ARB 50周年企画「オーバーランドトリップ」アジアステージ・モンゴル編
ARB(エーアールビー)は、言わずと知れたオフロード界のトップメーカー。正式名称のARB 4×4 Accessoriesという名が示す通り、オーストラリア発の4WD総合ブランドで(1975年創業)、そのパーツラインアップは幅広く、堅牢なバンパーから高機能なサスペンション、そしてキャンプギアまで様々。オーストラリアのアウトバックの地で鍛えられたタフな装備を世界中のオフロード車向けに展開し、そしてオーバーランドスタイル構築の立役者でもある。ここ日本でもルーフラック、サイドオーニング、ルーフトップテント、キャノピーやドロワーなどがヒットしているのはご存知だろう。そんな冒険の象徴でもあるARBが、現在世界各国のディストリビューターを集めて50周年記念企画である「OVERLAND TRIP」を展開している。アフリカに続く第2ステージとして開催された「アジア編」は、モンゴルで大規模な冒険が行なわれた。今回参加したのは、日本・フィリピン・ベトナム・カザフスタン・モンゴル・ARB(オーストラリアスタッフ)・ARB(タイスタッフ)、日本チームとして参加したのが、日本のARB正規輸入元であるフレックス・ドリームARB事業部・西本店長とflexdream広報・谷崎氏の2名。モンゴル・ゴビ砂漠を1700㎞/5日間で縦断・往復する壮大なトリップだった。
ゴビ砂漠を走るというありえない〝現実〟



今回、モンゴル・ゴビ砂漠を1700㎞/5日間で縦断・往復する壮大な旅であるARB50周年企画の『OVERLAND TRIP』アジアステージに日本代表として参加したのは、ARB事業部の西本店長とフレックス・ドリーム広報の谷崎。世界中の4WDカルチャーが交差するこのプロジェクトに参加できたことは、私たちにとって大きな意味がありました。
参加メンバーは我々(日本チーム)のほかはモンゴル、ベトナム、フィリピン、カザフスタンの各国ディストリビューター。さらにARBチーム(本国豪州とタイから)も合流。車両はランクル200が2台(+ARBアースキャンパートレーラー)、ランクル300、ランクル76、ランクル80、ジムニーシエラJB74、そして撮影チームのランクル78トゥループ×2台。さらに途中フォードF150ラプター&アースキャンパーの飛び入りもあり、すべてがARBの装備をまとった4WDで迫力満点。それぞれの車内とルーフラックに荷物を積み込み、旅がスタート!世界規模の四駆キャラバンと言ってもいい面々です。

目的地はモンゴルの首都ウランバートルから南へ下り、ゴビ砂漠の象徴・ホンゴル砂丘へ向かうもの。そんな環境で車を進ませるには“見た目以上”の性能と信頼性が必要になります。フレックス・ドリームが日々取り扱うランクルやARBパーツは、まさにこのフィールドで使うために生まれた道具であると改めて理解しました。
印象的だったのは「ランクルなら壊れない」という世界共通の“信頼”が、どの国のスタッフにも深く根付いていたこと。これは私たちにとって誇りであると同時に、伝える役割を担うフレックス・ドリームの原動力にもなります。
過酷さと楽しさが同居するフィールドを延々と往く






今回のARB50周年企画『OVERLAND TRIP』アジアステージの舞台となったゴビ砂漠の面積は日本国土の3.4倍!つまり見渡す限り360度の地平線が広がっていて“雄大”“広大”という言葉では足りない、まるで映画のセットのような異世界が続いていきます。早速アスファルトと別れを告げると、ラクダが出迎えてくれました。ラクダ乗りをする観光客を横目に、オフロードコースへ突入!先述した通り、広大なゴビ砂漠では、アスファルトを一度も見ない「完全オフロードな1日」もあるのです。


コンボイを組んで車間距離を近くして走りたいところですが、前の車の砂ぼこりが凄くて道が見えない…。そうこうしていると、突然前から2番目を走るランクル200にアクシデント!ARBアースキャンパートレーラーが右側に倒れてしまったのです。力を合わせて押し戻すと、驚くことに外装に致命的な損傷はなく、機能も問題なし。ノープロブレム! まさに「タフで壊れないARB」の品質を身をもって証明する瞬間でした。ただしこれが初日、しかもオフロードに入ってたった1時間でのゴビ砂漠からの洗礼…。この後の旅が少し不安になる瞬間でもありました。
途中の立ち寄り地点は、現地で「オボー」と呼ばれる岩場。旅の安全や馬の健康を祈る聖地であり、色とりどりの布が結ばれた神聖な光景が広がります。モンゴルチームの説明を聞きながら、私たちは異国の文化の重みを実感しました。ただ走るだけでなく、その土地の歴史や精神性に触れること。これも冒険の醍醐味です。


「オフロードを移動(冒険)するとはこういうこと」なのだというのを、身をもって体験した。毎日出発前にボンネットを開け、オイルやベルト類のチェック、ウォッシャー液の補充、さらに走行シーンによってタイヤの空気圧も調整する。本来は当たり前なのかも知れないが、日本で車に乗っている我々の中にどれだけの人がこれを行なっているのか。


今回のOVERLAND TRIPの参加車両はARBモンゴルチームが全車を用意。アースキャンパートレーラー牽引した車両を含むランクル200が2台、ランクル300、ランクル76、ランクル80、ジムニーで隊列を形成。撮影クルーはランクル78トゥループキャリア×2台で同行するなど、多国籍・多車種が砂漠で交わる壮観なキャラバンとなった。


2UZ+マニュアル+ニトロチャージャーのランクル80は、運転していて気持ち良かった。ちなみにオプカンはモンゴルでも人気だそうです(モンゴルスタッフ談)。


さらに移動した先で訪れたのは、遊牧民が住まいとしている「ゲル」。モンゴルと聞いてゲルをイメージする方も多いでしょう。外見はシンプルながら中は鮮やかな装飾が施され、伝統と生活の知恵が詰まった空間です。
ここで私たちは歓迎の儀式を受けました。差し出されたのは「馬乳酒(アイラグ)」で、ひとつの器を順番に回して飲むのが作法です。想像以上に酸味がパワフル。飲み慣れたものではありませんが、この体験を通じてモンゴル文化に迎え入れられた気持ちになりました。

夕暮れが迫る頃にキャンプ地に近い場所で夕食。モンゴルの遊牧民の食事「ホルホグ」は、羊肉ですがアツアツの石を中に入れて調理するスタイル。味付けはシンプルですが、素材そのものを感じられる料理です。その夜の食卓は、国境を越えた一体感がありました。

食後はいよいよキャンプ地へ。モンゴルは日照時間が長くて時間を忘れてしまいますが、そこから1時間半程経った21時半頃にやっと到着できたゲルに宿泊。そのゲルの内部は意外にも快適で、ベッドも整い、なんとシャワーや電気も。「砂漠の夜にシャワーを浴びられる」というありがたさを噛みしめました。感激!


夜は楽しみにしていた満天の星空を鑑賞。天の川がよく見えるのはモンゴルならではです。ただ走るだけではなく、人・文化・自然すべてが融合した濃密な体験。大冒険の本当の始まりを体で感じた1日となりました。
モンゴルの大地をランドクルーザーが走る!

宿泊地を後にし、車列は一気に荒野へ。夜遅くに到着したので気付かなかったけれど、朝起きてビックリ!朝日に照らされた岩山がオレンジ色で美しい…。ここでアスファルトとお別れして、オンロードからオフロードへ。再び冒険が始まります。
モンゴルならではの地平線ロードを参加車両が一斉に駆け抜けていく。もちろんモンゴルの草原を感じながら走ることもできるけれど、基本的には轍を走る。それはたまに大きい石が落ちてるとパンクの危険もあるため。見たことのないような景色が次々と通り過ぎ、前を走る車の砂煙すら画になっています。この壮大さは、日本では絶対に味わえないでしょう。また、砂煙が起こるため、それより高い位置のクリーンな空気を吸うためにシュノーケルの大切さが分かる瞬間でもありました。
お昼は「ウブルハンガイ」でピクニック。ARBのオーニングを展開し、シートを広げ、シンプルなランチを堪能。広大な草原で食べるのは、普段の何倍も美味しい。
この日目指すのは「オンギ僧院」。かつては1000人以上の僧侶が修行していた歴史ある僧院で、今もそこに立つだけで心が静まり、自然と背筋が伸びます。まさに「大地の信仰」を感じられるパワースポットなのでした。
まさかの恵みの雨から一転、再び晴れ渡るゴビ砂漠

翌朝外に出てると予報通りの雨。モンゴルは年間降水量200㎜ほどと言われる少雨の国のため、雨に出会えるのは実はレア。これは幸運の訪れを意味するとか。
さて、次の目的地はブラックマウンテン(黒い山)。午後になると、まるで魔法のように雨が上がり、空は一気に晴れ渡る。そこで荒々しい岩山と広大な空を背景に、各国のARBチームが撮影タイムに突入! 泥に濡れたランクルが太陽を浴びて輝く姿は神々しくもあり、これぞ“リアル4WDアドベンチャー”の賜物です。

ブラックマウンテンの後にゴビ砂漠を進んで到着したのが、フレイミング・クリフ(バヤンザグ)。夕日に照らされると、崖全体が燃えるように赤く染まるまさに「炎の大地」。この場所は世界的にも有名な恐竜の化石発掘地で、なんと“世界で初めて恐竜の卵が見つかった場所”でもあるとか。

フレイミング・クリフでは、ARBファイヤーピットの周りにARBキャンプチェアを置いて日没を眺めながらキャンプファイヤー。風が穏やかで、気温も心地いい夜に、同じ火を囲む。この瞬間が50周年を象徴する“絆”の夜でした。

圧倒的な自然に言葉を失うホンゴル砂丘を走破する



いよいよ、旅のハイライト“ホンゴル砂丘”へ突入! 前日の雨で、泥と砂に包まれたランクル、ジムニー、アースキャンパーはまるでサンドベージュにオールペイントされたような姿。全員で洗車をした後にホンゴル砂丘へ旅立ちます。
再び走り出した我々を待っていたのは、これまでの地平線とはまるで違う景色。丘と谷が繰り返すアップダウンの道。遠くに馬の群れ、そしてどこまでも続く風の音。ゴビの大地は一瞬として同じ顔を見せないのです。その果てにたどり着いたのが、ゴルバン・サイハン国立公園内のホンゴル砂丘(Hongor Els)。モンゴル最大の砂丘で、幅はなんと約100㎞、高低差300m。某ドラマの撮影地でもあるこのホンゴル砂丘の黄金に輝く砂の海を、ARB装備をまとった4WDが駆け抜ける。夕方、太陽が砂丘を黄金色に染め上げ、風が静まり、誰もが言葉を失うほどの絶景。ホンゴル砂丘の夜は、静かであたたかくて少し切ない…。冒険の終わりが近づく砂の音が、風の中に溶けていきました。
荒野を600㎞以上往く、最終日のロングドライブ

今回のモンゴル遠征は、ただのオフロードトリップではありません。アジア太平洋を代表する世界5つの地域からディストリビューターが集結したもので、オーストラリアから始まった冒険のDNAが世界中へ広がるためのもの。
これまで4日間でウランバートルから南へ南へと進んできたが、最終日はなんといきなりの800㎞のロングドライブアタック!日本ならまだしもここはモンゴル。アスファルトはおよそ600㎞ほどで、残り200㎞は地平線まで続く荒野と岩肌の道。ホンゴルキャンプを出発してから、岩が転がるガレ場のようなルートを約1時間走行し、左右にゴツゴツとした岩山が迫り、車も体もガタガタ揺れる…。
「やっとアスファルトに出た!」と安堵したその瞬間、ナビに表示されたのは『350㎞先を左折』。
皆が一瞬無言。次の瞬間、車内は爆笑の嵐に。モンゴルの想像を超えるスケールにただ笑うしかない。長い長い走行の末、ホテルに到着したのはなんと深夜4時。泥と砂にまみれた4WDが静かにエンジンを止め、5日間の冒険を共にした仲間たちが、握手を交わしながら「ありがとう」「また会おう」と再会を誓って言葉を交わします。長年の経験値が生み出した〝最適解〟を理解できた。

振り返ると、ゴビ砂漠を走るランクルは本当に生き生きしていました。そして〝壊れない〟という絶対的な信頼が必要な場面で活躍するのがランドクルーザーなんだと改めて感じました。特に1日中振動にさらされながら走る場合、モノコックボディではダメージが懸念されます。やはりラダーフレーム(ボディマウント)は重要です。また参加した各国スタッフがランクルを愛していたことも日本人として誇りです。まさに「ランクル」は万国共通語!
最後に伝えておきたいのが、西本&谷崎は実際に各国のスタッフと過ごすことで、日本の我々も世界のARBスタッフの一員であることを再確認できたことです。そして本物の『OVERLAND TRIP』を体験することで、ランクルで走る喜びも、ARB製品がくれる安心も、50年以上(ランクルは70年超)の長年の経験値が生んだ“現在の最適解”だということが理解できました。
物理的にはプリウスでもクラウンでもゴビ縦断は可能かもしれませんが「ランクル」で走って感じたものと「それ」は違うと断言できます。ランクルだからこそ、一生の思い出になったし、この旅は成立しなかったはず。
この経験は、必ずフレックス・ドリームのこれからに活かされるでしょう。そして、これから日本で4WDカルチャーを広げていく上で“本当の4WDの楽しさ”をユーザーに伝え続ける役割があると強く感じています。

ゴビでは珍しいが降雨した後のマッドセクションは泥もいい具合。表面は固そうに見えても実は粘土質の赤茶色な泥が一帯に広がる。このマッドエリアは流石に本格的な4WDなければ無理だろう。


今回は撮影が目的のため無茶なアタックはしていないが、砂利、砂、起伏、泥、岩など様々な路面状況があった。さらに冬季はマイナス40℃にもなる、かなり過酷な環境。誰が言ったか「地球上のすべての道がゴビにはある」とか。


モンゴルでは羊・ヤギ・馬・ラクダなど(放牧された家畜なのか、野生かは不明)が普通に道を横切ってくる。


ほぼ360度地平線。夏季ゆえ、背の低い草木が一面に広がり何もない。そのため全域に渡って比較的ハイスピードでの移動が多かった。乾燥している路面では表面の砂で気を許すとアンダーステアが出るが、決めたコースをトレースするにはそれなりに集中力も必要だった。また前走車の砂埃が視界を遮るため、直前で障害物をよける場面も。

現地モンゴルのスタッフは「ナビも動いている」と言うが…果たして。ふと見るとナビには「350㎞先 左」と表示されていた(笑)
■過酷な環境でこそ実感できるARB製品群
日本では「オーバースペック」と思われがちなARB製品だが、この環境下では「理にかなって」おり、「タフである必要性」を痛感した。いずれのアイテムも決して「カッコいい」からチョイスしているわけではなく「結果カッコいい」ものばかりなのだ。



ARBには3種のショックアブソーバーが存在するが、特性や耐久性などの違いもよく分かる。今回は最廉価の「ニトロチャージャー」装着車に乗る機会が多かったが、速度域が高くなってくると調子が良く、運転していて恐くない。ステアリングにインフォメーションがしっかり伝わってくる。対して最上位の「BP-51」は速度域に関係なく、とてもしっとりとしていてコンフォートな乗り心地が味わえる。好みもあるだろうが、ドライバーよりも同乗者にBP-51はきっと好評であろう。搭乗者、車体、メカ類を振動から守る意味でもメリットは大きいと考える。悪く言えば路面のインフォメーションが殺されているのかもしれないので、運転を楽しみたいドライバーはニトロチャージャーショックの方が安心してドライブできると感じた。現地モンゴルのスタッフもニトロチャージャーを絶賛していた。信頼性もピカイチでとにかく「タフ」とのこと。車種や仕様別にラインアップも多く、世界で認められているショックであることを再認識した。
写真上がゴビ砂漠に多いコルゲート路面。決してキャタピラー(重機)の跡ではない。車が通った後に自然に形成される路面。まさにマッサージロードだが、この凹凸を感じなくなる速度域がある。



旅の途中に羊、ヤギ、馬、ラクダに出会ったが、衝突したら走行不能になるダメージを受ける可能性がある。特に馬は先頭次第で群れ全体が動くスピードも速くなり危険。ラクダもかなりの巨漢。もちろん動物との衝突は回避するべきだが、もしもの時は「被害を最小限に出来る」という安心感がARBのバンパーには確かにある。またライト類や無線のアンテナ、ウインチを搭載するベースとしてもメリット大だ。


ゴビ砂漠の新月は闇。道を見失う、路面の判断、動物の発見のため、IQオフロードランプ絶対に必要だと思った。点灯した時の視界は全くの別物なのだ。

ジムニーはジェリ缶での予備燃料携行がマスト。また車内空間にも限りがあり、テントをルーフラックに積載。こうした時にルーフラックは重宝する。ちなみに最近のルーフラックは様々なオプションやアタッチメントを装着する「Tスロット(ボルトを通す溝)」方式がポピュラーだが、ARBは「蟻継ぎ式」という特殊な方法を採用。砂漠を走行して分かったが、前走車や自車が巻き上げる砂や泥は相当で、特に今回のゴビ砂漠の砂の粒子は細かく、泥は乾燥するとガチガチに固まる。これがTスロットの溝に入ると除去するのが難しく、例えばオプションのタイダウン用フックを移動させようとしても出来ないことも。蟻継ぎ式なら砂や泥の除去も容易なのだ。


砂漠のド真ん中でランチしたが、ゴビの強烈な日差しを避けるには手軽に展開できるサイドオーニングはありがたい(体感温度が全く違う。もちろん日焼け対策にも◎)。ARBのテーブルやチェアもチープ過ぎず、大げさ過ぎず、ついつい長時間くつろいでしまうクオリティ感だ。

今回参加した西本店長、広報・谷崎ともARBやランクルに携わる仕事をしているわけで、知識もオフロード経験もないわけではないが、その2人が感激するくらいモンゴル・ゴビ砂漠TRIPは刺激的だった!今も忘れられず「ゴビ砂漠ロス」が続いている…。

この模様はARB(オーストラリア本国)やflexdreamのYouTubeでも配信。今回伝えられなかった体験は各イベントでもお話しできます。西本店長や谷崎へお気軽にお声掛けください。
- PHOTO:flexdream & ARB 4×4 Accessories
- REPORT:flexdream
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