デリカD:5の弟分?子供も?ともかく、そのキャラクターをギュッと凝縮したような軽スーパーハイトワゴン「デリカミニ」が、早くもフルモデルチェンジ。2代目が2025年10月より販売を開始した。初代は月販3000台超をキープした大ヒットモデルだが、2代目も発売前から1万台以上の受注を集めるという、相変わらずの超人気ぶりだ。
もちろん、初代から2代目への進化は期待以上。印象的なフロントフェイスは、半円形LEDポジションランプの大型化とダイナミックシールドの刷新により、よりヤンチャで凛々しく、同時に親しみやすい表情へとアップデートされた。ボディも、角度を増したAピラーや骨太な印象のDピラー、ブラックアウト処理されたフェンダー&下部パネルにより、アウトドアが似合うタフさをまとっている。
インテリアも、初代が持っていた〝出かけるワクワク感〟をさらにスケールアップ。スーパーハイトワゴンらしい広さはそのままに、内装色はグランピングコテージの家具を思わせる上質なベージュ(上級グレード)を採用。リヤシートはクッションの厚みが増し、くつろぎ性能が向上した。フロント&リヤのフルフラット機能も段差を約30%低減し、使い勝手が大幅に向上している。
そして最大の進化は〝走り〟だ。
パワートレーンは初代ユニットを継承しつつ、フリクション低減やCVTの変速プログラム改良により動力性能と環境性能を底上げ。さらに、路面状況に応じて5つの走行モード(パワー/エコ/ノーマル/グラベル/スノー)を選べる“ドライブモード”を軽自動車として初採用した。雪道やラフロードでの走破性を高めるグリップコントロールに加え、軽スーパーハイトワゴン唯一のヒルディセントコントロールも備える。
サスペンションも初代をベースにしつつ進化。4WD車では専用チューニングを施し、スタビライザーの強化やリヤブッシュ配置の最適化を実施。さらにKYB製ショックアブソーバー「プロスムース」を初採用し、どんな路面でも上質な乗り味を実現した。
このほか、三菱e-Assistの強化による安全性の向上、デリカミニ専用チューニングのGoogleアシスタント、3Dマルチアラウンドモニターなど、先進装備も抜かりない。
実際に走らせてみると、その進化は明らか。乗り心地の良さ、静粛性、操作系の上質感、余裕あるパワー感など、クルージングは常に快適。さらに全席で感じられる居住性の高さ、積載性の余裕、シートアレンジの多彩さは、もはや軽という枠を超えている。クラスを超越した〝軽SUV〟と呼ぶべき存在だ。
もはやデリカミニは、単なる軽スーパーハイトワゴンではない。デリカD:5と同じく、唯一無二のキャラクターを確立した一台へと進化したのだ。


新型デリカミニで何より驚いたのは、引き締まった乗り心地としっかりしたハンドリングだ。165サイズのタイヤ(4WDの場合)は細身ながら、直進時の安定感やワインディングでの手応えは、まるで2サイズ太いタイヤを履いているかのよう。長距離ドライブもワクワク楽しめそうだ。オンロードでの安定した操縦性や懐の深い乗り心地は、ラフロードに踏み込むとさらに際立つ。“プロスムース”ショックアブソーバーは2WD/4WDともに採用され、4WDには専用チューニングも施されているため、デコボコ道での大きな挙動もしっかり抑えられる。165タイヤながら最低地上高も2WDより高く、悪路走破性も確保されている。



インパネはセンターから運転席にかけて、12.3インチのGoogle搭載インフォテインメントシステムと7インチ液晶メーターを一体化した“モノリスディスプレイ”を採用。先進的な印象を与えるだけでなく、視認性や操作性も向上しており、ドライバーは車両の状況や安全装備を的確に把握できる。また、軽自動車として初採用の「ドライブモード」は、2WD/4WD車とも路面状況に応じて、POWER/ECO/NORMAL/GRAVEL/SNOWの5モードから選択可能。今回は試せなかったが、その違いも追ってレポートしたい。
デリカミニ T Premiumで体感する、極上の快適空間








快適なドライブが約束された「T Premium DELIMARU Package」に試乗したが、その走りもさることながら、道中を快適に過ごせる装備が充実している点にも注目したい。リアドアのサンシェードやテーブル、ルーフのエアコンなど、特筆すべきポイントは多数。購入を検討する際は、こうした装備にも注目したい。











