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【MOTORAGE】運動性能に拘るモトレージ。着飾るのではなく〝機能〟を向上

 40年以上に渡り、多くの4WDユーザーを支えてきたモトレージ。様々なオリジナルパーツをリリースするが、その中でも力を入れているのはサスペンションだ。今回のデモカーはオリジナルのTERRAコイルスプリングを装着し、ノーマルと比較して3.5インチのリフトアップを実施するが、モトレージでは様々なユーザーの使い方やニーズに応えるために、2.5インチリフトと4.5インチリフトも発売中。まさに自分が欲しいと思うスタイルを手に入れる事ができるというわけだ。
 さて、初めて乗用車からJeepに乗り換えた人は、フェンダーとタイヤの隙間が気になって仕方がないのではないだろうか?確かに拳が入るくらいの隙間があるし、もっと大きなタイヤが装着できるハズ…と思うだろう。もちろんそれを実現するユーザーも少なくないが、この隙間はJeepの高いオフロード走破性を実現するためには必要不可欠。オンロードではそこまで大きくサスペンションは上下に動かないが、モーグルと呼ばれる激しい起伏のある路面では、タイヤがフェンダーの中に入り込むほどストロークする。この時に大き過ぎるタイヤを装着していると、タイヤがフェンダーと干渉し、自分で自分のクルマを傷つけてしまうことにもなりかねない。 
 もちろんフェンダーを交換することでそれを回避したり、もっと外径の大きなタイヤにする事も可能だが、このJKラングラーのオーナーさんはノーマルのスタイルは大きく変えずに走破性を高めたいというリクエストをモトレージにオーダー。そこでモトレージの岡本社長が選んだタイヤサイズは、285/75R17。ラングラーユーザーの多くはとかくタイヤサイズ に拘る傾向が強いが、ただ大きくすれば良いわけではなく、高さと幅のバランスも重要。今回装着したタイヤは「大きいけど太過ぎない」のがポイントで、ロードクリアランスを高めつつ走行時の抵抗も抑えているので、走行フィーリングの違和感も非常に少ない。写真を見れば分かると思うが、オフロードを走ってもフェンダーとタイヤは全く干渉していないし、路面とのクリアランスも非常に大きいので安心感も非常に高い。
 悪戯に大きなタイヤやパーツを追加するのも良いが、バランスを考慮し機能を重視したカスタム。これこそが、モトレージが目指す仕様だ。

オフロードを走るために重要な事…それは路面とのクリアランスに尽きる。だが、ただタイヤを大きくすれば良い訳では無いし、大き過ぎると運動性能も低下してしまう。そこでノーマルよりも20㎜ワイドに留めつつ、2サイズほど外径が大きなタイヤをチョイス。オフロードだけでなくオンロードでの安定感・安心感も追求しており、まさにトータルバランスを重視したスタイルだ。
ボイールはエルフォードのブラッドストック1ピース。サハラの純正から17インチへサイズダウンするが、その分タイヤが肉厚となりオフロードで傷つける危険性を軽減。タイヤは豊富なサイズをラインナップするジオランダーM/T G003(285/75R17)を組み合わせる。
リフトアップを行ないノーマルよりも大きなタイヤに変更しても、下回りの保護は必要。トラブルを未然に防ぐ事で、安心して河原や林道などはもちろん、本格的なオフロードにも踏み込む事ができる。余談だがモトレージ岡本氏は「ぶつけてから装着する人が多いけど、その場合ステーの取り付け部分が曲がっている事があるんです。なので、ぶつける前の装着がオススメですよ」と語ってくれた。
フロントバンパーはARBのウインチバンパーに変更。アプローチアングルの拡大、多少のヒットにも耐えられる強度。万が一の時に頼りになるウインチが搭載できるなど、オフロードを走るユーザーにとっては非常にメリットが大きい。フェンダーとの繋がりも自然で、物々しさは皆無と言える。
フロントバンパーの中央には、WARNのZEON10Sを装着。8Sを装着するケースが多いが、価格差がないものの牽引能力の違いは歴然ということで上位機種の10Sをセット。まさに備えあれば患いなしだ。
ウインチのフェアリードは、フロントナンバーの裏側にセット。モトレージのオリジナルナンバープレートホルダーは跳ね上げ機構が備わっており、スマートな外観と機能性を両立させているのがポイントだ。
リアはポイズンスパイダー製のスチールバンパーに変更。純正のライセンスプレートは一番ヒットさせやすい所にあるので、車体左側に移設。フロントバンパー同様、リヤバンパーも切り詰めたデザインとする事で、デパーチャーアングルを拡大させている。
リアバンパーの表面には、ザラザラとした質感が特徴なLINE-Xを施工。見た目だけではなく塗装するだけで強度や耐熱性も向上させる事が可能。オフロードを走る頻度が高い人にもオススメと言える。
リアウインドーの上側には、コンパクトだが効果的なハイマウントブレーキランプを追加。スペアタイヤを大きくしても後続車にしっかりアピールできる位置に装着するので、安全性の向上にも貢献する。

道を選ばぬ高い運動性能を実現

各部のアーム類まで交換する大々的なカスタムと異なり、モトレージのリフトアップはスプリング&ショック、ラテラルロッドの交換というシンプルなもの。だがただ車高を上げる仕様とは異なり、ノーマル以上の運動性能も追求。オンロードでは重心が上がりロール傾向が強まるが、それを全く感じさせない安定性を実現している。

その一方、オフロードではサスペンションがしっかりストロークする事で、可能な限り車体は水平な姿勢を維持している。路面をしっかり掴み続け、トラクションをきっちり伝えている。またスタビライザー延長ロッドと延長バンプストッパーで動きの範囲を適正化している。また本文でも述べているが、大径でありながらも太すぎない絶妙なサイズのタイヤをセット。ボディとの干渉を回避し、サスペンションの性能を最大限発揮させるマッチングも注目すべきポイントだ。