TOP > 記事 > 【J tanto】スタイルだけでなく徹底的に走りも追及

【J tanto】スタイルだけでなく徹底的に走りも追及

一口に軽トラをカスタムすると言っても、そのスタイルは様々。エアロを組む人もいれば、リフトアップして様々なアウトドアで活用する人もいる。但東自動車の岩出さんは後者に属する1人で、マリンスポーツのために軽トラを使いやすくアレンジするようになる。
 実際に使い始めるともっと荷物が積めるようにしたいし、不整地を安心して走れるように車高を上げ、タイヤのサイズに変更。四駆のカスタムと通ずる所があるが、車高を上げると重心も上がるので走りが不安定になるが、そこを改善するためにワイド化も実施。これにより小型貨物車への変更は必須となるが、それを行なうだけの価値はある。
 もちろん様々なパーツを追加すると重量は増加する。非力な軽トラがもっと走らなくなってしまうが、それで妥協せずに岩出さんが出した答えは「ターボの追加」だ。昔のクルマなら比較的容易だったが、今のクルマは安全ブレーキなどの制御が入っているし、ユーザーも「ターボを付けたら安全ブレーキは機能しない」というのは容認できないだろう。
 そこで但東自動車は、ダイハツの純正タービンを流用。ピストンの加工や強化コンロッドに交換。インタークーラーも床下に設置するが、リフトアップした事で床下のゆとりが生まれており、走行風による冷却性能も抜群だ。
 さて、皆さんが気になるのはその走り。かつてのドッカンターボをイメージしていたが実際は真逆で、非常に滑らかに加速していき、いつの間にか制限速度に到達。出力は80㏋程度だが、坂の途中からでもグイグイ加速できる。今までお世話になっていた登坂車線は無用で、後続車に煽られるような心配もない。もちろん制動性能も決して疎かにしておらず、ブレーキパッドも強化している。走る、曲がる、止まる、の全てのバランス考慮した、正しいチューンド軽トラだ。

DAIHATSU HIJET JUMBO 5 inch UP

砂浜などのラフロードを走る場合、タイヤサイズが大きければ大きいほど、スタックはしにくく、安心感は高まる。そこで岩出さんが着目したのは、アメリカンオフロードタイヤの代名詞と言える、BFグッドリッチ。その中でも最もオフロード性能を追求したKM3には、215/75R15と言うサイズがあり、これを装着するために5インチのリフトアップを実施。もちろんそのままでは車体からタイヤがはみ出してしまうので、オリジナルのオーバーフェンダーを追加するが、見た目のためというよりも、ワイド化による安定性を追求している。
タイヤサイズの変更やラックなどを追加すると、どうしてもクルマは重くなる。ただでさえ山道では「動くシケイン」なんて呼ばれるが、これをターボ化して改善。安全ブレーキの機能を損なわないよう純正タービン+サブコンで制御するが、更なるハイパワー仕様も計画中だとか。
215サイズのMTタイヤを装着するために、70㎜ワイドのオーバーフェンダーを装着。もちろん軽自動車の枠を超えてしまうので、小型貨物車の4ナンバーへと構造変更を実施、税金や車検などの経費は増すが、それを補って余りある程の恩恵を感じられる。
フロントバンパーの前方には、パイプタイプのバンパーガードも追加。その中央にはWARNの小型ウインチも搭載する。
リヤバンパーは、中央にステップ機能を持たせたオリジナルを装着。なお、フェンダーやバンパーにはラプターライナー塗装を施し、強度と見た目の逞しさもアップ。
オリジナルのリフトアップキットで5インチ車高をアップ。またフロントサスペンションにはスタビライザーを追加。フロントショックのアッパー部分にはピロボールを採用し、安全性にも配慮する。
速く走れるようになっても、ブレーキがそのままではそのポテンシャルを発揮しきれない。そのため、ブレーキパッドをオリジナルの強化タイプに変更。しっかり止まれることで、安心してアクセルを踏み込める。
ルーフテント、ロードシャワー、サンドラダー、ROTOPAXなどを機能的に装着。これらを装着するラック部分も脱着可能なトラレールシステムで構成。自分が軽トラをどのように使って遊ぶか、それを考えてパーツを組み合わせる楽しさがある。
インパネの中央部分には、左からブースト計/油温/水温計が並ぶ。またその横にはブーストコントローラーも備わり、クルマのコンディションを常に把握する。
5インチリフトに加え、タイヤサイズを変更したことで、車高はかなり高くなり、2.3mの立体駐車場に入れないレベル。たまたま隣にあった車高2.1mのFJクルーザーが小さく見えるほどで、その存在感はもはや軽トラとは言えないレベル。オーバーフェンダーを追加することで、バランスを保っていると言えよう。