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ハイラックス

2022.07.12

探す、こだわる、ハイラックスに馴染むタイヤ選びステップ1・2・3~純正265R17からはじめるスタイルアップ~

ハイラックスカスタムのファーストステップ、とよく言われるのがホイール&タイヤのコンバートだ。とくに走るフィールドの広いハイラックスは、タイヤ選びが重要で、マッド向け、ダート向け、オンロード向けなど、目的に合わせた様々な指向のタイヤがアフターマーケットには溢れている。一方、ホイールについては皆さん、どんな基準で選んでいるのだろう?価格?デザイン?さらに製法や軽さなど、選ぶポイントは多々あるが、こだわるのはデザインやカラーではないだろうか? 
 今回、アルミホイールの大手メーカーRAYS(レイズ)より、編集部にひとつの提案が届けられた。「ホイールは、ハイラックスの走りを左右する大切な要素のひとつですが、買われる人の多くが、ドレスアップを重視して選ぶ傾向にあるようです。そこで、ぜひサイズ変更やデザインの違いで、スタイリングがどのように変化するのか?それに適したタイヤサイズは?などを検証してみてください」と。
 もちろん、本誌としても気になるところ。早速、検証を試みることにした。ホイールデザインによるスタイルの変化は?インチアップは可能か?合わせるタイヤは?など。検証用の車両は、人気の約1.5インチのリフトアップを施したハイラックス(GMG製)を用意した。

〝265/70R17や285/70R17はタイヤハウス内の加工がマスト〟は本当か?検証してみた。

■注意1:タイヤ&ホイールの履き替えでは、現状に準じたものを選べば問題はないが、サイズを変えるのなら外径と幅を確認したい。また、タイヤの種類によっては、同じタイヤサイズでも、外径や幅が大きく変化する場合があるので注意が必要。

■注意2:リフトアップ量が約1.5インチなので、265/70R17や285/70R17はインナーフェンダーに干渉する(干渉部分の加工が必要)。また、装着によりメーター誤差が生じる場合もあるので、購入の際は、プロショップ、ホイール&タイヤ量販店に相談して欲しい。

■注意3:検証用の車両は、フロントサスペンションをリフトアップスペーサー(40㎜アップ)で前後のバランスを整えている。また、GMG製の新作エアローパーツ(タンドラフェイス)でドレスアップしている。※285/70R17はホイールスペーサーでバランスを整えている。

タイヤサイズ (ハイラックス純正採用)

・Z/X標準サイズ:265/65R17(外径:776㎜ 幅:265㎜)

・GR SPORT 標準サイズ:265/60R18(外径:775㎜ 幅:265㎜)

グレードによってサイズは異なるが、タイヤハウス内のスペースは全てのグレードにおいて同じ。なのでタイヤのカスタマイズて選択できるサイズは共通となる。外径776㎜/幅 265㎜までは履くことができるので、その近辺のタイヤサイズを選択すれば、インチアップもインチダウンも、深く迷うことなくタイヤ選びができる。

タイヤ選びで考えなければならないのは、ノーマル車高のままなのか?リフトアップが前提なのか? それによりタイヤサイズの選択肢は変わってくる。例えば、人気の265/70R17をインナーフェンダーを加工せずに履かせるには、最低でも約2.5インチアップは必要となる。検証用のハイラックスは約40㎜ (約1.5インチ)アップなのでインナーフェンダーの加工は必要となる ※ハイラックスには個体差があり、加工なしで履ける車両もあるらしい。今回は、17インチ限定で検証を試みている。

ステップ1 265/65R17 ➡ 265/65R17

● 外径:776ミリ→776ミリ (変化量±0ミリ)
● 幅 :272ミリ→272ミリ (変化量±0ミリ)

純正採用サイズと同じ外径と幅なので、フェンダー内の干渉はなし。ホイールやタイヤのデザインを存分に楽しむことができる。

RAYS
TEAM DAYTONA FDX F6
17×8.0J (インセット20)

アルミホイールとしての性能は、RAYS鋳造製法により、鍛造ホイールに匹敵する高い強度を実現している。2×6のメッシュスポークがリムからセンターにかけて沈み込んでいくコンケイブを採用。

BFGoodrich
All-Terrain T/A KO2
LT265/65R17

46年の歴史を持つオールテレーンの代名詞。オン・オフ問わず走りをサポートする。サイドウォールには、シビアスノータイヤの証3PMSF(スリーピークマウンテンスノーフレーク)とM+Sが刻印されている。

■干渉の有無と対処方法:フェンダー内の干渉は一切なし

純正採用サイズと同等なので、サスペンションアーム(上部)やインナーフェンダーなど、サイズアップで干渉が確認されている部分を気にする必要はない。※検証用のタイヤの場合

ステップ2 265/65R17 ➡ 265/70R17

● 外径:776ミリ→804ミリ (変化量28ミリ)
● 幅 :272ミリ→272ミリ (変化量±0ミリ)

純正採用サイズよりも外径が28㎜もアップしている。ステップ1に比べてフェンダーの左右の隙間が小さくなっており、ホイールやタイヤの存在感は増している。フェンダー内の加工は必要。

RAYS
TEAM DAYTONA M9 BLACK EDITION
17×8.0J (インセット20)

M9は、ラフメッシュスポークで構成するディスクや、1ピース構造ながらまるで別体パーツのビードロックリングにも見えるリムが特徴(1ピース構造とは思えない立体感あふれるデザインが魅力。

TOYO TIRES
OPEN COUNTRY R/T
265/70R17

アグレッシブな見た目に反してそのオンロード性能は高く、普段乗りはソフトな乗り心地で、高速クルージングでも快適そのもの。また走行安定性はもちろん、耐摩耗性能を高次元で両立する。

■干渉の有無と対処方法:インナーフェンダーの加工は必要

泥除け側のインナーフェンダーとの干渉を確認。干渉部分をカットする必要がある。カット後は、そのままでも問題ないが、見た目を整えるなら、アフターパーツの目隠しキットの装着も考えたい。

ステップ3 265/65R17 ➡ 285/70R17

● 外径:776ミリ→838ミリ (変化量62ミリ)
● 幅 :272ミリ→292ミリ (変化量20ミリ)

外径838㎜と純正採用サイズよりも62㎜ほど大きくなったのでステップ2を上回る迫力がプラスされた。このサイズの選択では、車高アップやオーバーフェンダー、フェンダー内加工、他が必要。

RAYS
TEAM DAYTONA M8
17×8.5J (インセット10)

人気のカスタム「2インチアップ+オーバーフェンダー」にフィットする17×8.5J インセット10〟を設定。MADE IN JAPAN&車種専用設計にこだわり、ターゲットにふさわしいデザインとサイズを採用。

BFGoodrich
Mud-Terrain T/A KM3
LT285/70R17

Baja1000競技で強さを誇るBaja T/A KR2で培ったテクノロジーをMud-Terrain T/A KM3のサイドウォールに応用。V字型の深い切込みが泥濘路(マッド)での強力な走破性を実現する。

■干渉の有無と対処方法:各部の加工、ホイールのサイズ選びは重要

サスペンションアーム 上部

インナーフェンダー (泥除け側)

そのまま履かせると、サスペンションのアッパーアームやインナーフェンダーにタイヤが干渉するので、泥除け側のインナーフェンダーの下部をカットし、また、ホイールスペーサーでホイールを外側に出している。

タイヤを選ぶ前の心得

純正車高・フェンダー加工なし ※検証車両は足回りで車高を約1.5インチアップ

タイヤサイズ ➡ 265/65R17・265/60R18

 車高が変わらないので、フェンダーの隙間は純正と同等。車高アップ量に関係なくタイヤの干渉を起こさないサイズは265/65R17止まりなので、タイヤ外径の限界は775ミリ〜776ミリくらい。具体的なサイズでは、「265/60R18(775ミリ)」「265/65R17(776ミリ)」の2種類となる。いずれも純正サイズなので車高自体には大きな変化はないが、ゴツゴツしたオフロードタイヤを選ぶことで、オフロード4WD車らしいボリューミーなスタイルができあがる。純正タイヤ以外の選択では、タイヤサイズが同じであっても銘柄によって外径や幅が、規定値を大きく超える場合もあることを覚えておく。購入の際は、専門家のアドバイスを受けたい。
●265/65R17を設定する主なタイヤ銘柄
BFGoodrich All-Terrain T/A KO2/BFGoodrich Mud-Terrain T/A KM3
TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T/TOYO TIRES OPEN COUNTRY A/TⅢ
FALKEN WILDPEAK A/T3W/GRANDTREK PT3
YOKOHAMA GEOLANDAR X-A/T G016
※上記タイヤには、265/65R17が設定されているが、外径・幅が純正車高では適合しない場合があるので、購入の際には、タイヤ量販店・プロショップに必ず相談して欲しい。

フェンダー加工あり ※検証車両は足回りで車高を約1.5インチアップ

タイヤサイズ ➡ 265/70R17

人気の265/70R17(外径:804ミリ 幅:272ミリ ※今回の検証で使用したタイヤ)を履かせる場合、インナーフェンダーの泥除け側の下部にタイヤが接触するので、干渉部分のカットが必要となる。タイヤによる車高アップ量は14ミリほど。フェンダーとタイヤの縦方向のクリアランスは広がり、横方向が狭くなるので、純正車高・加工なしよりもオフロード4WD車らしいボリューミーなスタイルとなる。タイヤサイズに合致する銘柄もあるが、外径を大きく超える場合もあるので、購入の際は注意をしたい。また、今回の検証車両のようにスペーサーなどで若干のリフトアップも施しておきたい。
●265/70R17を設定する主なタイヤ銘柄
BFGoodrich All-Terrain T/A KO2/BFGoodrich Mud-Terrain T/A KM3
TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T/TOYO TIRES OPEN COUNTRY A/TⅢ
YOKOHAMA GEOLANDAR X-A/T G016/YOKOHAMA GEOLANDAR M/T G003
FALKEN WILDPEAK M/T01/FALKEN WILDPEAK A/T3W
※上記タイヤには、265/70R17が設定されているが、外径・幅が純正車高では適合しない場合があるので、購入の際には、タイヤ量販店・プロショップに必ず相談して欲しい。

インナーフェンダーのカットについて

タイヤとの干渉は、インナーフェンダー(キャビン側)の下部をカットすることで解消できる。カットしたままでも問題ないが、荒地を走ると、カットした部分に小石などが入り込み、清掃の必要が出てくる。これが面倒ならば、写真にあるパーツを装着するといい。
JAOS インナーフェンダー ハイラックス 125系。干渉する部分を加工し広げることで、タイヤサイズやホイールの選択肢が増えるアイテム。価格:15,400円

リフトアップ・フェンダー加工あり ※検証車両は足回りで車高を約1.5インチアップ

タイヤサイズ ➡ 285/70R17

車高を約1.5インチアップし、オーバーフェンダーを装着したハイラックスに285/70R17を履かせて検証を行なった。ホイールスペーサーでホイールの位置を調整し、さらにインナーフェンダーを加工している。さらにタイヤサイズを大きくする場合、ボディリフト(メンバーダウン)やリフトアップサスペンションなどで、4インチ〜6インチほどの車高アップが必要となる。上げ幅次第で、295/70R17でも、33インチでも、35インチでも履けるようになるのだが、大工事となるので相応の覚悟は必要となる。ボリュームアップアップは一筋縄ではいかないのだ。