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「MITSUBISHI」エクリプス クロスにPHEVモデルが追加!軽快感と安心感、快適感をも確保する

三菱の新世代SUV、エクリプス クロスがフェイスリフトどころか、リアセクションまでを大改良する変更を受け、また、プラグイン・ハイブリッドEVであるPHEVシステムを搭載したモデルを追加した。今回の改良については、2020年10月に公開して予約を開始し、すでに12月上旬で約2300台の受注があった。月販目標を1000台としていたから、その2倍以上の注文に、期待度の高さが伝わってくる。
エクリプスクロスの誕生は鮮烈だった。コンパクトサイズに位置づけられながら、三菱のデザインコンセプトであるダイナミックシールドを堂々とフェイスに描き、そしてクーペ的なフォルムを与え、さらには走りを存分に楽しめるSUVとして登場。国内では2018年にデビューを飾り、これまでのポジションにはないスペシャルモデルとして、2019年次RJCカーオブ ザ イヤーや日米のグッドデザイン賞を受賞するなど、高い評価を受けた。
改良におけるトピックは数多い。まずデザインはテーマに「Daring Grace(大胆にして、優雅)」を掲げ、SUVたるダイナミズムを高めたという。ちなみにM/C前モデルは、アスリートがクラウチングスタートから走り出す瞬間の躍動感をモチーフとしたのに対し、新型はアスリートがクラウチングスタートを切ってトップスピードに乗った瞬間の伸びやかさを表現したのだとか。実際、デザイン変更だけではなく、リアセクションの大改良もあって、全長は140㎜もストレッチされている。

ダイナミックシールドコンセプトをさらに進化させたデザインのフロントマスク、リアのシングルガラスによる造形変更を行なった新型エクリプスクロス。ちなみに、前後オーバーハングを140㎜もストレッチしたこともトピックで、このモデルがアドバンテージとしている〝クーペ的なフォルム〟にさらなる流麗さをプラス。エクステリアはPHEVモデルだけではなく、ガソリンモデルも同様の変更だ。
三菱のPHEVユニット搭載モデル第2弾となったエクリプス クロス。そのユニットはアウトランダーPHEVのものを流用したものではあるが、ボディサイズはもちろん、走りを含むキャラクターの違いを明確化するために専用チューニングを施して、エクリプス クロスらしいスポーティさを強く引き出しているのがポイント。なお、EV航続距離はアウトランダーPHEVと同等(WLTCモードにおいて57.3㎞)を実現!単にユニットを採用しただけではなく、ボディ構造用接着剤の使用領域を広げたり、ショックアブソーバーのサイズアップを施すなど、アウトランダーPHEVと同様にチューニングされたメニューも注目点なのである。
アウトランダーPHEVで搭載されたPHEVユニットは当初2.0ℓガソリンエンジンだったが、2018年の改良時に2.4ℓへと排気量をアップしている。PHEVにふさわしいパワーユニットとして、より効率に優れたアトキンソンサイクルを採用していることにも注目だ。
PHEVは、大容量バッテリーを活用したフィールドにおけるアクティビティやSUVゆえのユーティリティ性能にもアドバンテージのあるモデルだ。そのバッテリーからの電力最大出力は1500W。ラゲッジルームにバッテリーの電力を取り出せる、100V AC電源を設置しているため、もちろんそのままで自宅にいるのと同じ感覚のまま、ドライヤーから電子レンジ、コーヒーメーカーといった電化製品をフィールドで使うことができる。なお、V2H機器接続すれば、家で使う最大約10日分の電力量を供給することも可能。こうしたポテンシャルは、PHEVのアドバンテージだ。
スエード調と合成皮革によるコンビシート(ブラック)と、本革シートにライトグレーを新設定したが、インパネのデザインには変更はない。ダイレクトタッチ操作を採用したSDAは、画面サイズ(8インチ)、レイアウトを大幅に変更。
ゆったりとしたSUVらしいシートサイズはフロント、リアとも従来のまま。ただし、リアシートにおける乗り心地は劇的に改善された。

進化したS-AWC

意のままの操縦性と卓越した安定性をハイバランスさせるコンセプト「S-AWC」をエクリプスクロスPHEV流に仕立ててアレンジした車両運動統合制御システム。走行モードはガソリンモデルが「ノーマル」「スノー」「グラベル」のみなのに対して、PHEVでは、「ターマック(ドライ路面)」をそこに追加設定。ツインモーター4WDによって旋回制御を引き上げて、アクセル操作による機敏さを高めることで、エクリプスクロスならではのスポーティな走りを期待できるシステムとなっている。

●前後駆動力(トルク)配分システム・・・ツインモーター(4WD)
●左右駆動力(トルク)配分システム・・・ブレーキ制御AYC
●4輪制御ブレーキシステム・・・ABS&ASC(4輪ブレーキ制御)
●ドライブモード・・・NORMAL/ECO/SNOW/GRAVEL/TARMAC
ドライ路面では軽快感と回頭性の良さが際立っていた。一方、プロトタイプ試乗時の雨という難しい路面ですら素晴らしくコントロールしやすかったと再認識。高い操縦性とそれを大きく上回る安定性がある。S-AWCコンセプトは、やはりPHEVのツインモーター4WDシステムでこそ、理想を極められる印象。