TOP > 記事 > 【JAOS】4WD・SUVの本質を極める 機能的な〝JAOS Style〟

【JAOS】4WD・SUVの本質を極める 機能的な〝JAOS Style〟

 アウトドアブームと呼応するように再び四駆が文化として定着しつつある。同時に〝4WD・SUVカスタム〟も注目されている。
 四駆の総合カスタマイズ・パーツメーカー「ジャオス」はこのムーヴメントを兼ねてから支えてきた。日本のオフロード文化に対するコダワリ、それを実現する技術力とパーツ開発で、ユーザーのニーズに合ったアイテムを世に送り出す気概を込めた「JAPAN OFFROAD SERVICE(=JAOS)」というネーミングはダテじゃないのだ。
〝本物〟のパーツ開発を行なう一方で、ジャオスの姿勢にあるのがニーズの半歩先(一歩ではないのがポイント)を見据えた4WD・SUVのスタイル提案。その時々のテーマに沿って一貫的なデザインと機能を誇る各パーツは、全てを装着しても決して仰々しくならず、見た目重視となりがちなエクステリアパーツでも、きちんと機能性に配慮。もちろん、法規を遵守したサイズ・形状・品質であることも必要条件だし、安心して装着できる品質も、JAOS製品を選びたくなる特筆点だ。
 様変わりする4WD・SUVというジャンルで〝定番〟であり続けるのはさまざまな積み重ねによるもの。ここでは総合パーツメーカーの人気アイテムから、カスタムする魅力を探ってみる。
 今回のカスタム例のモチーフとなる車両は、最新のデモカー2台。ひとつがすでに受注停止となるほど大人気のランドクルーザー300、そしてもう1台が、数々のモータースポーツ活動とも相まってJAOSの〝新代名詞〟的な存在のハイラックスだ。
 ランクル300は、往年のスタイルを彷彿とさせる仕立てといってもいい。ルーフキャリアのフラットラックを搭載し、さらにこのラックを活用するアウトドアシーンに車両を持ち込んでも安心できるカスタムが必要だ。
 ゆえに鋭意開発中のサスペンションコイルによってリフトアップし(合わせるダンパーも開発を検討中)、タイヤ&ホイールをOFF仕様に変更。さらに片側10㎜未満という薄型ながらワイド感を演出するフェンダーガーニッシュや、ゴツゴツしたフロントバンパーガード、そしてリアスパッツやマッドガードといったパーツを装着して巧みにブラックアウトすることで、いい意味でZXらしからぬ、ランクルに相応しいオーバーランドスタイルに仕上げている。
 一方のハイラックスは、これまでJAOSからリリースされていたパーツを新たにGRスポーツ仕様にもマッチング。選択肢が多い渾身のサスペンションでリフトアップした上で、あえてマットブラックとしたフェンダーガーニッシュtypeXなどスパルタンなエクステリアを纏う。両車の選んだパーツは異なるが、これが〝ネオJAOSスタイル〟といえよう。

JAOSフラットラック

1990年代のジャオスにおけるカスタムの〝3種の神器〟といえばグリルガード、リヤラダー、そしてルーフラックだった。このジャオスのルーフキャリアは一時市場から撤退したが、昨今のアウトドアブームや「オーバーランドスタイル」というカスタムスタイルの流れから、新世代のキャリングギア『JAOSフラットラック』として新生を果たした。
 改めて「ジャオスの考えるルーフラックを」ということでリリースされているが、製品のコンセプトは「国産」と「拡張性」。自動車メーカーOEMも手掛けるジャオスにとっては「安心と安全」、そして「安定供給」を実現するには国産であることが必須。そこで国内の純正部品サプライヤーとタッグを組んで開発。その上で多様化した価値観に応えるべく、様々なオプションによって、薄型ラックで高い拡張性を実現しているのだ。
サイズ違いやレインモール用など、様々な種類を用意する『JAOSフラットラック』。本体の材質は軽量なアルミをブラックアルマイトで仕上げたもので、日本製の信頼感とコダワリが見られる。写真のランクル300に搭載したのはルーフレール用フラットラックで、サイズは1250×1400㎜。
Tスロットでどこにでも装着できるウォールバーは、サイドやリアガードとしても、荷物の間仕切りとしても有効だ。
ライトバーや作業灯を装着するためのブラケットもオプションで用意。機能性の拡張はもちろん、言わば〝BAJA1000スタイル〟というべき、アピアランスを構築できるのもポイント。さらにランプの搭載は風切り音の低減にも効果があるとか。もちろんウインドディフレクターも別途設定されている。
コダワリの拡張性は、フロアバーに設けられたTスロット(ボルトなどを組み込む溝)で実現。そして、JAOSフラットラック用オプションの中でもアイナットセットは選択必須。外枠やフロアバーに切られたTスロットのどこにでも装着可能で、荷物の固定をすることができる。
JAOSのモータースポーツプロジェクト『TEAM JAOS』において、2016年から2021年まで過酷なラリーの競技車に採用されていたハイラックス。それゆえハイラックス用のパーツやアイテムには、JAOSでは珍しいヘビーデューティな製品もある。そのひとつが、より強固な4㎜厚のアルミを採用したスキッドプレートtype-R。さらにサクションホースやブレーキパッドといったチューニングパーツも用意する。エクステリアとしては、好評のメタルギア系のスキッドバーをGR仕様のハイラックスにも設定。サイドステップと合わせるとより機能的に、スパルタンなスタイルとなる。

JAOSマッドガードⅢ

JAOSプロダクツの代表的存在で、各車で確固たる人気を誇る「JAOSマッドガードⅢ」。抜群のフィッティングと容易な作業で装着できる車種別専用タイプと、幅広い車種への対応を目的とした加工前提の汎用タイプを用意。大型マッドガードのウィークポイントである巻き込み・巻き上げは、PP製ハンガーベルトと通気性を確保したアルミ製ハンガープレートで効果的に制御。ハンガープレートは、プレス加工により外周から小さな通気ホールにまで丁寧なカーブ処理が施され、スポーティな雰囲気と質感を高める。カラーはブラックとレッドの2色設定。

●識者の使用リポート

ボディの汚れ防止やスタイリングの変化など、語れる点が多い。パパがお小遣いで買えそうな絶妙な価格設定も好感触。

タイヤで巻き上げてしまい、ボディサイドに付着する汚れを極力抑えられるのは助かる。また、本体カラーはブラックとレッドを設定することで、愛車のボディカラーと自分好みでコーディネイトできるのもうれしいポイント。また、アルミプレート部の造形や質感も高く、こうした仕上がり具合はカスタムマインドをくすぐる。価格も良心的だ。

JAOS SUVホイールシリーズ

TRIBE CROSS(マットガンメタリック)

TRIBE CROSS(チタニウムゴールド)

お洒落の基本は足もとから…という格言を持ち出すまでもなく、四駆のカスタムではオフロードタイヤとホイールとの組み合せも重要。ジャオスでも車種に合わせたオリジナルホイールをラインアップ。モータースポーツ活動にも採用されている、本格派ホイール「TRIBE(トライブ)」シリーズのほか、装着車種をジムニーに絞った「EXCEL JX3」、デリカD:5やRAV4、Jeepラングラーといった5H車専用モデルの「ADAMAS BL5」など、総合パーツメーカーならではの思想で設計・開発されるホイールも要注目!

ASTELLA CM-03

EXCEL JX3

サスペンションと同様に、過酷な走行状況でテストも行なわれ、4WD・SUVにふさわしい耐久性とルックスを両立するジャオスSUVホイール。同時装着するタイヤの選択についても、JAOSコンプリート車両を参考にしたい。

JAOSプロテクターシリーズ

元々マッドガードやアンダーガードといったプロテクションパーツはJAOSの人気パーツだったが、それを超えるイキオイで現在のジャオスのヒットアイテムとなっているのが、各車種に設定されている「ドアハンドルプロテクター」だ。貼るだけの簡単装着ながら、しっかりとボディをガードできるPVC材を採用したプロテクター系アイテムは、ラインナップを随時拡大中。また荷物の出し入れの多い、デリカD:5用の「バックドアスカッフプロテクター」やジムニーシエラJB74用の「サイドシルプロテクター」「フェンダープロテクター」などの車種専用品は特にオススメだ。

気付けば意外と傷ついているドアハンドルポケットをスクラッチ傷などから守るPVC材のカーボン調樹脂製ドアハンドルプロテクター。純正用品サプライヤーとの共同開発によるものというのも納得の品質だが、DIYで装着できる。また、ドレスアップ要素も強いフューエルリッドプロテクターも対応車種のオーナーにはおすすめ。

JIMNY SIERRA JB74

DELICA D:5

JIMNY SIERRA JB74

●識者の使用リポート

簡単装着なのにしっかりとガードできる上、カーボン調のプロテクターによってドレスアップ効果も◎
ジムニーシエラJB74用のサイドシルプロテクターとフェンダープロテクター(素材はともにカーボン調PVC材)を装着した車両で林道走行を実施。結果、フェンダーには泥ハネの汚れが…。つまり泥ハネや付着や飛び石からしっかりとボディを守ってくれていることが分かった。
ランクル300はいわゆるエアロパーツとは異なるコンセプトのABS樹脂製パーツでスタイルアップ。特にポイントが、シンプルな中に静かな迫力をたたえるバンパーガード。多段式のフロントグリルのイメージを踏襲したような立体造形と、本体に埋め込んだ4つのLEDランプが迫力のフロントビューを演出してくれる。なおLEDランプは「その他灯火類」なので、車検にも問題ない。さらにリヤの両サイドにもワークホース的な雰囲気を感じさせるリヤスパッツを装備。マットブラック化された純正フロントグリルやサイドステップとの相乗効果で、オーバーランドスタイルに仕上がっている。

JAOS フェンダーガーニッシュtype-X

こちらも各車種で大好評のフェンダーガーニッシュtype-X。ジャオスのフェンダーガーニッシュは、以前から出幅を片側10㎜未満としながら、造形の妙によって表現されたサイズを超えたボリューム感が好評だったが、取材車両に装着されていたtypeXは、ボルト留めをイメージした〝ダミーボルト〟の採用によってさらにワイルド味を演出。また、ボディをマットブラック仕上げとすることで、ボリューミーな4WD・SUVのサイドビューを引き締められる。本体は、剛性と高い質感を合わせ持つABS製、または造形性に優れたFRP製のどちらかが車両によって設定されている。

ボディにリベット打ちで固定されたオーバーフェンダーのようなイメージを与えるクロームメッキの樹脂製ダミーボルトを採用。

BATTLEZサスペンション(コイル&ダンパー)シリーズ

ジャオスが展開する機能系パーツのブランド「BATTLEZ(バトルズ)」。その中核を担うのが足回り…そう、サスペンションシリーズだ。チタン配合(ヘタリ保証付き)により、乗り味をシャキッとさせるコイルスプリング「BATTLEZコイル」は、ジャオスのスタイルアップの要となる車高も決定。また組み合わせるダンパー(ショックアブソーバー)にも注目。ハーモフレック®という、特殊な機構を内蔵した〝VF〟シリーズを擁する「BATTLEZダンパー」を用意している。上質な乗り味や、オフロードでの安定感にも貢献。コンセプトの「日常で感じる高性能」を満たすため、多くの4WD・SUV専用の足回りを設定する。

スプリングコイルは、チタン配合。車種によってアップコイル/ダウンコイルを設定しているのも特徴で、車高アップすれば、より大きなタイヤが履ける。“やわらかさ”と“コシ”を両立する柔軟性を持つ。
KYBとの共同開発による「ハーモフレック®」技術をダンパーに投入。高周波・低入力時は減衰力を下げてゴツゴツ感のないフラットな乗り心地を、低周波・高入力時には減衰力を上げて高い操縦性を実現する特殊機構。
※ランクル300用のサスペンションはリフトアップコイルから、現在鋭意開発中とのこと。

●識者の使用リポート

乗り心地がシルキーに!リヤシートの快適さも魅力

車高が上がってもノーマルの乗り味は確保され、ハンドリングはしっかりしたもの。剛性感があるのにショックの吸収性にも優れており、跳ねるようなイメージのハイラックスがフラット感のある乗り心地に。リアシートもすこぶる快適。