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【JIMNY CUSTOM BOOK vol.13】乗るほどにその魅力が深まる5ドアコンパクトクロカン4×4 JIMNY NOMADEが日本上陸!

1970年のデビューから55年。ついにジムニーに、初の5ドアモデルが追加された!
“遊牧民”を意味する「NOMADE(ノマド)」という車名は、より自由に、より力強く、ボクらの暮らしを支えてくれるはずだ。

2023年1月、インドのモーターショウでお披露目され、同5月には現地での販売を開始。これは日本発売も間近だろう!と期待されながら、実際、国内での正式発表はその2年後の2025年1月と、まさに満を持しての登場となったジムニーの5ドア仕様。日本での車名は「ジムニーノマド」とされ、雑誌やプロショップなど、業界周辺では〝売れるのは確実!〟と色めきたっていたわけだが、フタを開けてみると、想像以上にオーダーが殺到し、わずか5日間あまりでいったん受付が停止されることに。もともとの目標販売台数が少なかったこともあるが(CAFE規制=企業間平均燃費規制のためしかたない)、それにしてもジムニーが四駆ファンはもとより、一般ユーザーまで深く浸透していたことに驚かされるエピソードだ。
さてそんな、今や国民車とさえ呼んでいいほどの存在になった「ジムニーノマド」。いったいどんなプロフィールを持ち、どんなスペックを携えての登場となったのだろう?これまでの軽ジムニー(JB64)やジムニー シエラ(JB74)と何が違うのだろう?それはあるユーザーにとっては進化だろうし、一方あるユーザーにとっては退化かもしれない。そして何より、これまでのジムニー&ジムニー シエラを所有することと、ノマドを所有することで、ユーザーの生活はどんな変化をもたらしてくれるのだろう?「そんなの分かりきってるよ!」なんて言われるかもしれないが、今一度、ノマドというクルマを深く掘り下げてみて、その魅力を、そして人気の秘密を再検証してみよう。再びオーダーが開始されることを願いつつ…。

【JIMNY NOMADEを知る】設計思想

フレーム、ホイールベース、ボディが延長され5ドア仕様となったジムニーノマドだが、そのベースにあるクルマとしてのコンセプト「本格的な悪路走破性を持つコンパクトクロカン4x4」であることは、従来のジムニー、ジムニー シエラと何も変わらない。強いて言えば、これまでジムニー&ジムニー シエラは開発のターゲットをプロユースに絞り込んでいたが(結果としては多様なユーザーに支持される)、ジムニー ノマドはプロユーザーに加え、ジムニーのポテンシャルを日常生活でも必要とするユーザーも開発ターゲットに含めた、という点で、従来とは異なる設計思想がなされることになった。
つまりメカ的な部分については、従来のジムニー&ジムニー シエラと大きな違いはなく、その新しい思想は主に後席の乗降性や快適性、ラゲッジルームの広さや利便性に注がれることになった。もちろん、5ドア化による重量増や運動性能の変化への対応策は各所に施されるが、ともあれ、ジムニーはジムニー ノマドの登場により、快適性能やユーティリティといった、これまで手に入れにくかったポテンシャルを獲得したのは確か。ジムニーのラインナップ戦略は、ここに完遂されたと言っていいだろう。

【ラダーフレーム】Xメンバーを採用しねじり剛性をアップ

ウィズ・フレームのボディ構造を採用するのも、ジムニーが本格4×4と呼ばれる理由だ。5ドア化にあたり従来のフレームにセンターフレームを追加し、フレーム長を340㎜延長、またセンタークロスメンバーを加えることで剛性も確保した。前後部分はシエラと共通なので、対地アングルの悪化も回避された。

【ブレーキ】スクエアボディで走行状況の確認が容易に

フロントにはディスク式、リヤにドラム式を採用するジムニー&シエラだが、ノマドは重量増に伴い、フロントがベンチレーテッド化された。もちろん放熱効果は向上し安全性のアップに貢献。これによってジムニー&シエラを純正パーツでベンチレーテッド化するカスタムも流行るかも?

【エンジン】シエラと同じエンジンユニットが用意されている

エンジンはジムニー シエラと共通のK15B型、直4/1.5ℓ。出力/トルクともシエラ用からの変更は報告されていないが、中回転域の豊かなトルクで扱いやすさと経済性が追求されている。ちなみに燃費はWLTCモードでシエラは14.3km/ℓ(AT)、ノマドは13.6km/ℓ(同)と、100kg増の車重の影響が。

【足回り】リジッド式サスペンションを採用

サスペンションはもちろん、前後ともコイルスプリングによる3リンク・リジッド式。この足まわりこそがジムニーのジムニーたる所以。悪路に踏み込んでサスペンションが伸縮しても変化のない最低地上高、シンプルな構成はリフトアップ・カスタムも行いやすい。

【デザイン】スクエアボディで走行状況の確認が容易に

機能に徹したデザインの継承、とメーカーが言うように、ノマドのボディデザインは合理的で無駄のない機能美を表現するスクエアなものになった。全長はシエラから340㎜延ばされたが、フロントドアは約100㎜短縮。その分はリアドアの設置と荷室のスペースに割り当てられた。

【トランスミッション】レバーマウントの剛性を高め操作感をアップ

1グレード構成のノマドだが、トランスミッションは5速MTと4速ATを選ぶことができる。ファンとしてはMTを残してくれたことに拍手。ギア比はいずれもノマド、シエラとも共通だ。ただしATに関しては重量増に伴い、ノマド用には各構成要素が高強度化されて搭載されている。

【パートタイム4WD】ローレンジ付パートタイム4WDシステムを採用

もちろんパートタイム式4WD、Hi&Loレンジを備えた副変速機(トランスファ)を備えているのも、ジムニー ノマドの特徴。切替はレバー式だ。5速MTと4速ATではギア比が異なっている。

【インテリア】サポートを強めた新設計のシート

後席の快適性と積載性が向上しているのがノマド最大のアドバンテージだ。後席はクッションも厚く、足もとスペースにも余裕が。荷室はフル乗車時、シエラより350㎜奥行きが増えている。

  • JIMNY CUSTOM BOOK vol.13より