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強靭な心臓を宿され旧車を復元していく「リバーサイドガレージ」。美しすぎる「ヨンマル」が完成した!

◆BJ44◆


今年で創業30周年を迎えた、大阪の「リバーサイドガレージ」。お店がオープンしたのはランクル70系がデビューして少し経った頃で、不動の地位を築いた80が登場した直後。当時はカスタマイズがメインの業務であったが、平成10年頃から徐々にレストアの依頼が増え始め、現在のユーザー車両のレストア&レストアした在庫車両の販売というスタイルへシフトするようになった。最近では40系の依頼は根強いものの、70系の依頼も増え始め、時には60のレストアを行なうこともある。まさに、ランクルを末長く乗り続けたいと思う人にとって、駆け込み寺というべき存在だ。そんなリバーサイドガレージでは、以前からただ修理するだけでなく、現代的な乗り味にアップグレードするためにエンジンスワップなども数多く実施して来た。10年以上前になるが、本誌ではランクル40に100系の1UZを搭載した車両を紹介したことがあったが、確かに走りは元気であるが、バランス的には、ヨンマルらしさに少々欠ける印象を抱いていた。そんなリバーサイドガレージが、久々に新しいエンジンスワップの40を製作したと連絡が入った。またしてもガソリンエンジンか?と思っていたところ、搭載エンジンは何と15B‐FTディーゼル!しかも普通のモデルではなく、濃緑色の、某高機動車に搭載されていたエンジンだという。期待を胸に、一路リバーサイドガレージに向かった。

今回の目玉となるのは、やはり高機動車用の15BFTエンジン。直列4気筒の16バルブで、排気量は4104cc。元々搭載されていた2Bエンジンよりも904cc排気量がアップしたこととでトルクフルになり、またターボも追加されたので非常に走りやすい。ちなみにエンジン本体に型式がないので、陸運局で職権打刻してもらい、正式に車検を取得している。ミッションはBJ46の5MTを加工してドッキング。かなりローギヤなので街乗りでは問題ないが、高速道路では高回転になりすぎるとか。完璧を目指すなら、ファイナルギアの変更か7MTなどを搭載すべきだが、流石に後者は現実的とは言えないだろう。

基本的に降るオリジナルの状態で、ボディは全て純正のスチールのまま。15年前にレストアしたとは思えない程良好なコンディションだが、それこそリバーサイドガレージのなせる技だと言える。
前席のシートは両側ともレカロに変更。ホールド性を高めることで、長距離移動の疲労を激減させることが可能。ベース車両のBJ44にエアコンが装備されていたので、そのまま配管を製作。夏のドライブも快適そのもの。
スプリングはリバーサードガレージのオリジナルで、ノーマルよりも2インチリフトアップ。ピボット部分のボルトも新品に交換し、新車さながらのスムーズな動きを実現。ショックはランチョの9000Xだが、最新のショックを組み合わせれば更に快適性がアップできそうだ。
以前乗らせていただいたガソリンV8を積んだ40は、正直に言うとじゃじゃ馬で、ランクルらしさに欠けていた気がする。それに対しこのBJ44改は、正常進化を遂げたと言うべきフィーリング。ヨンマルらしさはそのままだが、非常に俊敏な加速を見せてくれる。実はミッションがBJ46の5MTにコンバートされているが、それでもかなり低めのセッティングとなっており、3速発進できるほど。逆に高速側が吹け切ってしまうので、このままのギヤ比なら7速ぐらいまで欲しくなる。ファイナルギアの変更を行なえば、もっと快適に、もっと楽しく乗れるクルマになるだろう。