■DELICA D:5 X-Fang 7.2inch-UP
クルマを大きく見せるためにリフトアップしてタイヤサイズを変更する。デリカに限らず多くのカスタム4WDユーザーにはそんな願望がある。ただしタイヤのサイズを変えるとクルマのバランスは変わって加速性は鈍くなり、大幅に車高を上げるとクルマの重心が高くなり、コーナーでのロールは増大する。そう、リフトアップしてから本当のカスタムが始まると言っても過言ではない。カスタムしたことで感じる不満を解消しないと、気持ち良く走れないどころか、運転が疲れる。
そんなユーザーを一人でも減らしたい!というのは大袈裟だが、内外装からチューニングパーツまであらゆるパーツをリリースするX‐Fangは「カスタムしたことでノーマルより運動性能が下がるのはありえない!クルマは走ってナンボ」というコンセプトを、デリカカスタムにも掲げている。
そこで今回は、同社の7.2インチアップデモカーを起伏のあるワインディングロードでインプレッション!コーナーが連続するシーンでもトレッドがワイド化されたことで安定感があるし、T‐revやミニコンTRの追加でエンジンのレスポンスやトルクもアップしている。見た目はワイルドだが、それに反して「クルマが重くて走らない…」といった印象は皆無。他社製品だがブレーキも強化し、カスタムでは非常に大切な走る・曲がる・止まるのバランスを重視していたのだ。


数々のスープアップアイテムでチューニングすることで、エンジンのレスポンスやトルクアップを実現。この見た目にいい意味で反した軽快な走りを披露。コーナーでも安定しているので、俊敏な走りができる。

ハートランドの6インチアップキットに、サスペンションはX-Fangのオリジナルの1.2インチアップコイルとダンパーに交換することで、合計7.2インチアップを実現。コイルスプリングはアンチロール性能を確保しつつ、節度あるレスポンスと乗り心地の良さを両立。さらにセットされたXダンパーで乗り心地や走破性、剛性も十二分にアップ。減衰力は20段階で調整可能だ。さらに安定感を向上させるためにノーマルより太いタイヤ(LT265/70R16)を組み合わせて、フロント35㎜/リア30㎜オーバーフェンダーを追加して縦横のバランスも整えている。ただパーツを追加するのでなく、個々のアイテムには全て意味があるのだ。



ダンパーでロールスピードを抑えつつ、サスペンションアームにもブレースを追加し、剛性をアップ。さらにスタビライザーリンク角を適正化することで、スムーズな回頭性を実現。



X‐Fangの代名詞的といえば、アルミビレット削り出しのシフトレバーやモードセレクトダイヤル。メカニカルな雰囲気がで室内の印象を変える。また熱伝導効率に優れているので、ドリンクホルダーの保温機能も高い。




アシストグリップやテールゲートのグリップなどもビレットアルミ仕様に変更。各部を変えるとインテリアの統一感が図れる。さらに手に馴染むよう、やや丸みを持たせた形状を採用し、機能も追求している。


サードシートデタッチャブルボルトキットを装着し、簡単に3列目を脱着できる仕様に。さらにユーティリティカーゴフックを金属製にして耐久性を増したほか、ビレットレッドカラーで視認性も◎。

金属製のグリップに交換することで強度が増すので、そこにスパイスレーシングネットを取り付ければ頭上空間を有効活用できる。また釣竿のロッドホルダーを固定することも可能だ。



中央部分に大きなダクトを設け、エンジンルーム内の熱を効率よく排出するダクト付きのエアロボンネットに交換。雨水などはラジエター側に流れる設計なので心配ご無用。さらにボンネットにはウインドディフレクターを装着することで、窓に虫が付着するのを低減している。





現行型デリカのフロントマスクはそのデザインと垂直気味な形状で好みが分かれるところ。そこでX-Fangではより立体感を感じさせるため、ノーズを表現したフェイスユニットを装着しスポーティ差を強調。さらにリアバンパーもセット。またリフトアップに合わせてオーバーフェンダー追加やタイヤサイズを太くして安定感のあるスタイルを構築。なおアンダーパネルやリヤウイングには整流効果もあり、走行時の車体の安定化にも貢献しているのだ。



マッドフラップのイメージをお洒落に一変させたのが、X-Fangのカモフラ柄マッドフラップ。さらにスケルトンタイプのフューエルリッドカバーに変更して、給油口にビレットアルミのカバーを装着済するのはデリカカスタムのトレンドでもある。またX-Fangのリヤウイングであるリアディフレクタータイプ2Type2 HSはスポーティな形状に加え、LEDストップランプも内蔵。安全性にも配慮した逸品だ。
リフトアップしても俊敏さを追求する

ブースト圧だけでなく、燃料の調整も制御できるMINICON-TRをインストール。ノーマルコンピュータに追加するだけで、トルクだけでなくパワーの向上を実感できる。またモードの切り替えによって、燃費重視走行やフルノーマル状態に即座に切り替え可能。

エンジン内にフレッシュエアーを効率良く取り込んで、レスポンスの向上を図るインテークダクトもオススメ。圧力損失などに配慮した、カーボン素材を採用。レーシーなルックスは視覚的満足度も高い。


メーターの前にミニコンゲージをセット。MINICON-TRと接続して、リアルタイムのブースト圧を確認可能に。さらにスロットルブースターも追加して、特に発進時のアクセルレスポンスと加速感をアップ。デモカーのような大きなタイヤ装着でも、ストレスフリーに走れる。


ブレーキフルードやエンジンオイルのフィラーキャップもジュラルミン製(レッド)に変更。スポーティな印象が高まり、エンジンルームのアクセントとして、とても効果的だ。

クランクケース内で発生したブローバイガスを効率的に排出して、内圧を下げることでピストンの動きがスムーズになり、レスポンスを向上させるT-rev。余談だが、某自動車メーカーのコンパクトカーにも同様のシステムが採用されているなど、その効能は要注目なのだ。

マフラーはエルフォードのレボルシオンマフラーがベースとなるが、6インチアップキットの装着にあわせてレイアウトを変更。スープアップチューニングと合わせて、心地良い加速が楽しめる。

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