JeepグラディエーターRUBICON。そのままでも充分な存在感を放つこのモデルを、さらりと、しかし確実にアップデートさせたのが京都の名門ショップ「トップランカー」だ。コンセプトはアメリカのデザートエリアを全開で走り抜けるプレランナー。とはいえ、それは一見、カスタム一辺倒にみえて、実は実用性をも徹底追求した。そんな西海岸のリアルを体現するものだ。
プレランナーとは、バハ1000やデザートレースの本戦前にコースの下見(=プレラン)を行なうための車両。ロングトラベルなサスペンションやハイスピードなオフロード走行に耐え得る足回りを装備し、ストリートも快適に走れる絶妙な立ち位置が人気を集めているジャンルである。
■NITTO Ridge Grappler

アグレッシブな見た目でもバランスを崩さない、その潔さが「NITTO Ridge Grappler(リッジ・グラップラー)」の真骨頂だ。もともとはマッド系から端を発しながら、いまやUSでのSUVカスタムにおける定番として君臨するこのタイヤは、旧来のオフロード・タイヤとは一線を画している。NITTO自身が「ハイブリッドテレーン」と銘打つ通り、同モデルにはA/T(オールテレーン)の快適性と、M/T(マッドテレーン)の力強いデザインが高度に融合されている。静粛性を高めるための「変則ピッチトレッド」設計や、縦横に設定されたジグザグのラテラルZ溝、さらに路面との摩擦を逃さないステップブロックエッジなど、細部に至るまでオン/オフのハイブリッド性能を徹底追求。さらに、トレッドの溝にはストーン・イジェクターを配置し、石の噛みこみや傷つきを未然に防ぐツインサイドウォールデザインを採用し、タイヤの左右で異なる表情を楽しめる遊び心も健在だ。


今後、本格化するであろう「JEEPの20インチ化」にもいち早く対応し、まさに次世代の「標準」としての立場を確立しつつあるリッジ・グラップラー。対応サイズは16〜24インチと広範囲。特に日本市場においても、オフロードだけでなくストリートユースにも適したバランス感が評価されており、Jeepオーナーにとっての有力な選択肢となるだろう。
その足もとを支えるのが、日本生まれ・アメリカ育ちのオフロードタイヤブランド「NITTO」。なかでもリッジグラップラーは、現ジープカルチャーの中心であるラングラー用として引き合いが高い王道モデル。オールテレーンとマッドテレーン、それぞれの長所を融合するという発想で開発されたこのタイヤは、まさに日常と非日常を自在に行き来できるJeep乗りにうってつけ。鋭角的で剛性に富んだブロックパターンは、見た目の迫力だけでなくオンロードでの静粛性と直進安定性も確保。サイドウォールにはデュアルサイドウォールデザインが施され、表裏で異なる意匠を楽しめるという遊び心も盛り込まれているのが特徴だ。
合わせるホイールは、「トップランカー」とホイールディストリビューター「覇王」の共同開発によって生まれたハイフォージド・トップランカー。サイズは昨今のムーブメント「ジープの20インチ化」を見据えたと思わしい、まさにリッジグラップラーの38インチに対して理想的な組み合わせとなっている。
フロント・リアバンパーはともに「トップランカー」のオリジナルメイド。クウェークLEDやKC ハイライトのLEDキット、チョップド加工されたハイフェンダーなど、各所に散りばめられたパーツ群などは、決して過剰には振らず、機能美だけを追求した結果。この引き算の美学こそが、トップランカー流、ジープスタイルの神髄なのである。


プレランナースタイルゆえ、リアのトラクションを稼ぐ目的としてスペヤタイヤをワンオフのケージを製作してベッド上にレイアウト。中央に見えるのは砂漠やオフロードでも機能するPro Eagle製のロードジャッキ。




純正RUBICON用のハイフェンダーをベースにチョップド加工を施すことで、38インチのRidge Grapplerを無理なく収めるクリアランスを実現。前後のインナーフェンダーにはMotobilt製アルミユニットを組み合わせ、タイトなフィッティングと軽量性を両立させている。


フロントは、レース由来の信頼性を誇るKING Shocksの2.5インチ径リザーバー付きショックを中心に据え、2.5〜5インチのリフト幅に対応する本格仕様。さらに2.0インチ径のステアリングスタビライザーやバンプストップを組み合わせることで、過酷な走行条件下でも安定した操縦性を確保。2.5インチコイルスプリングとのバランスも絶妙で、ハイスピードレンジでもしなやかさを失わない仕立てとなっている。加えて、RPM製2.5トン対応アルミ製ドラッグリンクやステアリングキット、タイロッドといった強化パーツを採用し、リフトアップ後に生じがちなステアリング系の不安要素を徹底的に排除。走破性と快適性を両立させたプレランナースタイルに欠かせない「走りの根幹」を支える構成だ。


リアにもフロント同様にKING製2.5インチ径リザーバー付きショックを投入し、2.5〜5インチリフトに対応する余裕のスペックを確保。組み合わせる1.5インチコイルスプリングは、リフト後の適正な車高と安定性を両立させ、オンからオフまで幅広い走行シーンでしなやかなストロークを確保する。デフカバーにはMotobilt製スーパーデューティDana 60用を採用し、岩場やデザートランで直撃しやすい要所を強固にガード。


グリルは2024年モデルへとコンバート。トップランカーオリジナルのF/Rバンパーは、余計な装飾を排した機能美が特徴。インナーフェンダーを固めるMotobilt製アルミインナーフェンダーは、大径タイヤに対応しつつタイトなフィッティングを実現。さらにSuper Duty Dana 60用ディフカバーが前後のハウジングを強固にガード。

足もとはトップランカーと覇王が共同開発したオリジナル鍛造ホイール「High Forged /Top Rankaz」。20×10インチのサイズは、今後のJeepシーンで主流となる大径トレンドを先取りした結果。そこに組み合わされるのは、日本発・世界基準のオフロードタイヤ「NITTO Ridge Grappler」の38×13.50R20。ATの快適性とMTの走破性を融合させたハイブリッド構造は、ストリートからトレイルまで幅広いステージで真価を発揮する。
- 株)トーヨータイヤジャパン NITTO販売部
- 03-5780-8184
- http://www.nittotire.co.jp/
- Special Thanks:Top Rankaz
- 京都府八幡市八幡吉野垣内12-1
- 075-983-9161
- http://www.toprankaz.com/