■All-Terrain T/A KO3
これまで何度もBFグッドリッチのオールテレインタイヤには乗ってきた。特にKO3が登場してからはドライ路面だけでなくウェットでもテストドライブを繰り返している。その都度乗り心地の良さとグリップ性能の高さに感心させられてきたのは言わずもがな、高い静粛性にも驚かされてきた。KO3は見た目のゴツさから想像できないほど、あらゆる評価軸で高いポイントを稼いでいる。
そんな折、なんと雪道を走らせることとなった。しかも雪深い北海道・旭川の圧雪路。本場である。仕事柄雪道のテストドライブは多い方だが、そのほとんどがスタッドレスタイヤ。最近はオールシーズンタイヤがトレンドなので、今冬はそれも試したが、メインはスタッドレスだ。なんたって、雪道を専門として開発されたのだから当然だ。
が、今回はジャンル分けすればオフロードタイヤ。乗りなれたKO3とはいえ、その実力は未知数。ある程度想像はつくが、それがどう働くかは見ものだ。
ただしKO3は、3PMSFマークを得ていることは事前に知っていた。それにサイドウォールには“M+S TRACTION”の文字とマークが描かれている。つまり、雪道を走れるよう設計されているのだ。
それを踏まえてリアルに圧雪路を走るが、かなりトラクションがいいのが分かった。大きなブロックが雪を掴んでグリップさせ、クルマを前へ押し出す動きをしてくれる。特に頼もしいのは登坂路の上りで、フロントタイヤがしっかり路面を駆ってくれる。グリップが安定しているのでドライバーが不安になることはない。この登坂力は驚きである。
下り坂ももちろん心配はいらない。正直走る前はズルッといきそうな想像をしていたが、それは思い過ごしに終わった。ブレーキの加減であえてそういったシーンをつくることはできるが、通常の速度域で滑ることはない。ステアリング操作にタイヤはしっかり反応して対応する。やはり、このブロックパターンは雪道も考慮された精緻な設計がなされているということだろう。KO3はマッドでの泥の排出能力を上げているが、もしかしたらそれが雪にも適応しているのかもしれない。
ただ、これは雪が表面に残っている雪面で氷面ではない。圧雪路が夜に凍結してツルツルになった状態でどこまでグリップを効かせてくれるかはまた別の話。オールシーズンタイヤもそうだし、KO3にも大きく期待してはいけないかもしれないが、不意の降雪といった緊急時に役立つのは間違いない。
…というのがKO3の雪上でのショートインプレッションだ。雪道でも想像以上に走ることが分かって、このタイヤのまだ底がしれないパフォーマンスを再発見できた。

KO3はKO2の後継として開発されたタイヤで、BFGのオールテレインとしては第5世代となる。オフロード性能のアップを図られているとともにサイズバリエーションが豊富に揃っているのも特徴。また静粛性が高いため、オンロードタイヤとして十二分に使える。

雪道で定められたレギュレーションテストに合格すると得られるのがこの3PMSF。「3PM」はスリーピークマウンテンで、三つの峰の山を指す。「SF」はスノーフリーク。つまり氷の結晶で、それを描いたものがシンボルマークとなる。

九島辰也氏とBFGオールテレーンKO3を装着した試乗車のデリカD:5中期型。
BFGオールテレーンKO3の試乗記を執筆した九島辰也氏。車と旅、男の遊びを知り尽くしたジャーナリスト。自動車誌編集長として培った目と感性で、日本カーオブザイヤー選考委員やボートオブザイヤー選考委員(元)も務める。単なる自動車評論家ではなく、体験者であり、冒険者であり、遊びを全力で楽しむ男なのである。

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