとして、次に目指す方向性をどのように定義していますか。
デリカD:5の最大の特長は、SUVでありながらミニバンでもあるという唯一無二の存在であることです。この価値は今後も絶対に失ってはいけないと考えています。SUVとしては悪路走破性をしっかり確保しつつ、今回はS-AWCの搭載でその性能をさらに高めました。一方でミニバンとして、家族や仲間が安心して快適に乗れる空間づくりも、変わらず重要な使命です。求められるハードルは今後ますます上がっていくと思いますが、その2つの価値を妥協なく両立し続けることが、これからのデリカブランドが目指す変わらない方向性であり、未来へと繋がる核心だと考えています。こうした挑戦こそが、デリカを特別な存在へと進化させ続けるのです。

2.デリカシリーズ全体の中で、今回の改良モデルはどんな“役割”を担う存在なのでしょうか。
将来のデリカシリーズがどう進化していくかは、社会の動きやユーザーの生活・環境ニーズによって変わっていく部分もあります。ただ、デリカが持つ“唯一無二の筋が通った価値”、SUVのタフさとミニバンの実用性を併せ持つ存在であることは、これからも絶対に守っていかなければならないと考えています。
そのうえで、「次はこうなる」と具体的に断言できる段階ではありませんが、今回の改良モデルは、現時点で私たちが出せる“最適解”であり、デリカシリーズ全体の方向性を示す重要な役割も担っていると思います。
今回は走りの機能強化に加え、現行デリカD:5がやや都会的になっていた印象を、“デリカって本来こうだよね”というタフ&ギアな方向へしっかりと修正したイメージです。
「ジャパン・モビリティ・ショー」で多くのお客様から“カッコイイ”という声をいただけたのは、大きな励みになりました。また、今回は三菱マークもメッキからシルバーへ変更し、エクステリアからメッキパーツを廃した点も、デザイン刷新の象徴になっています。こうした積み重ねが、デリカらしさを次世代へ繋ぐ確かな一歩になると感じています。

3.これからのデリカファミリーに共通する“DNA”は何だと考えていますか。
やはり、SUVでありながらミニバン(ハイトワゴン)でもあるという唯一無二の成り立ちこそが、デリカの揺るぎないDNAだと思います。インテリアは高いユーティリティと快適な居住性を備え、走りはオールラウンドに対応。とくに悪路走破性の高さは、デリカファミリーに共通する大きな魅力です。この“万能性”こそが、今後も変わらず受け継がれるデリカの本質だと考えています。

長年デリカを愛してきたファンに伝えたいメッセージをお願いします。

柴田直之

三菱自動車工
プロジェクト推進室 [SCVE(Global)] CVE
柴田直之氏

自信をもって皆さんにお届けできるクルマができたと思っています。デザインもかっこよく、相棒としても道具としても頼もしい存在です。ご家族でもグループでもお一人でも、それぞれの“冒険”に連れて行っていただき、たくさんの思い出を作ってもらえたらうれしいですね。

平山敦朗

三菱自動車工業
商品戦略本部 商品力評価部 担当部長
平山敦朗氏

デリカD:5もデリカミニも担当していますが、どちらも“人も荷物も、日常も悪路も、しっかり使える”ように造り込んできました。これまで躊躇してしまったような、ちょっと深い雪道なども安心して走れる性能を備えています。ぜひ、皆さまの“相棒”として大切に乗っていただければうれしいです。

山本丈晴

三菱自動車工業
第一車両技術開発本部 性能計画実験部 操縦安定・ブレーキ性能計画実験 マネージャー
山本丈晴氏

今回のモデルチェンジではS-AWCの搭載が大きなトピックで、ドライバーの方はとくに恩恵を感じやすいと思います。一方で、同乗者の乗り心地についても高い評価をいただいているのがデリカD:5の魅力です。ハンドリング性能を上げると乗り心地が犠牲になりがちですが、そこは一切妥協せず、これまでの快適性をしっかりキープしました。ご家族や仲間と一緒に、さまざまな道を走って楽しんでいただきたいです。

南谷 功

三菱自動車工業
商品戦略本部 商品力評価部 主任(プロダクト評価)
南谷 功氏

車両の総合評価を担当していますが、D:5は乗ると本当に“安心感”が高いクルマだと感じます。社内のオフロードコースでも、「このクルマ、こんなところまで行けるんだ!」と驚くほどのポテンシャルがあります。ぜひ、皆さんにもその走破性を楽しんでいただきたいですね。

加藤 智

三菱自動車工業
第二車両技術開発本部 車両運動システム開発部 4輪統合制御設計 担当マネージャー
加藤 智氏

デリカD:5には4つのドライブモードがありますが、ただ“普通に使う”だけでなく、雪道などでもいろいろなモードを試してみて、挙動の違いを楽しんでいただきたいですね。自分にしっくりくるお気に入りのモードがきっと見つかると思います。どんどん切り替えて遊んでみてください!

西江幸司

三菱自動車工業
第一車両技術開発本部 性能計画実験部 操縦安定・ブレーキ性能計画実験
西江幸司氏

4WDの試験を担当していて、前型デリカD:5が初めて任された車だったこともあり、とても思い入れがあります。お客様からも4WD性能についてポジティブなご意見が多く、それが自信にもつながりました。新型はS-AWCに進化し、雪道やダート路での回頭性が大きく向上しています。ハンドルを切ったとおりにスムーズに曲がっていくので、ぜひ体感していただきたいです。安定性はもちろん、しっかり攻めた走りにも耐えられるようチューニングしていますので、日常からアクティブ走行まで、幅広く楽しんでもらえればと思います!

矢野秀任

三菱自動車工業
プロジェクト推進室 [SCVE(Global)] 担当マネージャー
矢野秀任氏

まずはS-AWCを体感していただきたいですね。前型デリカも雪道での走破性は高いのですが、S-AWC付きと比べると、どうしても“わずかな滑り感”があります。S-AWCが入るとそれがスッと消えて、とても安心して走れるんです。ぜひ、その違いを実際に感じてみてください!

阿部公彦

三菱自動車工業
第一車両技術開発本部 性能計画実験部 操縦安定・ブレーキ性能計画実験
阿部公彦氏

トラクションコントロールやヒルディセントコントロールなど、電子制御まわりを担当しました。開発を通じて“デリカらしいタフさ”をしっかり進化させることができたと感じています。さまざまな路面やスタイルで走っていただき、その変化をぜひ体験してください!

【もっと安心、もっと自在へ。S-AWC採用の理由。】

どんな道でも安心・快適にS-AWCと4W D技術で実現、全方位性能

1.なぜこのタイミングでS-AWCを採用したのでしょうか?
実は、6年前のフロントマスク変更のタイミングでも「S-AWCを載せるか」という検討はありました。ただ当時は、このクルマが持つ“ギア感”や4WDらしさをより強く打ち出したいという方針があり、採用を見送った経緯があります。一方で今回は、デリカミニの登場もあってユーザー層がぐっと広がり、より多くの方に扱いやすく、安心して走っていただけることが重要になりました。

2.「S-AWC(スーパー・オール・ホイール・コントロール)」はどのような制御で、どんな走りの進化を体感できますか。
これまでデリカD:5は、4WD制御をベースに「どの駆動モードにするか」を選ぶ仕組みを採用していました。しかし現在、三菱自動車では“走るシーンに合わせて最適な走行モードを選ぶ”という考え方を全車種で統一しつつあります。そこで今回のデリカD:5でも、2WD/4WDの単純な切り替えではなく、「どんな場面で使えばいいか」が直感的に分かる4つのドライブモードを、ダイヤル操作で選べるようにしました。そのうえで、あらためて「S-AWC」の思想も取り入れています。S-AWCはすでにアウトランダーやエクリプス クロスに搭載されている車両運動統合制御システムで、各輪の駆動力やブレーキを統合的にコントロールすることで、走破性・安定性・操縦性をより高いレベルで引き出すものです。

3.それは、これまでの2WD/4WD−AUTO/4WD-LOCKの切り替えだけでは対応しきれなかった、より細かな制御が加わったということですか?
はい。より安心して運転していただけるよう、細かなシーンにも対応できる制御を追加しています。従来のシンプルな切り替えだけでは表現しきれなかった、“走行状況に合わせた最適な制御”ができるようになった、というイメージです。結果として、より自然で思いどおりの挙動を感じていただけます。

4.具体的に、S-AWCではどのような制御が加わったのでしょうか?
S-AWCは、2007年のランサーエボリューションXで初めて採用された技術で、三菱自動車を代表する車両運動統合制御システムです。4輪それぞれの駆動力・制動力を最適に配分し、“悪路・悪天候・長距離をものともしない信頼感”、“意のままの操縦性”、“卓越した安定性”を高次元で実現します。これまでデリカD:5には、電子制御4WD、アクティブスタビリティコントロール(ASC)、ABS(EBD〈電子制御制動力配分装置〉付)を搭載していましたが、今回新たに「アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)」を追加しました。このAYCが加わることで、走破性、直進安定性、そして操縦性をより一段と高めることができるようになっています。今回のS-AWCは、その3つをバランスよく向上させることを狙った進化版と言えます。

5.AYCの追加によって、ドライバーが感じる変化(旋回時の安定性・直進安定性など)は?
ひと言でいえば「曲がりたい方向へ素直に向きを変えられる性能が高まっている」ということです。デリカD:5のような4WD車では、AYCの採用によって、とくに滑りやすい路面で“思ったとおりに曲がれる”感覚がより強くなります。ヒヤッとしがちな状況でも、ASCが介入する前の段階からAYCが姿勢を整えてくれるため、安心してコントロールできます。また、スピンに近いような挙動が出た場合でも、AYCがしっかりと車両の向きを抑えてくれるため、安定して立て直しが図れる点も大きなメリットです。

6.このAYCなどを搭載したS-AWCは、常に作動しているんですか?
モードによって制御内容は変わりますが、特別な操作は不要で、基本的に常時作動しています。ただし エコモードではAYCは作動せず、完全に燃費重視の2WD 走行となります。さらに、エコモードでは エアコンの出力も控えめ にするなど、クルマ全体を「エコ方向」に最適化する制御が入ります。この点は、従来の2WD/4WD-AUTO/4WD-LOCKをドライバーが切り替える方式とは大きく異なり、より総合的にエコ性能を引き出す仕組みになっています。

7.今回の「ノーマル」モードは、これまでの4WD−AUTOに近いイメージでしょうか?
はい。ノーマルモードは必要に応じて後輪にもトルクを配分するため、感覚としては「これまでの4WD−AUTOに近い」走りになります。普段使いで、エコモードよりもしっかり走りたいという方には、このノーマルモードがおすすめです。急に路面の悪い場所が現れたり、水たまりを通過したりする場面でも、より高い安心感があります。もちろん、エコモードが危険というわけではありませんが、より幅広い路面状況やシーンに対応できるのはノーマルモードと言えるでしょう。

8.エコモードとノーマルモードでは、燃費的にはかなり差があるのでしょうか?
やはり運転の仕方とか、走る状況で、現実的に比べるのは難しいと思いますが……そこまで差がある、というわけではありません。でも仕組み的には、エコが一番、燃費がいいということになります。

9.新たに設定された「グラベル」「スノー」モードはどのような路面を想定し、どんな味づけにしましたか。
スノーやグラベルは、より4WDやAYCが働くモードです。スノーモードは滑りやすい路面での安定性を狙っています。グラベルは安定性もですが、より力強さを狙っています。どちらがご自分の好みに合うかはそれぞれですので、試していただければと思います。例えば、河原でバーベキューをしようと踏み込んだ時、石がゴロゴロしている状況ではグラベルモードがいいでしょう。ノーマルモードでも走れないことはないんですが、やはり安心感はグラベルモードのほうがあると思います。ノーマルだとやはりズルっと滑る、そういうことも多くなると思います。シチュエーション別モードの選び方はホームページでも載せていますので、ぜひ参考にしてみてください。

10.ドライブモードについて、デリカミニは5つで、デリカD:5は4つ。逆にデリカD:5のほうが多くてもよかったのでは?
違いは“パワーモードの有無”にあります。デリカD:5はもともと十分なパワーを備えているため、あえてパワーモードを設定していません。一方、軽自動車のデリカミニで“より力強さ”を引き出すには、エンジンやCVT制御まで踏み込んだ調整が必要になるため、専用にパワーモードを設けています。

11.今回は従来装備されていなかったヒルディセントコントロールも搭載されましたが、どのような特徴がありますか?
デリカミニと同様に、5%以上の下り坂で作動し、前進・後退のどちらでも使用できます。また、ギアがニュートラルの状態でも作動するのが特徴です。作動開始速度は約2㎞/hからで、5㎞/hから作動するデリカミニより低速に設定されています。これは、よりハードなシチュエーションを想定したためです。一方で、最高作動速度は約20㎞/h。ミニバンであることや、多人数乗車時のシーンを考慮した設定になっています。この制御により、三菱自動車の登坂キットのような急斜面でも、下りをよりスムーズかつ安心してこなせるはずです。

12.今回は従来装備されていなかったヒルディセントコントロールも搭載されましたが、どのような特徴がありますか?
デリカミニと同様に、5%以上の下り坂で作動し、前進・後退のどちらでも使用できます。また、ギアがニュートラルの状態でも作動するのが特徴です。作動開始速度は約2㎞/hからで、5㎞/hから作動するデリカミニより低速に設定されています。これは、よりハードなシチュエーションを想定したためです。一方で、最高作動速度は約20㎞/h。ミニバンであることや、多人数乗車時のシーンを考慮した設定になっています。この制御により、三菱自動車の登坂キットのような急斜面でも、下りをよりスムーズかつ安心してこなせるはずです。

13.上り坂は自分で登っていかなければならないんですよね?
はい、上り坂はドライバー自身で登っていく必要があります。ただし今回は、トラクションコントロールを最適化したことで、走破性と安定性のバランスを大幅に向上させています。お客様の“冒険心”をしっかり後押しできる仕上がりです。さらに、弊社の「十勝アドベンチャートレイル(オフロードテストコース)」でも適合確認を実施し、クロスカントリーラリー車と同等レベルのコースでテストを重ねています。

14.ロードノイズ・乗り心地のチューニングはどう進化しましたか。
静粛性の高い新開発のタイヤを採用しました。もちろんマッド&スノー仕様ですが、サイズは全車225/55R18に統一して、16インチは設定しませんでした。

15.デリカD:5ユーザーの方では、16インチを履きたい方も多いようですが。
ブレーキサイズ的には従来と同じでですので16インチタイヤの装着も可能です。S-AWCや安全装備は標準タイヤサイズで最も効果が発揮されます。車両挙動も見て制御しているため、タイヤサイズを変更してもある程度は許容できるのですが、あまり極端にサイズを変えることなく、標準タイヤと同じタイヤ外径にすることをお勧めします。

[もっと使いやすく、もっと安心。家族のための最新装備進化。]

上質さと使いやすさの両立、快適性を磨いたデリカD:5の装備と操作系

1.8インチ液晶メーターを採用した背景と、表示面のこだわりを教えてください。
従来型のデリカD:5は丸・2眼式のメーターを採用していましたが、ここはデジタル式の8インチ液晶タイプに変更いたしました。やはり時代に即したハイテク感や、先進性をアピールする意味もありました。もちろん台形と円をモチーフにしたデザインで、視認性の向上も果たしていますし、ダイヤルモードやヒルディセントコントロールなど先進機能と連携して、車両の状態や情報がはっきりと表示されるようになっています。またこのメーターで様々な設定も変えられるので、利便性も向上していると思います。

2.インテリア加飾や素材感のアップデートで、最も苦労した点は?
インテリアデザインについては、従来、木目調をモチーフに構成していましたが、今回は金属調をメインにしてギア感や“守られ感”をテーマにアップデートしました。たしかにウッディなインテリアは高級感がありましたので、少しチャレンジな変更だった思いますが、今回のデリカD:5はS-AWCをはじめとした走りの進化が著しいので、それにふさわしいインテリアは?と考えたときに、こうしたギア感やタフなイメージが必要だと考えたのです。助手席前の金属調パネルには“ドリルブレーカー”という表面に立体感のあるフィニッシュを施してアウトドアギアのような雰囲気を演出していますし、またセンターパネルはグロスブラックから、キズ付きにくいダークグレーとして、プレミアム感を引き出しつつ、実用性も高めています。
さらに、シートも特別仕様車の「CHAMONIX(シャモニー)」で好評をいただいております撥水機能付きのスエード調素材と合成皮革のコンビネーションによるシートも採用しました(Pグレード)。ステッチを内装のモチーフカラーであるカーキ色に設定して、機能性や統一感のある内装に仕上げています。

3.マルチアラウンドモニター機能の強化で、どんな安全性・利便性が加わりましたか。
4つのカメラで車両の前後左右を映し出して、ルームミラー内のモニターに表示する機能がマルチアラウンドモニターです。クルマをまるで真上から見下ろしている感覚で、死角になってしまいがちな周囲の安全確認をサポートしてくれるので、小さいお子さんも乗る機会の多いデリカD:5のようなクルマには必須の機能だと思います。
従来はアナログの映像だったのですが、今回、デジタル化してカメラの画質を約3倍、高めることができました。両サイドビュー、フロントビューはじめ、バードアイビューも透過フロントサイドビューも、とてもきれいな画面で映し出してくれますよ。また画面上、移動しているものがあれば検知する“移動物検知機能”もつけたので、駐車場などでの周囲確認性も上がって、安全な運転をサポートしています。
ちなみにフロントワイドビュー表示:30km/h以下まで表示可、両サイドビュー/フロントビュー表示:30km/h以上でも表示可、そして、その他:10km/h以下まで表示可となります。

4.ファミリーユーザーに向けて、収納や操作系の改善点があれば教えてください。
充電用USBポートType-Cをスマートフォンボックスの横に2つ、フロアコンソールの背面に後席用2つ、計4つ用意しました。これでどこに座っていても充電ができる、というわけです。

5.長距離・悪路走行時の快適性を高めるために、どんな細部改善を行ないましたか。
デリカD:5の快適性やユーティリティ、そして悪路走行性は従来からお客様の高い評価をいただいています。静粛性についてはヘッドライニングの防音対策やフロントガラスの遮音性対策など、ロングドライブの疲労を軽減する多彩な配慮がなされていますが、今回、とくにエンジンルームの遮音材の面積を大きくしたり、エンジンそのものも吸気レゾネーターの追加などで、静粛性もさらに高まりました。さらに静粛性を高める吸・遮音機能付きのフロアマットも、ディーラーオプションで用意されていますよ。
ちなみにスライドドア内側のトリムも、フェンダーのホイールアーチモールの追加によって、少し設計を変えていますが、快適性にとくに変わりはありません。

【タフさも上質さも妥協しない! 新型デリカD:5のこだわり。】

進化した存在感、新型デリカ  D:5のデザインを徹底解剖

三菱自動車工業
デザイン本部 プログラムデザインダイレクター
山根 真氏

1.フロントとリヤのデザインで、もっともこだわったポイントを教えてください。
まずデザインコンセプトとして、3つのキーワードを設定しました。1つ目は“Go Anywhere”──どこへでも行けるタフさ。2つ目は“Sense of Gear”──デリカらしい“ギア感”をしっかり表現すること。3つ目は“Premium Outdoor”で、高額なモデルである以上、上質さやプレミアム性も大切にしたいという思いです。
前型は都会的な雰囲気のエクステリアでしたが、新型では“モア・オフロード”の方向性に立ち返り、MPV(ミニバン)+SUVを併せ持つデリカならではの唯一無二のキャラクターをより強調することを目指しました。
フロントは、ダークグレー・サテンシルバー・グロスブラックを組み合わせて、力強さと上質さの両立を図っています。アクセサリーとしてDELICAロゴをあしらったフロントフェイスも用意。また、前型が斜めのラインを使っていたフォグランプフィニッシャーは、今回は四角い造形とし、より“ギア感”を高めています。
リアゲート上のガーニッシュは、前型はキラキラ光るものでしたが、新型では黒くし、その下にあったDELICAロゴもそのガーニッシュの上に乗せることで、よりクリーンで力強い佇まいにしました。リアコンビランプも特徴的なシグニチャーラインを際立たせるために、それ以外の部分を黒くしました。

2.「ワイド&ハイ・グラビティー(高い重心)」な印象を与える造形には、どのような狙いがあるのでしょうか。
悪路をしっかり走破していく力強さを表現するため、重心の高さと“下から守られている”安心感を強調した造形としています。全体として、車体をグッと持ち上げたようなイメージを与えるのが狙いです。
フロントバンパーは、たくましい造形をあえてブラックアウトし、下部はタテ方向に複数のバーが施されたユニークなデザインで、力強さと冷却性能を両立させています。対地アングル自体は前型と同等ですが、見た目の車高を高く見せることで、より大きなアプローチアングルを持っているように感じられるフロントに仕上げています。
サイドは、フロントのブラックアウト処理をアンダー部分に自然につなげつつ、新たにホイールアーチモールを追加。これにより、ワイドで安定感のあるプロポーションを強調しています。
リアも下部の黒い部分をリア・ゲートの中まで持ち上げることで、守られ感のある、シンプルでありながら力強い立体感を表現しました。全体として、走破性の高さと存在感を視覚的に感じ取れるデザインを目指しています。

3.ホイールアーチモールやバンパー形状など、SUVらしさを強調する要素にはどのような設計意図がありますか。
ホイールアーチモールは歯車をモチーフにしたデザインも採用して、それこそ“ギア感”を高めることに貢献しています。この造形はフロントグリルなどにも採用していて、ガチっと組み合わせた、雰囲気で、力強い印象を与えています。

4.ホイールのデザインについても、かなり検討されたのでしょうか?
前型のホイールはスポークタイプでありましたが、平らでディッシュタイプでした。新型では立体感のあるスポークデザインへと刷新。より強いインパクトとタフな印象を演出しています。ホイールは2種類を設定しており、Pグレードはグロスブラック塗装をベースに切削加工を組み合わせた質感豊かな仕上げ。一方、GおよびGパワーグレードは同形状ながら、落ち着いたダークグレーのモノトーン仕様です。

5.現行モデルとの「一目でデリカD:5」とわかる共通性は、どの部分で意識しましたか。
やはり、切れ長の細いシグニチャーと縦長のヘッドランプ、三菱のフロントの特徴であるダイナミック・シールドの形状はあえて変えていません。ここはデリカD:5の大きな個性であり、現在のユーザーにとっても「デリカらしさ」を感じる最も象徴的な部分だと思っています。
そのうえで、センターのグリルまわりを新しくすることで、“ギア感”や力強さといった新型ならではのキャラクターを表現した、というのが今回の狙いです。

6.改良で“上質感”を加味したとのことですが、その質感はどのようにデザインへ落とし込んだのでしょうか。
前型のデリカD:5は上質さやプレミアム感を強く打ち出したモデルでした。一方で今回は、思い切って“タフさ”や“ギア感”を高める方向へと大きく振ったわけですが、これはデリカにとって非常にチャレンジングな判断だったと思います。とはいえ、上質感を犠牲にしたわけではありません。前後バンパーの造形、メーターパネル、シートなど、エクステリアもインテリアも細部まで手を入れており、むしろ質感面は確実に向上しているはずです。“ギア感があるのに、しっかりプレミアム”。その両立こそ今回のデザインの狙いであり、そのメッセージがお客様にきちんと伝われば嬉しいです。