■GEOLANDER A/T4
SUVに特化した専用ブランドである、ヨコハマタイヤのジオランダーブランド。そのラインナップは広く、ヘビーデューティな走りへの期待に応えてくれるモデルから、一方、日常性の快適性やスポーティさを追求したモデルまで、SUVユーザーのこだわりを実現してくれるタイヤを提供している。
カテゴリーは、これまでは走破性を追求したMTタイプ、HTタイプ、そして、その両方の特徴をバランスさせたA/Tタイプの3つとされてきたが、昨今では、トレッドデザインにアグレッシブさを求めつつも、一方で、日常性、特に、快適性をそこに求めるユーザーが増えており、A/TをよりアグレッシブにしたX-ATなるモデルも加えている。
さて、今回、ヨコハマタイヤからリリースされたジオランダーA/T4は、そのサブネームにA/Tモデルの4代目であることを明確に示し、イマドキのSUVユーザーの期待にダイレクトに応えてくれるパフォーマンスを提案している。特徴的なのは、そのアグレッシブたるトレッドデザインだ。理路整然と並べられたブロックパターンは、オフロードでの高い走破性を予感させ、ショルダー部までしっかりとデザインされた造形はロックやマッドでの活躍を想像させるものだ。
ちなみに、今回リリースされたジオランダーA/T4はすべてLT規格、つまり、北米基準のライト・トラックユース。いわゆる乗用車対応モデルは、この後にリリースされることが発表されており、純正サイズはもちろんカスタマイズサイズにまで対応できるラインナップも特徴としている。
このドレッドパターンを目にすれば、走破性の高さはすぐに理解できるが、一方で、日常性、つまり快適性はどうなのだろうかと気になるかもしれない。実はこのモデルの真価はオフとオンのバランスの高さにある。そう、オンロードにおける接地性はすこぶる高く、また、ウェット時の操縦性やブレーキング性能も想像以上のポテンシャルを持っている。
GEOLANDER A/T 4の性能
トライトン適合サイズ
LT265/60R18 外径781㎜/幅272㎜
LT265/65R17 外径782㎜/幅272㎜ ■
LT265/70R17 外径810㎜/幅272㎜ ■
※■… 片側アウトラインホワイトレター(OWL)
アグレッシブトレッドパターンでよりオフロードらしいルックスとA/Tタイヤに必要な性能を追求 !
センター部にはハンドリングの質を引き上げるブロックを、その左右にオフロードにおけるトラクション性能を確保できるようにさまざまなブロックが並ぶ。耐カットチッピング性能もアップしている。
日常の快適性を追求するため、さまざまなブロックパターンを、左右に配列。さらに主溝にストーンイジェクターを配置し、排土性能を向上している。なお、パターンノイズは生じるが、耳障りではない。
先代のストレートグルーブ構造から進化させたデザインを採用。ブロック形状を並べながらもオフにおけるトラクション性能を確保する一方で、ウェット時における排水性を引き上げたバランスがトピック。
写真では伝え切れないが、ブロックに細かに刻まれているサイプは3D形状となっている。これによりウェットシーンなどのグリップを失いやすいような路面でも確かなトラクション性能が約束される。
異なるデザインやホワイトレターによる2イン1デュアルサイドウォールで耐サイドカット性アップ
タイヤのサイドウォールで、セリアル側と反セリアル側の左右で異なるデザインを採用する『2イン1デュアルサイドウォール』も大きな特徴のひとつ。耐サイドカット性能、オフロード性能を表現しており、まさに好みに応じて装着面を選ぶことができるタイヤだ。ちなみにこのサイドウォール部には、一部サイズを除きアウトラインホワイトレターを採用。
※掲載の写真は色の塗分けでタイヤの技術を分かりやすく表現しています。実際のタイヤはホワイトレターの部分以外は着色されていません。
■幅広いシーンで期待以上の走りを披露
オンロードでは、剛性感がすこぶる高くなり、特にハンドリングに愉しさが生まれていた。といっても、それはスポーツカー向けタイヤのようなクイックさを強調したものではなく、ステアリングを切った分だけ素直に向きを変えていってくれる、そんなナチュラルさ、だ。もちろん、唐突なロールフィーリングを発生させることもなく、操舵量に応じたロールが発生し、そしてヨーへと移行していく。そこには十二分なグリップ「力」がありながら、グリップ「感」もしっかりと存在しており、最初に述べた剛性感とのバランスに驚くはずだ。
静粛性の面では、静かだと感じさせるものの、いわゆるLT規格モデルであるし、ピックアップトラックボディゆえに、キャビンへと伝えてくるノイズや振動は存在する。ただ、そこには耳に残ってしまうような耳障り感はなく、むしろ、SUVらしさたるサウンドへと変換されており、そこにも愉しさがあった。いうまでもなく、乗り心地はLT規格のタイヤであるのに、とてもいい。言い換えると、悪くはなっていない、ともいえるが、いずれにしても、そこにはゴツゴツといった固さは見当たらず、路面からの強い入力に対しても角をしっかりと除いて伝えてくるために、不快さを意識させることはない。むしろ、先に述べた剛性感も相まって、乗員に安心感を伝えてくる、そんな印象を抱いた。
オフロードでは、ハイレベルのトラクション性能によりどんなシーンでも安心感にあふれていた。モーグルでは、タイヤが路面から浮いてしまうシーンでも、グリップ加減を実に探りやすく、そのままにアクセルを緩やかに踏み込んでいると、グ、グググッとクルマを前へと進めてしまう。これは、ここの技術を強く意識すると同時に、接地面を広く確保したというタイヤの基本性能も相まってのもの。最新のタイヤは、ずいぶんと進化したものだと感心しきりだ。ヒルクライムでは、わざわざ途中で停止し、再発進を試みるも、発進時に少しグリップを失う程度で、不安を煽ることなくクルマを前進させてしまう。ロックセクションでは、滑ることなくしっかりと岩を掴み、もはやドライバーが狙ったとおりのラインで走らせることでき、従来のA/Tタイプとの違いを感じさせてくれた。
このようにジオランダーA/T4は、オンロードからオフロードまで、幅広いシーンで期待以上の走りを手に入れられるモデルだ。個人的には、LT規格のタイヤながら、乗用車向けタイヤかのような「しやなかさ」が存在しており、これが最新世代のA/Tか、と、驚きが強く印象に残ったことを付け加えておこう。
ロックセクション
ヒルクライム
モーグル
オフスタイルを極めるアグレッシブデザイン
■GEOLANDAR M/T G003がラリー車両に採用された!
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