ここ数年、乗用車のハイブリッド化や電気自動車の普及が目覚ましく進んでおり、それと比べるとSUVはやや出遅れ気味。ラングラーもアメリカ市場ではToruqueと呼ばれるマイルドハイブリッドを販売しているが、日本への導入は全く未知数。もちろんひと昔前と比べると、ガソリンエンジンも進化しており、車両の重さを考慮すれば、Jeepが驚くほど燃費が悪い訳でもない。だが、やっぱりランニングコストは低いに越したことはないと、誰もが思うだろう。そんな、比較的現実的な理由で、名古屋のディアーナオートがJLラングラーのルビコンアンリミテッドをベースに、LPG車に改造した。
実は代表浅野さんは、ディアーナオートの他に設備関係の建設業も経営中。その守備範囲は日本全国で、遠方に出かける機会も多いとか。年間300〜400万円掛かるガソリンの経費を少しでも削減したく、またLPG車のジャパンタクシーが市販化されているので、決して会社や個人がLPG車を所有するのは不可能ではないと思ったからだそうだ。
LPG車とは?
LPG車は、LPガスを燃料として走行する自動車です。現在日本における普及台数は約24万台で、そのうちの大部分がタクシーやトラックなどの業務用車両となっています。特にタクシーでは、全体のおよそ8割がLPG車となっています。特長としては、排気ガスがクリーン、航続距離が長い、リッター当たりの販売価格はガソリンより安く経済性にも優れている、などの長所があります。
日常の経済性だけでなくアウトドアでも活用可能
LPGのデメリットを先に挙げると、ガソリンエンジンと比べて出力が10%程ダウンするのと、10%ほど燃費が悪くなる。またタンクの75〜80%程度しかLPGを入れられない。また、定期的にタンクの圧力検査を行う必要がある。それに対してメリットは、燃料代がガソリンよりも遥かに安く、一般の人がLPGスタンドで充填しても70〜90円/L程度で、契約次第ではもっと安くなるとも。
もちろん走行中にガソリンに切り替えも可能。下道はガソリンで走り、力をあまり必要としない高速道路ではLPGと、使い分けることも朝飯前と言える。ちなみにLPGスタンドは全国に1500箇所以上あり、アプリで所在地や営業時間を確認可能なので、燃料切れになる不安もないだろう。
なお浅野さんは、このラングラーを災害救助用の車両としても活用できるよう申請済み。タンク内のLPGで非常用発電機を起動させることも可能。さながら移動電源車のように被災地の復旧活動を支援できる。もちろん、アウトドアでも使用可能で、さまざまな冒険のフィールドで、頼れる相棒になりそうだ。
ちなみに適合車種は型式番号が3BAのルビコンのみ。持ち込み改造は非対応で、車両を購入した場合に限りプラス100万円でLPG化が可能とのこと。初期投資はそれなりに掛かるが、ラングラーで日本全国を旅してみたいと思っている人なら、決して無駄な投資にはならないと断言しよう。
オンロードの快適性を重視したカスタムを実施
Jeepに乗っていても、オフロードを全く走らない人もいる。まさにディアーナオートの浅野さんもその1人で、あえてMTタイヤからブリヂストンのオンロード向けSUVタイヤ「アレンザ」に変更。ホイールはレイズのTE37XTで、バネ下重量の軽減を図る。
サイドステップはJAOSで、ルーフラックはライノーラックのベースキャリアを北米から取り寄せ、比較的シンプルにまとめたスタイルと言えるだろう。
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