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エブリィ 軽トラ

2023.07.21

【Kudo-J】車高の変化に伴い各リンク類を適切な角度に補正する事が重要!

本格的な4WDだけでなく、最近は軽トラ&軽バンのリフトアップもポピュラーとなりつつある。大きなタイヤを装着するとワイルドさを演出できるし、河原に乗り入れた時の安心感は段違いだ。
 だが「車高を上げるなら、長いバネに交換すればOKでしょ!」と思い込んできる人が残念ながら少なくない。ノーマルよりも長いバネをキチンと伸び縮みさせるには、最適な長さのショックアブソーバーにするべきだ。だが、それだけでは気持ちの良い乗り味は得られない。ボディが上に上がる事で、ロールを抑えるスタビライザーの角度が立ち上がり、バネの一種であるスタビライザーの復元力が強くなる事でノーマルの穏やかなロールが損なわれ、無理矢理ロールを抑えた様な挙動になってしまう。
 これを解決するには、リンクを短くしスタビライザーを本来の角度に戻せば良い。地味なパーツだが、これを交換するだけで、「良い意味での普通なロール感」を得る事ができるのだ。
 またタイヤサイズを大きくすると、フェンダーの内側でタイヤが擦れてしまう。オーバーフェンダーを追加してタイヤを外に出すのも1つの解決策だが、それでは軽自動車の枠を超えてしまい、デメリットの方が大きい。そこで、ステアリングのロッド部分にストッパーを追加。フェンダーと擦れる前にステアリングが止まるので、ボディを傷つける心配もない。カスタムしたら妥協は必要…ではなく「普通に乗れる」のが、工藤自動車が目指すカスタムだ。

代表取締役
工藤 和彦さん

「リフトアップすると重心が上がり、どうしても挙動が不安定になりがちです。でも、スタビの角度を適正化することで、自然な挙動に修正できます。ロールを味方にすることで、気持ちよくコーナーを駆け抜けられるようになり、運転そのものが楽しくなりますよ!」

ノーマルよりも1.5インチ、約3.5㎝リフトアップしている工藤自動車のエブリイデモカー。タイヤを大きくしているので、その分も含めると合計で2インチほど車高がアップしている。スタビリンクを開発するきっかけは、4インチブロックでリフトした車両車の方が、各ジオメトリーの変化がなく、ハンドリングが良かったから。小さな疑問をいつも抱くことで、理想のサスペンションを実現する源となっているのだ。

kudo-J ステアリングストッパー

ノーマルよりも10㎜手前でステアリングの切れ角を抑制させる、「ステアリングストッパー」。素材はジュラコンを採用。タイヤがフェンダーの内側と接触するのを防ぐだけでなく、タイヤのショルダー部分が磨耗するのも抑制する。距離を走る人ならすぐにその違いを実感できると思うし、タイヤ交換の頻度も減るので、ストッパー代の元が簡単に取れると言っても過言ではない。

kudo-J ショートスタビリンク

(上)ノーマル
(下)ショートスタビリンク

リフトアップするとスタビライザーが垂直気味になってしまい、ねじれの剛性が強くなる。このことで、ロールしない、突っ張った様な挙動になってしまう。ノーマルよりも短くするとスタビライザーが水平気味になり、ノーマルと同じ様な挙動を得る事ができるのだ。ちなみに「ショートスタビリンク」は、日本のアイシン精機製。安全に関わる部品なので、製品の精度の高さも重視している。

ステアリングストッパーの取り付け

1.ステアリングのダストブーツのバンドを外し、タイロッドにストッパーを取り付ける。
2.取り付けたストッパーを、ステアリングロッドの一番外側にスライドさせる。
3.フェンダーの内側のこの辺りがよく擦れる部分。タイヤの跡が付いていたら要注意。
4.写真の上側が純正のバンド。再利用できないので、ストッパーに付属するバンドでダストブーツを固定する。
4.固定バンドはネジを緩めると分解できるので、その状態でタイロッドに通す。
5.あとはブーツが外れないように、しっかり固定すれば完了となる。
オリジナルのリフトアップスプリングと、専用ショックをセット。またリヤのラテラルロッドを水平に保つ、アップブラケットの試作品も装着する。ただ車高をアップさせただけのリフトアップとは異なり、細かな角度をノーマルと同じにする事で、見てカッコいいだけでなく、運転していて楽しく走れるクルマづくりを目指している。なお、前後のショックも工藤自動車のオリジナルで、こちらも発売予定だ。
純正タイヤが165/60R14で、タイヤの外径は約555㎜。(貨物車は145R12で約543㎜)それに対しデモカーは165/60R15のオープンカントリーR/Tを装着。こちらの外径は約579㎜なのでリフトアップスプリングとトータルすると約47㎜(約2インチ)車高が上がったことになる。ホイールはレイズのDAYTONA M9を組み合わせる。
リフトアップしているにも関わらず、違和感のないハンドリングを実現。コーナーに差し掛かると穏やかにロールするので、スムーズにコーナーを抜ける事ができる。工藤さんが言うには「スタビリンクを交換するだけで、ロールを無理矢理抑えている様な挙動が解消しています。ロールと仲良くなると、スムーズに気持ちよく走れますよ」とのこと。より上質な乗り味を実現&体感したいなら、こうような細かな部品もしっかり交換するべきだろう。
  • 工藤自動車(クドウジドウシャ)
  • ☎093-681-4739
  • 所在地●福岡県北九州市八幡東区花尾町2-21
  • 定休日●土曜、日曜、祝日
  • ※その他イベントや研修、取材などでお休みをいただくことがあります。事前のご予約で作業が可能な場合もあります。ご相談ください。
  • https://www.kudo-j.com/