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昨年の雪辱を晴らすBAJA1000に向けてTEAM JAOSがマシンをシェイクダウン!

2022年に北米3カ年計画として〝BAJA1000への挑戦〟を掲げたTEAM JAOSが、再び今年も始動した。その1年目はマシントラブルによって、わずか100マイル地点での不完全燃焼なリタイアとなってしまったが、2年目にあたる2023年は万全の体制でBAJA1000に挑戦する。
 一度BAJA1000の舞台を走った意味は確かにあった。完走こそできなかったが、実際にその舞台に立たなければ、そして走ってみなければ分からなかったことが多かったのも事実。それらの経験はしっかりと活かされ、雪辱を晴らす新たな戦いが火蓋を切る。そのためのNEWマシン、LX600〝OFFROAD〟TEAM JAOS 2023ver.のシェイクダウンが、8月末に4日間かけて実施された。
 国内のダートコースで行なったテストでステアリングを握るのは、もちろんこれまでTEAM JAOSをけん引してきたジャオス社員ドライバー・能戸知徳選手。そして今回のマシンは前回からキャリーオーバーされた部分もあるが、昨年からはタイヤサイズやサスペンション、ライティング関係を主に変更する。
 すでに目指すべき方向性が見えているためか、ドライバー・能戸選手の表情は終始明るかった。実際このシェイクダウンでは走行可能な日程を多めに確保し、LX600をレースマシンに投入して以来さまざまなトライを十二分に行なえた〝渾身〟のテストとなったことは間違いない。
 今回初採用の〝37″サイズ〟タイヤのオープンカントリーR/Tの乗り味チェックや、同じく初装着されたフルバケットシートの調整、数種類のサスペンションの検証とセッティングは何度も実施され、ライティングギアのチェックについても、たっぷりと試すことができたのだ。
 一方でTEAM JAOSのメンバー構成にも大きな変化がある。昨年BAJA1000を視察した群馬トヨタグループの代表取締役社長・横田氏はその過酷さを目の当たりにして、ディーラーメカニックから派遣しているエンジニアを増強。JAOS、そしてサスペンションを担当するカヤバからのエンジニアを含め、8名のメンバーによる強力なサポート体制を構築した。まさに今年はチーム一丸で完走を目指すことが伝わってくる。
 なお、最後に筆者は今回のテスト走行中にLX600〝OFFROAD〟TEAM JAOS 2023ver.に同乗試乗させてもらった。ヘヴィーデューティだが37インチを装着した車両とは思えないほど速度域は高かったし、想像以上に快適な車両に驚かされた。
 どう考えても仕上がりは上々。TEAM JAOSのBAJA1000挑戦が楽しみだ。

LEXUS LX600 “OFF ROAD” TEAM JAOS 2023 ver.のシェイクダウンが8月に行なわれた。TEAM JAOSのメンバーとして、JAOS、KYB、群馬トヨタグループのメカニックスタッフが集結。テスト走行の山場となる2日目ということもあり、TEAM JAOSのパートナー企業各社がモーターランド野沢に合流。各装着パーツの検証・調整を行なった。この輪の広がりこそ、まさしく〝チーム〟というもの。

ドライバー・能戸選手は長年の夢であったBAJA1000参戦をチームとしてまとめ上げ、自分にとってもJAOSにとって有意義になるように鍛錬し続けている。今回のテストの結果には概ね満足し、本戦に向けて自信が感じられるようになった。
起伏の激しい砂漠や土獏を延々走るBAJA1000では、やはりダンパーの発熱が著しくなる。そこでダンパーのキャパを増やすべく、ダンパー自体を大型化。さらにリザーバータンクを採用した上で放熱フィンがついたヒートシンクを採用。
大型化されたダンパーに対応するため、フレームには新たに取付メンバーが溶接され追加されている。BATTLEZのリフトアップコイルは基本的には昨年の仕様と変わらないという。
タイヤは昨年と同様にオープンカントリーR/Tだが、そのサイズは35インチから37インチの大径化!BAJA1000では40インチオーバーのタイヤを装着したマシンもザラで、それらの車両が走ったあとには35インチでは足りない…という結論だ。当然、タイヤは重くなり回しにくくはなっているが、その分安定感は圧倒的に増したようだ。
今回のシェイクダウンでは、サスペンションのセッティングには特に注力していたようだ。テスト走行しては取り替えて再び走るといった具合に、さまざまな仕様のサスペンションをチェックした。
強力な灯火装置は、街灯のない漆黒の闇夜を走るための命綱だ。今回のマシンは前回よりもさらに夜間走行の視界確保を狙ってフロントのLEDバーを4連のIPFスポットランプに変更している。テスト中は夜遅くまでライティングのチェックも行なわれていた。
LEXUS LX600 “OFF ROAD” TEAM JAOS 2023 ver.専用のトヨタ紡織製フルバケットシート(非売品)。これまではヘッドサポート付タイプだったが、BAJA1000でナビを務める現地のコ・ドライバーの体格に合わせて新しいシートを採用。路面からの突き上げや振動対策にも対応し、ホールド性とクッション性を両立する。今回のテスト走行ではトヨタ紡織のスタッフが現地で能戸選手と入念に打ち合わせをしながら、各部のホールド性などについてクッションの調整を行なった。

TEAM JAOS 2023/チーム概要

●参戦レース:SCORE World Desert Championship 56th SCORE BAJA1000
●参戦クラス:Stock Full Class
●参戦車両:LEXUS LX600 “OFFROAD” TEAM JAOS 2023 ver.

●開催地:メキシコ バハ・カリフォルニア半島
●開催日:2023年11月13日~18日
●走行距離:約1,100マイル(約1,770㎞)

●監督:赤星 大二郎(株式会社ジャオス 代表取締役)
●ドライバー:能戸 知徳(株式会社ジャオス 開発部)
●コ・ドライバー:TBD(CANGURO Racing)
●メカニック:二宮 亮(群馬トヨタ自動車株式会社 RV Park)
●メカニック:中島 淳一(群馬トヨタ自動車株式会社 GR Garage 高崎IC)
●メカニック:深澤 拓(ネッツトヨタ高崎株式会社 サービス部技術G)
●メカニック:石原 隆(群馬トヨタ自動車株式会社 レクサス太田)
●メカニック:橋爪 悠人(群馬トヨタ自動車株式会社 沼田インター店)
●メカニック:宮﨑 卓弥(ネッツトヨタ高崎株式会社 サービス部技術G)
●メカニック:宮﨑 毅(株式会社ジャオス 管理部)
●車両製作ディレクター:岸 好昭(株式会社ジャオス 設計部 部長)
●サスペンションディレクター:田村 裕一郎(株式会社ジャオス 専務取締役)
●サスペンションエンジニア:田中 一弘(カヤバ株式会社 AC事業部 サスペンション事業部 技術部)
●広報:内田 悦哉(株式会社ジャオス 企画宣伝部 部長)
●チームサポート:CANGURO Racing
●車両製作&メンテナンス:群馬トヨタ自動車株式会社、株式会社RIKISO(https://www.gtoyota.com
●車両製作&メンテナンス:ユナイテッドサウンド(http://www.unitedsound.jp/fuse/