【TOP RANKAZ】西海岸で流行中のプレランナーをグラディエーターで表現!
メキシコのバハ・カリフォルニア半島で行なわれる、歴史あるデザートレース「バハ1000」。総走行距離は1000マイルにもなり、そのテスト走行車両としてコースの下見を担うのがプレランナーだ。長時間過酷な路面環境下にさらされるが故、激しいアップダウンや、時には4輪が路面を離れて飛ぶような光景を目にすることも珍しくない。その耐久性や衝撃吸収性を加味した足回り、そして強靭なアイアンパイプガードによるアグレッシブな走りに耐えうるスタイリングは、ここ最近西海岸のピックアップカスタムカルチャーにおいても注目の的。
そんな現地のトレンドをグラディエーターで表現したのが、京都府のトップランカーだ。少し前下がりな姿勢をフラットにすべくフロントのみ2インチリフトアップを施し、RPMのステアリングキット、スタビリンク、ロアアームで強化。フェンダーはUSモパー製を前後共にチョップ加工してシルエットをシャープに演出。さらに、モトビルト製のハーフドアで開放感あふれるスタイリングに整えつつ、フロント&リアバンパーをワンオフで製作。ハイラックスやタコマとはフォルムの異なるグラディエーターに、ナチュラルに溶け込むシンプルで「理に適った」パイプワークも特筆物だ。
その他、KC8連フォグのアクセントや、メソッド・MR106 17インチホイールにトレイルグラップラー37インチのボトムスなど、JLカスタム御用達の定番パーツもサラッと取り入れる辺りが、競技車輛らしくありながらも街中で溶け込む絶妙な「さじ加減」として、リアリティを高めていると言えるだろう。
ブロンズやマッドブラックではなく、素地のビードロックで合わせる辺りがプリランナ―らしさを色濃く印象付けるMETHOD MR106・17インチ。37インチでフェンダークリアランスに余裕を持たせる辺りも本物志向。
モトビルトハーフドアのオプション品であるサイドミラーブラケットにバイク用のミラーを加工装着。こうしたアレンジもまた、レースシーンのリアリティを高める絶妙なアクセント。
大型の前後バンパーを潔く脱ぎ去った所で際立つボディアンダー部分は、モトビルト製デフカバーやフェンダーインナーカバーでアレンジ。あえて色物を使わずシルバーの素地でコーディネートする事で、レースカーを惹き立てるプリランナ―らしいキャラクターにも説得力が増す。
ハーフドアによる解放感は格別!
窓が存在せず、内貼りもアッサリと簡素化されたモトビルト製ハーフドア。サイドフォルムがシンプルかつワイルドに一新。内装装備に多くを求めないプリランナーのキャラクターとの相性も抜群。
プリランナーバンパーをワンオフ製作
急勾配のアップダウンでフロントバンパーをヒットする事も多い過酷なコースを走るだけに、それ相応の強靭さとグリル周りをプロテクトするに耐えうる耐久性が求められるだけに、太めのパイプをシンプルな造形でレイアウトしてワンオフ制作するフロントグリルガード。グラディエーターの純正バンパーは女性が座れる位大きく前に張り出して頑丈な作りとなっているが、競技シーンにおいてはむしろ、その大きさが邪魔になってしまう。あくまでも活躍するステージが異なれば、当然スタイリングそのものも大きく異なる。
リアバンパーもフロントバンパー同様引っ掛かりが無い様にボディから外側へのアプローチを極限まで排除したシンプルな造形。真横から見るとリアバンパーレスの様に見えるが、ヒッチまで完備。このスッキリしたゲート周りを台無しにしてしまうナンバープレートは、リアウィンドウへ移設する事で解決。
RPMのステアリングキット、ロアアーム、スタビリンクで強化された足周り。リア側は純正車高をストックしつつフロントのみ、2インチリフトアップする事で姿勢をフラットに。前後ワンオフバンパーやチョップされたオーバーフェンダーによる視覚効果の恩恵を受けて、実際の上げ幅以上に車高が高く見える。
トップランカーの手にかかれば、よりオフロード志向を高めた足回りのカスタムも十分可能ではあるが、あくまでもコンセプトはプレランナ―。レースを走る競技車輛が実際に走るコースを事前にテストドライブするポジションである事を加味すると、この足回りでも充分贅沢。プリランナ―はあくまでも名脇役と言うキャラクターが故の本物志向である。