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FJクルーザー

2022.09.13

【BFGoodrich】万人受けする新世代BFGoodrichを実装・実走テストして分かった快適性能「Trail-Terrain」

『BFGoodrich』の最新タイヤ『トレールテレーンT/A(以下、TT)』だが、コンセプトの〝オンロード〟に反した見た目にも驚かされた。今回テスト前にも装着したFJクルーザーを見たが、十分にオフローダー的だし、むしろ万人受けするスタイルだ。
 TTの最大の魅力は、やはりオンロードでの走行性能にある。そしてアグレッシブなパターンとサイドウォールデザインが、快適性とドレスアップを兼ねているところもポイント。加えて日本国内では15〜22インチまで全37サイズを用意。人気車純正サイズはもちろん、今回装着したようなカスタムサイズ『285/70R17』も設定し、幅広い車種に装着可能。アウトライン・レイズドホワイトレターというこれまでのBFグッドリッチにないサイドもまた魅力だ。
 さて早速オンロードのインプレッションへ。コンパウンドは同ブランドのA/T KO2と同じだそうだが、オンロード性能は、純正タイヤからの交換でも自然で快適そのもの。これはTTがBFグッドリッチでは唯一の乗用車規格のタイヤであり、オンロード性能を重視している設計によるところ。当然A/Tよりしなやかで、路面の段差を乗り越えた時の当たりは柔らかく、不快な突き上げ感も皆無。コーナリングでは以前乗ったA/Tの剛性の高さがむしろ好ましい面もあるが、サスペンションの減衰力を最適化するとその印象は一変。狙ったラインを綺麗にトレースでき、ワインディングのスポーツ走行を楽しめる。また制動性能も極めて高く、四輪がしっかり接地して止まるため、重量級車との組み合わせにありがちな制動力の甘さもない。この見た目にして、オンロード性能は純正タイヤとほぼ同等なのだ。
 なおTTの想定する状況はオンロードがメインで、週末はキャンプでラフロード走行もこなすということだが、それを考慮してダートも走行。細かな衝撃を拾う傾向はあるが接地感はまずまず良好。普通ではスタックする場面でも、TTなら気にせず走れてしまった。
 オンロード性能はもちろんスタイルも重視した〝TT〟。新ジャンルのBFGタイヤは、どちらかと言うとファミリーユースに最適なモデルなのかもしれない。

BFグッドリッチ Trail-Terrainの特徴

ショルダーデザイン

セレイテッド・ショルダー・デザイン

舗装路での高い走行性能に加え、砂利道などの非舗装路の走行を想定してセレイテッド・ショルダー・デザインを採用トレッド部で舗装路での快適性と安全性を確保しつつ、凹凸のあるショルダーデザインが路面に引っかかることで、非舗装路でのトラクション性能を発揮して、高いグリップ力も誇る。

アウトライン・レイズド・ホワイトレター

サイドウォールにはアメリカン・カスタムの象徴“BFGoodrich”ロゴやTrail-Terrainなどをアウトライン・レイズド・ホワイトレターで演出 (反対側はレイズド・ブラックレター)。※サイズにより、ブラックレターのみの設定有

カスタムデザイン

アドバンスド・ディフレクション・デザイン

ショルダー部分にあるV字型のアドバンスド・ディフレクション・デザインは、ブロックの凹凸部の張り出しの違いはあるが、M/TやA/Tにも採用されるBFGoodrichオフロードタイヤの証。オフロード仕様のドレスアップを実現する。

トレッドパータン&サイプ

フルデプス・3D ロッキングサイプ

優れたロングライフ性能と快適な乗り心地を実現するため、ブロックの倒れこみを抑制してブロック剛性を確保。舗装路における安定性と快適性に貢献するトレッドパターンを採用した。一方で偏摩耗も抑制し、ロングライフも実現。また、深く刻まれたサイプは、雨天時の路面の水幕を除去し、天候の変化にとらわれず摩耗末期まで安定したグリップを発揮。

優劣をつける訳ではないが、A/Tタイヤと比較すると溝は浅く感じられる。ただし接地感は良好で、ステアリングも素早く応答してくれる。それはM/Tタイヤの如きブロックが路面に食いつくような強力なトラクションではないが、ノーマルタイヤよりは遥かに高いグリップ感を実現している。日常的に本格的なオフロード走行を楽しむユーザーには向かないが、キャンプを楽しんだり、愛車の快適性とスタイルを重視する人には最適だ。
かなりしなやかで快適な乗り味を披露するトレールテレーンだが、純正タイヤ同様にコーナリングでは若干のアンダーステア傾向がみられる。だがサスペンション・チューニングをしている方なら、ショックの減衰力を少しハードに切り替えるだけで、ちょっとした腰砕け感は払拭されてよりスポーティに走れる! ラダーフレーム4WD車より、モノコックSUVとの相性の方が良いのは間違いないが、セッティング次第でかなり優秀なオンロードランが堪能できるだろう。もちろんパターンノイズも少ない。スタイルも大事だが、さらに同乗者の快適性にも配慮したい人にはオススメだ。
今回撮影した本誌デモカーの1台、FJクルーザーにはオールドマンエミュー製のサスペンションがセットされている。これによりTTの性能はさらにブラッシュアップされた印象だ。またFJやプラドなどでは、約2インチリフトアップすればノーマルの265/70R17から、今回装着したP285/70R17へとタイヤサイズのアップも可能。右ページのスタイルを見る限り、見た目のバランスも非常に良くなったことが分かる。
BFグッドリッチのラインナップの中で、唯一の乗用車規格タイヤ。オンロード性能を重視したその設計は快適な乗り心地に貢献し、純正タイヤから交換した時のオンロード性能に全く違和感はない。一方、本格的なオフロード走行では少々跳ねるような印象があったが、十分安心できるレベルにある。例えばダートを走る際は、攻めるようなスピードではなく、トコトコと流すような走り方が適しているだろう。
  • 日本ミシュランタイヤ
  • https://www.bfgoodrichtires.co.jp
  • 日本ミシュランタイヤお客様相談室
  • ☎0276-25-4411 ※受付時間(土日祝日を除く月~金)●10:00~12:00/13:00~17:00