2023年、日本最大級のカスタムカーショー『東京オートサロン』で、とりわけ注目を集めたジムニーがあった。それがエヌズ・ステージが製作した〝フルオープンジムニー〟。そのコンセプトは同社が運営するキャンプ場内にあるオフロードコースや、イベント・JSTC（ジムニースーパートライアルチャンピオンシップ）などで、「自然やオフローディングの楽しさを全身で味わえるクルマ」として、体験走行をしてもらうためのクロウラー車両である。
ベースはジムニーJB64。このボディを大胆にカットし、その上で乗員の安全を確保するため特注のフルロールケージを装着。シートはレカロ製のフルバケットシートに加え、4点式シートベルトを前席に装備。後席はフロアをカットして低床化することで、より地面に近い乗車位置にしたこともこだわりのポイント。またルーフは、このクルマのためだけにFRPでワンオフで製作し、スタイリッシュなフォルムを生み出している。
このボディディメンションをよりスタイリッシュに飾るのは、WALD製ブラックバイソンのバンパースポイラーやボンネットスクープなどで、テールランプもLEDへ換装済みだ。さらにボディリフトに加えて、サスペンションはジャオス製リフトアップコイルとリザーバータンク付きのオーリンズショックに交換（アームもHB1st製強化アームにチェンジ）。リフトアップの高さにWALD製オーバーフェンダーで幅を拡大。最後に足もとには、トーヨータイヤのオープンカントリーM/TとWORKの新作ホイール、ガルバトレ2をチョイス。足もともバッチリとオフローダー仕様なのだ。
カットしたボディを引き立てるべく装着されたボディパーツ。特にWALDからリリースされているブラックバイソンの前後バンパースポイラーやボンネットスクープ、フロントルーフスポイラー、そしてオーバーフェンダーは迫力を増すと同時に高級感を高めるアイテムだ。またLEDテールもクリスタルアイ製に交換し、リアビューの印象を主張している。
全体の印象をまとめているのは塗装。ラプターライナーをボディだけでなくインパネにも施工することで「外から魅せる内装」に成功。ちなみに塗装時内装は全て外したという。
オープンの4WDでオフロードを走るのは迫力満点であり爽快感も楽しめる。その楽しみを同乗体験で味わってもらうために窓は全てない。またドアもパイプ仕様なので地面を近く感じられる。
JIMNY660 CRAWLER
ディカットはフューエルリッド上のプレスラインを目安として行なった。それによって、乗員を保護するのは凝ったデザインのフルロールケージ（特注製）。見せかけだけでなく、実際にオフロード走行を想定しているため、強度面もしっかりと考慮している。
ルーフはなんとFRPで製作した特注品。しかも自社製作というから驚かされる。またリアウイングは、WALDブラックバイソン仕様を加工したオリジナルデザインだ。
ジャオス製BATTLEZリフトアップコイルで40㎜アップ。チタンが配合されたこのコイルは腰がありしなやかさもある。ショックはOHLINS 製のs46アドベンチャー。リザーバータンク付きなので、激しいオフロード走行が長く続いても熱ダレを抑制できる。減衰力も伸び側、縮み側ともに調整できるので好みのフィーリングを作りだせる。アームはHB1st製の強化アームに換装。これは車高に合ったキャスター角や軽くて強いという特長を備える。
足元を飾るのは東京オートサロンでWORKが発表した新作ホイール『CRAG・ガルバトレ2』。鋳造3ピース製となり、スポークとリム、そしてピアスボルトの色を組み合わせることができ、インセットも自分のクルマに合わせたオーダーが可能なホイールだ。タイヤはオープンカントリーのM/T。サイズはワイドボディに合わせた245/75R16をチョイス。
エンジンの熱気を積極的に排出するのがファッドスター製のカウリングサイドパネル タイプR。ジムニー開発者が「ここにダクトを設けたかった…」と語っていたという箇所に、スタイリッシュにエアアウトレットをボルトオン装着。サイドビューを演出するのはWALDのサイドマフラー。本来はJB74のAT車用だが、このクルマでは特注品が装着されている。
カッコよく遊べて走れるオーリンズショックの実力
多くのモータースポーツにおいて、最高峰のショックメーカーのひとつとして知られるOHLINS（オーリンズ）だが、そのメーカーがジムニー用につくったのがこのs46アドベンチャー。日本でも選ばれたショップした扱うことのできないアイテムだとか。そのスペックは単筒式で前後ともにリザーバータンク付き、減衰力の調整は伸側が45段階、縮側25段階。専用ステー付きでボルトオン装着が可能だ。
シートは4座ともにレカロ RCSを装着。4点シートベルトも備えて、オフロード走行で乗員の身体をしっかりとサポートする。さらにインパネにも注目！ボディと同じくザラザラした独特の質感のラプターライナーで塗装されることで、不思議とシックな印象に。さらにレアル製ステアリグに換装したほか、エアコンダイヤルはアルミビレッドのパーツを装着してドレスアップ。細部にいたるまでスタイリッシュなカスタムが施されているのだ。
- エヌズステージ/ジムニーワールド
- ☎019-632-6222
- http://ns-stage.jp
- ジムニーワールド宇都宮
- ☎028-663-6688
