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【QUADRUPED】時代にキャッチアップするスーパーCJ

ミリタリービークルとして登場したJeepは、いかにして今のような一般に市販されるクルマになったのか?その流れの中で、キーマンとなったのが、すでに1945年に登場していたCJシリーズだ。当初は建設作業や農作業向けのクルマとして販売されたものの、後に発表されたCJ‐5やCJ‐7がレジャービークルとして人気を集めることになる!
 とくに1976年に登場したCJ‐7は、ロングホイールベース化で乗り味を改善、パワフルなV8エンジンなども採用され、現在のJeepにとっては、まさにレジェンドな存在になった。もちろん、CJ‐7人気は日本でも。ボンネットに大鷲のデカールをあしらった“ゴールデンイーグル”仕様なんて、ほんと、憧れたものだったなぁ~。
 そんなCJ‐7を、今も大切に乗られている方がいる。神奈川県葉山町在住の山口徹さんだ。愛車は1980年型のCJ‐7で、17年前に購入したそうだが、ただしノーマル状態、というわけではない。日常的なトランスポーターとして乗るのはもちろん、時にはオフロード競技にも出場…そんなJeepライフの中で、修理やメンテナンス、カスタムを粛々と進めてきた。そして、その17年の集大成が、現在のオリーブ色のCJ‐7なのだ。
 これまでこのCJ‐7を全面的にバックアップしてきたのは、自宅の近所でもあるカスタムプロショップ『クワドロペット』。同店に在庫されていた逆付けホーシングのCJ‐7を見て、購入は即決だったという。
「若い頃からJeepに憧れていて、それでも手が出ない価格だったので、三菱ジープを2台、乗り継いでいたりしましたね」
 そしてCJ‐7との濃密な時間は、クワドロペットとともに流れていく。オフロード走行会に参加することも多くなり、壊しては修理、メンテナンス、さらにカスタムの繰り返し。10年前にはなんと、ホイールベースを伸ばしながら、サスペンションのコイル・リジッド化も行ってしまった。すでに“旧車”と呼んでもいいクルマのコンディションをここまで良好に保ち、かつ大胆なカスタムを実現できるのは、クワドロペットならではのノウハウ、そして情熱があればこそだろう。
 さらに今回、10年ぶりのビッグカスタムを行った結果が、ご覧のとおりだ。ボディはオールFRP製(左右ドアのみYJ純正、スチール製)に、またFRPにすることによりボディ&シャシーの剛性が弱くなるので、フレームに補強も施している。何より、LEDヘッドライトなど、現代的なギミックを所々に採用しているのもいい!もちろん、その乗り味は快適そのもの。競技会での入賞も、まだまだ狙っているそうだ。

AMC Jeep CJ-7

CJのオリジナルな雰囲気を極力、残したインパネ周り。メーター類もアナログな味がある。トランスミッションは4速マニュアル、もちろん左ハンドルだ。デフロックは機械式で前後に装備。ちなみにデフはワゴニアのDANA44を採用、ファイナル比は4.56とローギアードな設定だ。
もともとはリーフリジッド・サスペンションのCJ-7。山口さんの購入時はホーシング逆付け仕様だったが、10年前に大改造を実施。クワドロペット・オリジナルの前後コイル・リジッドに変更されたのだ。しかもリア側はVアームによる4リンクとし、6インチ後側にホイールベースを伸ばしている。これにより乗り心地やオフロード性能は飛躍的に向上しているのだ。
エンジンはノーマルの304(5.0ℓ)V8エンジンをインジェクション化し、これに4速マニュアルミッションと4.56ファイナルを組み合わせている。デフはワゴニアのDANA44に強化、デフロックも内蔵している。タイヤは35×12.5R17のNITTOマッドグラップラー。6インチストレッチしたホイールベースにジャストフィットだ。ボンネットの開閉はハマーH1風に。
クワドロペットの近くだから、と横浜から葉山に移り住んだという山口さん。薪ストーブも設えたカントリー風の“BESSの家”。普通の駐車スペースでは面白くないと、Jeep以外停められない様なロックステージを演出した造りになっている。
コーヒー焙煎士として自身が運営するECサイトでコーヒー豆やコーヒー器具の販売を行っている山口さん。コーヒードリッパーなどのアイアンアイテムも自作しているそうだ。葉山の自然の中で、美味しいコーヒーを楽しむライフスタイルに、ファンも多いのだ。

■最新Jeepのポテンシャルを、旧いJeepにも投入!至高のTJ、完成間近!

TJ Wrangler

現在、クワドロペットで進行中の、TJカスタム。サスペンションはお家芸とも言えるオリジナルリンクで構成。前を2.5インチストレッチして5リンク・コイルオーバーショック式に、リアは6.0インチストレッチしてクロスアーム・4リンク式に。ホイールベースとしては計8.5インチ伸ばしているが、これに40インチタイヤを組み合わせることで、TJとは思えないヘビーなアピアランス、そしてオフロードポテンシャルを獲得している。
 「やっぱり古いJeepを仕上げるとカッコいいよね。YJもTJも部品が減ってきているけど、ならばうちで造っちゃおうと。このTJには、今のJLにも負けないポテンシャルを投入していくつもりだよ」と、クワドロペット代表の市来さん。もちろん、今のJeepオーナー、オフロードに行く人は意外と少数派かも。しかし行ったとしたら負けない、そんな思いも込めているとのことだ。

■圧倒的な存在感を生み出す

JT Gladiator Rubicon

 クワドロペットが手掛けた2台のグラディエーター。1台はなんと40インチのタイヤを装着。ホイールはKMCの17インチ。ただ大径にするだけでなく「グラディエーターがいちばんカッコよく見える幅がある」というこだわりにより13.5インチの幅に8Jのホイールをマッチさせている。サスはコイルオーバーに変更しつつフロントは5.5インチ、リアは4インチのリフトアップ。さらにオーバーフェンダーはオリジナルスチールフェンダーを純正フェンダーに装着し片側60㎜ワイドに。これで高さと幅のバランスを取っている。
 もう1台のグラディエーターには37インチのタイヤにオリジナルのビードロック風ホイールを装着。ここにスカイジャッカーのサスペンションに交換して車高を4インチアップ。オーバーフェンダーは純正と換装したフラットフェンダーを装着。バンパーもオリジナルのバンパーに交換することでマッシブなルックスを作り上げた。