読者の中にも、自動車パーツメーカー「ブリッツ」の名を知る人は多いだろう。4WD&SUVに乗り換える以前に、スポーツカーやセダンのカスタマイズでお世話になったというファンもいるのではないか?そう、ブリッツは、ターボやマフラー、サスペンションのグローバルカンパニーだ。いわば走りのカスタマイズのトータル・プロデューサーなのだ。ブリッツの創業は1980年。アフターマーケットの自動車パーツの開発・製造・販売はもとより、モータースポーツとも深く関わることにより、そのノウハウを深めてきた。特にボンネビルや谷田部テストコース(茨城県)での最高速トライアル、筑波サーキットやニュルブルクリンクでの最速ラップチャレンジなど、数々のシーンで〝最速〞に関する輝かしい成績を残してきた。これらがトップメーカーとして信頼を築いてきた理由のひとつになっていることは間違いないだろう。
パーツ造りのコンセプトは、ルールは守る。今の時代だからこそ安全性にこだわり、また斬新なアイデアをカタチにしていく。魅力的なパーツが、次々と生み出されるわけである。そんなブリッツがジムニー(JB64)用にカスタムパーツを開発した。ラインナップに加えられたパーツは、パワーアップ系、サスペンション系、ボディ強化系など多岐に渡る。そのどれもが、パフォーマンスやクオリティの高さ、さらに安全性、コンプライアンスを重視する姿勢など、ブリッツならではの信頼性の担保により製品化されたものばかりだ。ちなみに、チューニング黎明期にあった、玄人のみが扱える特別なものではなく、誰もが気軽に安心して楽しめるのが特徴である。
DAMPER ZZ-R
■全方位的なカスタムを可能にする総合メーカーという強み
■ジムニーシリーズの走りを高めるラインナップは多岐に渡る!
パワーアップ
ターボキットや電子デバイスで走りの質を大きく変える
純正タービンと交換するだけで約5psアップが望めるボルトオンターボシステムをリリース。純正ECUの制御範囲なので、パワーアップ量は数値の通りだが、これに加えて、パワコンやスロコンを追加することで、パワーアップ感を体感することができるようになる。
足回りを補強
ローダウン用とリフトアップ用で2種類のスタイルをカバー
モータースポーツやストリートで高い評価を受けている足回りもラインナップ。コイルスプリング、ショックアブソーバーは設計から品質管理までを自社で行なう。ダンパーキットとして、リフトアップ用とローダウン用を用意する。前者は、オンロードだけでなく、オフの走りにも対応している。
ボディ剛性アップ
サスペンションの性能をよりダイレクトに引きだす
サスペンションチューニングと密接な関係がある、ということで、もう一つ、ブリッツが力を注いでいるのがボディチューニングだ。具体的には、クルマのボディ剛性を高めるパーツとしてストラットタワーバーを開発。クルマにセットすることで、ボディの無駄なよじれを効果的に抑え込む。
■パワスロ併用でパワーアップ!15.1PS&14.7NmUP
JB64用ボルトオンターボシステムの魅力は、純正タービンと交換するだけという手軽さにある。インテークマニホールドやエキゾーストマニホールド、ECUを変更しないので、装着後のエンジンルームに大きな変化は見られない。交換で得られるパワーは約6ps。これに同社開発のパワスロを組み合わせるとターボシステムの恩恵をさらに得られるというので試してみた(ノーマルコンピュータのままでも実に15.1ps/14.7Nm/ブースト圧0.9kPaのパフォーマンスアップを
マーク)。確かにターボキットだけよりも軽快感が大きく変化していることを強く実感。特に走り出しから巡航速度域へ達するまでのパワー感は格別で、どんな速度域からでもアクセルを踏み込めば、ジムニーとは思えないほどの力強い加速と分厚いトルク感を楽しめる。パワスロ(機能を分けたパワコンやスロコンも販売)の効果は、タービンを交換しなくても得られるとのことなので、次回、試してみたい。
純正ECUを使い快適性や安全性を担保した上で、64psという自主規制を超えた約80psが得られる。このブリッツのパワーアップの提案は、ジムニーファンに朗報と言えるニュースだ。マストアイテムとしてカスタムメニューに加えたい。
ターボシステムを効果的に使うための制御系アイテム
■ミリ単位で走りやスタイルアップを楽しめる
ジムニーはコイルスプリングによる前後リジッド式だが、スプリングにブラケットをプラス。このブラケットに付随するスプリングの受けとなるロックナットを上下させることで、車高を換える仕組みだ。車高調整範囲はフロント±0〜+40㎜、リヤはマイナス5〜+35㎜で、今回のデモカーと同じ仕様のフロント+30、リヤ+25㎜アップが基準値だ。
組み合わせるショックアブソーバーは単筒・高圧ガス式で、減衰力は32段の調整が可能。これを見ると相当スポーティ、つまり、硬いイメージだが、BLITZによるとむしろ、乗り心地と操縦性の両立に努めたという。なるほど、高圧ガス式ショックだけに、乗り味は引き締まっているが自然な乗り心地で、リバウンド側の減衰値の立ち上がりが早いため、車高アップにもかかわらずハンドリングはシャキシャキ、気持ち良く走れる。このあたりのセッティングは、さすがのノウハウだ。
DAMPER ZZ-R LIFT-UP
きる。価格:147,000円(税別)
- BLITZ
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