「オプカン一択!」のキャッチフレーズと共に、今四駆ユーザーから高い人気を得ているのが、トーヨーのSUV用タイヤブランド『OPEN COUNTRY(オープンカントリー)』シリーズだ。現在、U/T、A/T EX、A/TⅢ、R/T、M/T、M/T-R、そして785といったモデルをラインナップしているが、その生産工場となっているのが、宮城県の岩沼市に位置するトーヨータイヤの仙台工場なのだ。
その仙台工場にて生産されるオープンカントリーシリーズは、今から40年前の1983年に誕生以降、パリ‐ダカやBAJA1000などの勝利に貢献してきたタイヤだ。ちなみに、市販化もされているスペシャルタイヤ『M/T-R』や、海外向け大口径サイズもこの仙台工場で生産される。
こうしたレースでの活躍もあり、オープンカントリーは2000年に北米で大きく飛躍。世界最大のカスタムカーの祭典・SEMAショーでナンバー1の装着率を誇るに至った。国内では4WD・SUVブームの復活をサポートし、2016年頃から販売シェアを大幅に拡大。今やオプカンは人気ブランドであり、多くの4WD・SUVユーザーから愛されるタイヤへと成長している。
こうしたタイヤは、大きく分けて7つの工程を経て生産される。第1は精練工程で、天然ゴムや合成ゴムなどの原材料を調合し混合ゴムをつくり、第2の押し出し工程で数種類のゴムを一体化させ、必要な厚みや幅にし、トレッドやサイドウォールなどをつくる。第3のカレンダー工程では、タイヤの骨格としての役割を担うプライコードをカレンダーと呼ばれる機械でつくる。そして第4の材料工程では、プライコードを適正寸法へと裁断。第5が成型工程で、第4までに作られた各パーツを成形機で貼り合わせ、タイヤの原型となる生タイヤとなる。第6は加硫工程で、この生タイヤを金型に入れ、熱と圧力を加えてタイヤを完成させる。金型から取り外す瞬間は湯気が立ち込める。まさしくタイヤが完成する瞬間の工程がこれだ。第7は機械と同時に検査員による厳しい品質検査を実施する検査工程で、これに合格したタイヤのみが保管・出荷となる。
これらの工程の中で、特に興味深かったのはホワイトレターの成型方法だ。第1の精練工程における押し出しで、サイドウォールに白いゴムが注入され、第6の加硫工程後に、ホワイトレター専用スペースでサイドウォールを削り、白いゴムを浮き出すことでホワイトレターをつくり出す。手間暇かかるこのホワイトレタータイヤ生産も、全て仙台工場が担っている。
現在、オプカンシリーズは大人気でその生産体制はフル稼働状態。それでも丁寧に生産されるため、待ちが生じてしまうサイズもあるという。トーヨータイヤの装着を狙うならば、早めの予約が吉といえるだろう。
オープンカントリーができるまで
●国内生産本部 仙台工場 工場長・戸田 博也さん(中)
●国内生産本部 仙台工場 製造部長・森 直樹(向かって左)
●国内生産本部 仙台工場技術課長・西川 直人(向かって右)
- TOYOTIRES
- https://www.toyotires.jp/