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【カースタイル】ビギナーには「安心」を、エキスパートには「納得」を

カースタイル(岡田 司代表)は、京都を本拠地に置くパーツメーカーである。カースタイルのエアロパーツはボディラインに合わせ、プレスラインを生かしたデザインが特徴。「流行に乗ることなく、どのラインを描いたら、そのクルマに合うかを考えている」と岡田さん。ダクトの形状や開口部の広さなどで、アグレッシブなテイストを加味しているが、基本的にはエアロパーツ装着後のクルマ全体でのバランス、まとまり感を大切にしている。
 その昔、中古車販売を生業としていたカースタイル。目利きの岡田さんが厳選した、状態の良い中古車を、幅広く取り扱っていた。ある時、友人からカスタマイズの依頼が入る。その時多くの人が、中古車をカスタマイズの素材として考えていることに気が付く。パーツ開発はここから始まった。車の仕事に携わる前、岡田さんは、趣味としてバイクやセダンのカスタマイズを楽しんでいた。手がける車両は、その魅力で話題となり、京都近郊の、とくにカスタマイズ好きな人達の間では、憧れの存在と目されていた。生来のセンスの良さというのか、美しさを見極めることのできる眼を持っていた、ということなのだろう。それに加え、センスに富んだアイディアを見事に具現化できる手も、持ち合わせていたということでもある。これがパーツ開発に生かされることになったのである。
 こうすればカッコいい、こうしたらもっと面白い、と思えるスタイルを作り出すのには、岡田さんの感覚が生かされている。さらにその感覚を研ぎ澄ますために、これはと思うモノと遭遇する時には必ず、それぞれの長所を全てインプット。その対象はクルマに限らない。その蓄積に自身のフィルターをかけて、カースタイルのスパイスが効いたパーツを完成させてきた。
 まずジムニーのエアロパーツを手掛け、予想以上の高評価を得た。次に手掛けたDAZER PURIUSは、米国のカスタマイズショーで注目を集め、また、国内で開催された日本最大のカスタムカーショーでは金賞の栄誉に輝いた。現行型のジムニー登場後は、激的なパワーアップを果たしたJB74が国内外で大きな話題を呼んだ。現在は、ジムニーを含め、ランドクルーザー、FJクルーザー、軽トラなどもカスタム対象となっている。
 さて、カースタイルのパーツやカスタム車両を見た人は、気付いているだろうか。デモカーこそ突き詰めたカスタマイズを施しているものの、実際販売されているのは、ノーマルのスタイルやフィーリングをより良く生かし、またオーナーがさらにアレンジできる、よい意味でプレーンな商品ばかり。それは、最終的にオーナー個人の趣味が十分に反映されることを願っているから。アレンジする時の素材として、オプションパーツも豊富に揃えてある。何かと目立つ存在で、押しの強さをイメージするが、そこには細やかな配慮がある。
 岡田さんがパーツ開発において志すことがある。カスタムは必ず法規に適合させる。岡田さんにとって、安心して乗ることができなければ、それは未完成でしかないのである。

岡田イズムをカスタマイズに取り入れる。

これまで開発してきたカスタマイズのほんの一部を公開! 現実離れした仕様もあるが、カスタムの参考にはなる!先代ジムニーシリーズオーナーも、現行型オーナーも、定石を一旦頭から外して、カースタイルイズムに酔いしれてみて!

カスタムの定石を塗り替えた唯一無二のエアロスタイル。すべてはここから始まった!

常識にとらわれないエポックメイキングなスタイルを想像してきたカースタイルが、JB23を唯一無二の存在へと昇華させたがのこれ。LEDは、〝エクステリアの灯火類に使うことで自車の存在感を主張できる〟として注目のパーツだが、カースタイルではそれをフロントバンパー「CS LEDスポットフロントバンパー」にビルトイン。バンパーの中央と左右に3発づつ(合計12発 ※サイド6発は付属/中央左右LED6発スポットはオプション)LEDが埋め込まれている。エアロは、初開発のスタイルを原型とする。
「CS LEDスポットフロントバンパー」。両サイドにLEDスポットライトを取り入れたデザインを採用。センターダクトには前置きインタークーラーなどを置くことも可能だ。なお、センターのライトはオプションとなる。
車高は上げずに〝アゲスタイルを楽しむ!〟カースタイルからゼロスタイルの提唱
ジムニー&ジムニー シエラの定番カスタマイズと言えば、リフトアップ+大径タイヤの装着が定石。この実情に一石を投じたのが、ゼロスタイルと名付けられたカスタマイズ手法である。これは〝何も車高を上げずともオフローダースタイルは楽しめる〟を提唱するために考え出されたもの。ポイントはフロントバンパーのデザインワーク。考え出されたフロントバンパーは、下側の厚みを抑え、サイドを切り上げたコンパクトなデザイン。これに変えることでタイヤのサイズアップが可能となる。

フェンダーマジックにハマる

カースタイルからリリースされるボディパーツは、そのどれもが匠の技を感じさせるモノばかり。装着率の高いフェンダーは、車両の印象を大きく変化させるにも関わらず、ルールはしっかり守られている。特に軽というサイズ枠の中で、これだけの立体造形美を表現できるのは、カースタイルをおいて他はない。
前後のフェンダーに装着する9㎜フェンダー。わずか9㎜の厚さの中にジムニーのボディラインを生かした造形美を表現しているところに、ボディワークの匠らしさを感じられる。
ジムニーJB74 90㎜ワイドブリスターフェンダー。純正の樹脂部分を外して取り付けるもので、大きく出ているように見せるが、車検対応の規定内に収まる様に作られた優れモノなのである。

アイデア次第で何でもあり!オフロードランナースタイル

ピアスボルトとメッシュが印象的なフロントグリルに、存在感が際立つオリジナルボンネットに変更。
サイドにLEDをダブルで組み込む2LEDゼロフロントバンパーとスキッドガード。ノーマルのボルト穴などを利用して装着する。
人気のリアゲートカバー+Jimny切文字ステッカー。リアビューをスタイリッシュにしてくれる。
 
マフラーはTRUSTのXROSSエキゾースト G-STYLE。ヒートグラデーションを採用した50φ×2のエンド部分や、GReddyロゴプレートが目を惹く。

日米のカスタム技術を総動員して完成させたハイパフォーマンス シエラ!

ジムニー シエラが採用するK15B型エンジンは、実用域回転域の十分なトルク、高回転域でのパワーなどがしっかり確保されているので、走らせて楽しいユニットとして定評がある。しかし、大きなパワー&トルクだけでなく、アクセルを踏んだ際のレスポンスの良さも必要となる走りを実現するにはまったくもって役不足であった。そこで、エンジンチューニングの軸に添えたのがターボチャージャーの導入であった。選択したタービンは、シルビアやスカイラインのエンジンチューニングにも使われるトラストのT517Z。この性能を引き出すために、新たにサージタンクが設けられ、エンジン内部にも手が加えられた。また、補記類も最高峰のブランドで固められた。新設されたこれらパーツは、K15B型を引き立てるように美しく配置され、美麗な〝魅せる〟エンジンルームに仕上げられた。
フロントからリアセクションまでを覆うロールケージ。ボディ剛性のアップも実現しているこれは、サイトウロールケージ製である。
エンジンルームの左前に位置するビッグタービンが発する熱は、後方に排気機能が加えられたカーボンボンネットで排出する。
リアバンパーのセンター排気としたカースタイルのトラスト製マフラー。
フロントは大径×スリットローターという強化ブレーキが与えられている。
GPP(GReddy Performance Products, Inc.)と共同で開発したターボエンジン。ピストンやコンロッドなども強化され、300馬力を目指している。タービンはGReddyのターボチャージャーT517Zで、インタークーラーや冷却系の強化も実施済み。エンジン制御はモーテックのフルコンで行なっている。※ミドルパワーとフルパワーの2種類のターボキットをリリース。
無限に広がっていくカースタイル 岡田ワールド。ゼロスタイルと名付けられた画期的なカスタマイズは、少しづつジムニーファンに浸透しつつある。リフトにホンダ CR-Xが上がっているが、これも岡田マジックをかけるために手に入れたものである。さて、どんなCR-Xへと変貌するのか、楽しみである。