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RAV4

2024.04.16

【豊田自動織機】メーカー製品とアフターパーツが融合した夢のスタイル

トヨタグループの一員として、自動車用パーツや車両の生産のほか、企画・デザイン・設計などの開発にも参画している豊田自動織機。これまで数多くの車種を生産してきた同社だが、現在は現行型RAV4がメイン。RAV4自体は世界中に点在するトヨタグループの工場で生産されているが、RAV4のPHEV(プラグインハイブリッド車)を日本で生産しているのは豊田自動織機(以下、TICO)のみだ。
 そんなTICOが、東京オートサロン2024にRAV4ベースのオリジナルカスタムのコンセプトモデル2台を展示・出展。この試みは自社のPRだけでなく、RAV4オーナーおよびRAV4に興味を持つユーザーが今後どのようなスタイルやカスタムを求め、さらにどんなモデルを入手したいかを市場調査する目的もある。そして、今回もユーザーの好みや予算に応じて自由に仕立てるカスタマイズカーの一例として2台を仕立てた。そのカスタマイズ内容を改めてチェックしてみたい。
 まず『オフパケ+(プラス)』と命名されたグレイッシュブルーのRAV4は、その名の通り特別仕様車・RAV4アドベンチャー〝オフロードパッケージⅡ〟がベース車。この特別仕様車の特徴は、10㎜のリフトアップと純正採用の艶を抑えた凸凹のある独特な質感を持つGORI BLACK(ゴリゴリブラック)塗装が施してあること。オフパケ+はこのテイストをさらにブラッシュアップし〝見て停めて楽しむ〟アウトドアスタイルをテーマとして、ルーフキャリアやスイング式のラックを装備。車高は先述の通り、標準車より10㎜リフトアップしてあるが、タイヤは225/60R18からあえて17インチにダウン。その分幅や太さを肉厚化する245/65R17のATタイヤに変更し、RAV4ユーザーから絶大な支持を受けるデルタフォース・オーバルホイールをセット。そこにジャオス製アーチモール(フェンダーガーニッシュ)を追加することで、まさにワンランク上のオフロードテイストを実現し、力強さと重厚感、機能を追加したオフパケ+の名にふさわしい仕上がりとした。これがユーザーの好みや予算に応じてカスタムする実例の提案なのだ。
 対してもう1台はRAV4 PHEVをベースに新しい可能性を模索したコンセプト。PHEVユニットのパワフルな走りとアドベンチャーの高いオフロード走破力を融合した『DIRT RUNNER CONCEPT』は、荒野を疾走するオフロードスポーツシーンをイメージしてつくられたコンセプトモデルだ。RAV4アドベンチャーのフェイスと鮮烈なオレンジのボディに、電気式4WDシステムのE‐Fourを兼ね備えることで、新たなEVの可能性を感じさせてくれる。
 こちらはアフターパーツの車高調で40㎜リフトアップし、さらにフロントマスクを中心に大幅にアレンジ!実はバンパーもグリルもTICOオリジナルのデザインで、前者はアイアンバンパーに見えるアグレッシブなバンパー。スチール製のような形状はもちろん、テフロン加工したように見える塗装もポイントだ。さらにフェンダーアーチ、サイドシル、リヤバンパーに至るまでをこのカラーでペイント済み。またボンネットはオフパケ+と同じく、ゴリブラ塗装を模したラッピングを採用するが、タイヤパターンを取り入れた、さらにインパクトを放つ仕様とした。まさに乗って走って楽しむオフロードスポーツスタイルのカスタマイズカーといえよう。
 国内販売復活後はSUVのど真ん中に君臨し、多くのユーザーが愛用するRAV4。今回提案された2台はある意味『未来のRAV4』の姿と言ってもいいカスタマイズカーだ。これがどのようなカタチに結実するかは未知数だが、TICOの描く未来予想図は我々ユーザーが間違いなく〝欲しいと思えるモノ〟になるだろう。

東京オートサロン2024に、RAV4 Adventure “OFFROAD package Ⅱ”をさらにブラッシュアップしたカスタマイズコンプリートモデルの『オフパケ+』と、RAV4 PHEVのコンセプトモデル『DIRT RUNNER CONCEPT』の2台を出展して話題を呼んだ豊田自動織機。今回はそれらを余すことなく詳細解説している。

■RAV4 オフパケ+(プラス)

北米のユーザーから高く支持され、現地TOYOTAディーラーで取扱いもあるYAKIMA製キャリアを採用。ルーフにはルーフラックとカヌーラックを装着するが、あえてコンパクトなラックと組み合わせたスタイルがイイ感じだ。リヤのヒッチメンバーも同じくYAKIMA製EXOギアウォーリアーをセット。車内の荷物を取り出す時はキャリアを右方向にスイングできるので、使い勝手も良好だ。
いわゆるチッピング塗装のような質感のGORI GORI BLACK(ゴリゴリブラック)塗装を各部に採用した特別仕様車のRAV4 Adventure “OFFROAD packageⅡ”がベース。フロントバンパーやスキッドプレート、ドアミラーには標準で 〝ゴリブラ塗装〟 されているが、加えてロアバンパー、サイドガーニッシュ、ホイールアーチ(JAOSフェンダーガーニッシュタイプX)、リアバンパーも同じくゴリブラ塗装によって全体の統一感とワイルドさをアップ。なお、スキッドプレート部分は試作のゴリゴリ塗装のガンメタル仕様で塗分けして、 存在感をアピールしている。

このカスタマイズモデル専用のワンオフ仕上げとして、既存品として存在する部分以外のリアバンパー、フロントグリル、フェンダーアーチに至るまでをゴリゴリブラック塗装。なお、フェンダーのストライプ部分やボンネットなどのアクセントになっている部分には、この塗装と似たラッピングを実施。TICOでは車両製作だけでなく、こうした個性の提案も研究中だ。

奥の荷物を簡単に取り出せるだけでなく、テーブルとしても活用できるスライドデッキ&ユーティリティレールは、参考出品アイテムとしてTICOが製作。さらにトノカバーの代わりとなるジョリーロジャーズ製のアルミ素材のラゲッジトレイを装備。ラゲッジスペースを2段にして有効活用できて、収納性が格段に向上している。
オフパケ+のベース車両である特別仕様車の装備として、標準車と比べて10㎜車高アップされたスプリングを専用に採用している。これで通常モデルよりグランドクリアランスをより確保することができる! さらにフェンダークリアランスも拡大するため、外径750㎜のオープンカントリーA/T Ⅲの装着も楽々可能だ。
 
オフパケ+が装着するホイールは、デルタフォースのオーバル。リブデザインやボルト風ホールなどを設けたビードロックリングテイストのリムと、コンケーブしたオーバルディッシュディスクに12個のホールを配したデザインのアルミホイールだ。RAV4オーナーが参加するイベントやミーティングなどにTICOのスタッフが実際に出向いて市場調査を行ない、RAV4での装着率が高いホイールということで選定。フェイスカラーは市販品と同じマットスモークポリッシュだが、センターキャップのオーナメントのみ特注のレッド仕様に。TRDのマッドフラップや赤に塗装したブレーキキャリパーとカラーコーデして、足元の差し色効果もバツグンだ。
タイヤはTOYO TIRESのオープンカントリーA/T Ⅲで、どこへでも行ける頼もしさを演出。サイドウォールのホワイトレターがGORI GORI BLACK塗装と対照的となり、存在感をアピール。タイヤはオーバーフェンダー装着前提で245/65R17サイズをチョイスし、ホイールは17×7.0J+32/5H-114.3サイズをマッチングしている。

■RAV4 PHEV『DIRT RUNNER CONCEPT』

ボンネット部分には、オフパケ+と同様にゴリゴリブラックテイストのオリジナルステッカーを追加。こちらは中央部分にタイヤのトレッドパターンを盛り込むことで〝ダートランナー〟らしさを際立たせている。このカスタムに刺激を受けるユーザーは多いのでは?
RAV4 PHEVのアプローチアングルから9度程度拡大したTICOオリジナルのフロントバンパーを装着。下部を削ぎ落とし切り詰めたデザインが特長だ。さらにそこにテフロン加工されたようなオリジナルの専用塗装を施すことで、まるでアイアンバンパーのような重厚感を実現。フロントグリルも、TOYOTAロゴを配したやはりオリジナルデザイン。これらは現時点で市販化の予定はないそうだが、軽量化に配慮しつつ、もちろん安全装備にも対応するように設計されるなど、TICOの本気が垣間見えるアイテムなのだ。
テフロンコートしたような特殊ペイントは、フロントバンパーだけでなく、ラジエターグリルやその下のミッドグリル、さらにはドアクラッティングパネル、フォグランプベゼル、バックドアロアガーニッシュ、リアバンパースキッドといったボトムエリアを中心に各部に施した。ちなみにリヤバンパーは豪州仕様のRAV4に採用されるGR SPORT用を装備。マッドガードとマフラーはジャオス製だが、PHEV用の設定はないため、あくまでマフラーは参考装着。
サスペンションはRS★Rの車高調に変更して、PHEVの純正車高よりも40㎜アップ。さらにグランドクリアランスを拡大するために、ノーマルより外径が大きいBFグッドリッチのATタイヤ(255/65R17:外径764㎜)をチョイス。ホイールは迫力のあるUSホイール・ブラックライノのWARLOAD(17×8.0J+35)をコンビしているが、全体のトーンを合わせてカラーは渋めのガンメタルというのがポイント!
NEXUS Japan製フラットキャリアを搭載(キャリア先端にはIPF製40インチLEDライトバーを装着)。さらにROAMのラギッドケースやMAXTRAXのリカバリーボードをセット。
オフパケ+でも装着するジョリーロジャーズ製のリアオーガナイザーアルミラックをダートランナーにも装着。実は2wayアイテムであり、こちらはカーゴネット的にして、荷物が動くのを防止する。
さりげなくKUHLのリアウイング(リアエンドスポイラー)も装着しているが、これが疾走感を演出。
オレンジを基調としたアクティブなイメージのエクステリアに対して、インテリアはレッド×ブラックの2トーンでレーシーにアレンジ済み。インパネ回りはゴリゴリブラック塗装の部分とレッドに色替えしてる部分が相まって、特別感を演出。さらにシートはショルダー部分までをしっかりとサポートするワンオフ品として、スポーティな雰囲気を醸し出している。