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【YOKOHAMA】GEOLANDARブランドをけん引するエクストリーム系A/Tタイヤ&M/Tタイヤの実力をチェック

 本格オフロードタイヤからオールラウンダー、コンフォートにエコタイヤまで、あらゆる4WD・SUVユーザーを想定したラインナップを誇るヨコハマ『GEOLANDAR(ジオランダー)』シリーズ。中でもマッドテレーンとオールテレーンの中間的なキャラクターを持つ“エクストリーム・オールテレーン”として不動の地位を築いているのが『ジオランダーX‐AT』。多くの4WD・SUVユーザーに支持され、新たなサイズも次々と登場している。そんなX-ATにまた魅力的なサイズ【LT225/75R16】が誕生した。
 これはジムニーやシエラ乗りにはピンッとくるサイズ。シエラならライトなカスタムでも狙えるし、さらに軽ジムニーが履くことのできる最大級の大径ワイドタイヤ。もちろんヘビーな足回りカスタムは必要だが、武闘派ユーザー垂涎サイズだ。
 では実際、ジムニーとはどんなマッチングを見せるのか?〝オフロードサービス・タニグチ〟のJB64デモカーと組み合わせてみた。サスペンションは40㎜アップ仕様、ホイールは軽ジムニーの定番の16×5.5J+20をチョイス。同社の谷口武代表によると、このサイズを合法的に履くには、他に厚みの小さなバンパーや、9㎜ワイド程度のフェンダーモールが必要になるそうだ。
 まず印象的なのは、そのシルエット。大径ワイドなLT225/75R16はJB64の下半身を力強く演出し、マッチョにたくましくする。またこのサイズはアウトラインホワイトレターも採用しているが、その文字サイズも通常のものより大きい。荒々しいデザインのサイドウォールとも相まって、さらにアグレッシブなサイドビューを生み出す。“映え”を狙うユーザーは、ぜひ試したい。
 もちろん見た目だけでなく、走りのレベルアップもかなり期待できる。LT規格・純正よりふた回り以上大径サイズのため、スタート時こそバネ下の重さを少し感じるが、走り出せば気にならないし、中間域からの加速も悪化はしていない。当然舗装路でのグリップ感や静粛性の良さ、悪路での安心感あるトラクション性能は、まさにX-ATの実力だ。
 一方で“オフロード・スペシャリスト”に君臨するのが『ジオランダーX-MT』。ハードなロックセクションやマッドコンディションの走破を追求した上、サイズ設定も攻めているため、リフトアップ・カスタムされた本格4WDでないと、このパフォーマンスとスタイルは味わうことができない。
 その中でも比較的装着のハードルが低いのが〝35×12.50R17LT〟というサイズ。外径883㎜と、現行JeepラングラーJLなら、少しのリフトアップカスタムでも装着可能だ。
 まず街中を走らせてみたが、エアボリュームが大きいせいか、乗り心地自体は悪くない。ブレーキもハンドリングも想像したより違和感が少なく、タイヤノイズを含めたオンロード性能は、及第点ではある。今回の35インチサイズは、ラングラーを街中で軽快に走らせるギリギリの大きさだとも感じた。
 オフロードは砂・石(河原)・ガレ場・泥と様々なシーンで試したが、どこを走っても簡単にグリップを失うことはない。このX‐MTはブロック自体が複雑な形状をしているためか、360度どの方向にもエッジが効く感じがあり、タテ方向にもヨコ方向にも強いグリップを生みだしていた。

■GEOLANDAR X-AT

マッドテレーン(M/T)とオールテレーン(A/T)という両者の長所を併せ持つ新世代のオフロードタイヤ『ジオランダーX-AT』。コンパウンドはM/T系タイヤにも採用される程の高強度仕様で、優れた耐摩耗性や耐カット性を発揮する。また、4つの異なる形状のセンターブロック、2つの異なる形状のショルダーブロックによって強力なトラクション性能を得るとともに、アグレッシブなルックスも手に入れている。豊富過ぎるサイズ展開や今回取り上げたLT225/75R16などにホワイトレターを設定することも特長だ。
左右でデザインが異なる「デュアルサイドブロックデザイン」を採用しているのもX-ATの魅力。今回の片側ホワイトレター仕様は、セリアル側(大型ブロックタイプデザイン)に設定される。

大型ブロックタイプデザイン

ラグタイプデザイン

シエラなら20㎜アップ程度のカスタムで履けるLT225/75R16サイズだが、軽ジムニーには比較的ヘビーなカスタムが必要。サスペンションでのリフトアップは40㎜以上、バンパー交換やフェンダーモールも必要だ。その分、スタイリングはかなりワイルドになる。

ホワイトレターを拡充したエクストリームな〝万能型〟タイヤ

ラフロードでのトラクションや安心感はM/Tタイヤに匹敵するほど。硬い岩や石の路面もトレッドがしなやかにいなし、乗り心地もしっかりと確保。見た目で選ぶも良し、オフロードの実性能で選ぶも良し、だ。
アグレッシブなルックスから想像されるような硬い乗り味やタイヤノイズの賑やかさはほとんど感じさせず、通常のA/Tタイヤのようにフラットな乗り心地を披露する。LT225/75R16という大径サイズでも、走り出しに若干感じる以外では重さのようなものもほとんどない。
NEWサイズの「LT225/75R16」は、LT235/70R16や195R16Cに続いて登場したジオランダーX-AT〝第三のアウトラインホワイトレター〟仕様。75偏平でサイドのハイトが高いせいか、文字が大きくデザインされている。その分ワイルド感やアピール度も増し増しだ。

GEOLANDAR X-MT

溝面積が大きくとられた、ワイドなラググルーブ(横溝)を採用し、泥・砂・岩・ガレ場・ウェットなど、様々な悪路でのオフロード性能に配慮した『ジオランダーX-MT』。360度方向に強力なエッジ効果を発揮し、オフローダーの求める高いトラクション性能を実現。一方でブロックから溝底にかけては階段状に刻んで、セルフクリーニング性を向上させると共に、オンロード性能を確保する。トレッドからサイドウォールまで、タイヤ全体のデザインを、自然界に存在する岩をイメージした“ロックコンセプト”デザインとする。GEOLANDARブランドロゴにはベタ文字を採用。

GEOLANDAR〝最強〟の魅せる・走破れるM/T

ジオランダーX-MTで試したいのがヌタヌタのマッド。タイヤが半分埋まってしまう泥濘でも、泥や水をかき分け、トラクションを確保。広い溝の排土性が生きる場面では、ブロックが泥に突き刺さるのではなく、蹴散らして前進する印象だ。
オンロードの低速時はパタパタとトレッドブロックが路面を叩くような感触がステアリングに伝わってくるし、中速域以上になるとタイヤノイズが少々気にはなる。ただしエアボリュームが大きいため、乗り心地自体はそれほど悪くない。ブレーキやハンドリングにも違和感はさほどない。
ダート路に踏み込んだ瞬間から、強いトラクションが感じられる。タイヤがしっかり路面を捉えているから、どの方向にもグリップを容易に失わない。
X-MTが最も本領発揮できるのが、凸凹のあるモーグルのようなクロスカントリーシーンだ。例え車体が傾いても、さらにタイヤが地面に半分だけついているような状況でも、しっかりと路面を噛んでくれる。今回装着した35インチの外径と12.50インチのトレッド幅も、Jeepラングラーの姿勢を保つには良いバランスだった。