アメリカンジープから国産4WDまで、あらゆる車種のカスタムを手掛けるグランドキャニオン。大型の4WDだけでなくジムニーも積極的に取り扱うが、本誌に登場するどのデモカーにも似ていないのが最大の魅力。大きなタイヤをただ装着するのでなく、本気でオフロードを走ることを考えたカスタムが施されている。
多くのショップがノーマルフェンダーに収まるタイヤサイズを選ぶのに対し、グランドキャニオンは「このタイヤを装着する。そのためにリフト量やオーバーフェンダーのサイズを決める!」という逆方向からのアプローチがポイント。大きなタイヤを装着しても、しなやかな乗り心地を実現するためにKINGのショックをチョイス。前後のアームの長さも変更され、ストローク量を大幅にアップしている。
そしてエクステリアを見てみると、前後バンパーは金属製に変更することで、少々ヒットしてもまったく問題ない強度を実現。フロントウインドーの上にはLEDバーライトを追加するが、これはジープ・ラングラーなどで多く見られる手法。それゆえにアメリカンな雰囲気が漂うのも頷ける。
ちなみにこのシエラを駆るのはトライアルライダーであり、昨年からXCR北海道にジムニーで参戦する小玉絵里加さん。まさにビューティ&ビーストという言葉が相応しい組み合わせだが、小玉さんがバイクを積載して移動できるように、リアバンパーにはヒッチメンバーを内蔵しており、キャリアがセット可能。ただ着飾るのでなく、使いこなすためのカスタムがなされているのだ。


【タイヤ】NITTO RIDGE GRAPPLAR
(265/70R17)
【ホイール】BATTLE BORN SIERRA FLOW FORMED BEADLOCK
(17×9.0J インセット-13)
【リフトアップ量】3.0インチ

タイヤサイズは圧巻の265/70R17を装着。これはランクルのノーマルタイヤとほぼ同じサイズ。多くのシエラが純正と同じ15インチ、中には16インチをチョイスするが、それを凌ぐ17インチを選ぶセンスは独創的。「本気でオフロードを走る!」というコンセプトに合わせ、BATTLE BORNのビードロックを組み合わせる。鋳造だが鍛造に匹敵するフローフォーミング技術を採用しており、軽さも追求する。

ホイールのインセットはマイナス13で、ノーマルよりも片側で20㎜ほどワイドに。もちろん保安基準に適合させるためオーバーフェンダーも追加。



前後バンパーはオリジナルの金属製に交換。フロントバンパーにはタイヤの前方部分を大きく切り詰め、アプローチアングルを確保。また純正のフォグランプが移設可能だ。リアバンパーも同じくコンビランプを流用できるので、無駄のないカスタムと言える。さらにヒッチメンバーを内蔵。フレームとしっかり接続されるので、重量物の積載にも耐えられる仕様だ。




ショックとコイルの変更だけでなく前後のアームも交換し、アライメントやホイールベースの補正、さらにはストローク量も確保する。またフロントスタビライザーは純正とまったく異なるものを開発。ラングラーのアフターパーツでよく見られるような、ダイヤルを回すとリリースできる機構を内蔵する。
本気で走るためのショックを装着


大きなタイヤを装着すると、ショックにも負担が掛かってしまうため乗り心地の悪化に繋がってしまう。そこでノーマルよりも遥かに太い直径2.5インチのKINGショックを装着することで、衝撃をしなやかにいなす快適な乗り味を実現。リザーバータンクも備えることでオイルの量が増し、熱ダレによる性能の低下も防止する。

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