TOP > 記事 > 【CANUS】見た目はシンプルにまとめているが様々なメニューを施し性能をアップ

【CANUS】見た目はシンプルにまとめているが様々なメニューを施し性能をアップ

ジムニーに限った話ではないが、ここ数年の4WDのカスタムはオーバーランドスタイルというか、オフロード性能を重視したタイヤやルーフキャリアを装着するクルマが圧倒的に増加している。確かにワイルドさを強調した姿は、これぞ4WD!と思えるだろう。だが、目的も定めずひたすらにパーツを追加するだけでは、クルマとしてのバランスがおかしくなる。そこで重要となるのはコンセプトだ。
長年に渡りラリーに関わり続けてきたキャナスの三角氏は、カスタムしてもキチンと走れるクルマを目指している。オフロードで車高を上げるのは物理的にフロアがヒットしないメリットがあり、ドライバーとしても安心感を感じる。またMTタイヤに変更するとバネ下重量が増加し加速感が鈍くなるが、これを改善するために様々なチューニングも施す。具体的にはマフラー交換やスロットルコントローラーの追加だが、中でもユニークなのが16Vに電圧を昇圧していること。イグニッションコイルやプラグの強化が必要になるが、パワーアップを実現しながらも燃費も向上できる一石二鳥な手法だ。
エクステリアにはステンレス製のキャリアや、保安基準に適合したウインチバンパーを装着している。さらにヒッチメンバーも追加しており、これらはデコレーションでなく実際に使うための装備と言える。ここまでの機能を追加しておきながら、すっきりとしたスタイルを実現しているのは、本当に必要なものが何か? 世界の道を走ってきた三角氏だからできる、取捨選択がなされているからだ。

●タイヤ:TOYO TIRES OPENCOUNTRY M/T
LT225/75R16
●ホイール:BRUT BR-44 Sierra
16×6.5J インセット0
●リフトアップ量:40㎜

 

フロントバンパーは、WARNのAXON55が内蔵できるトレイルの製品に変更。強靭なスチール製で、オフロードでヒットしてもダメージは皆無だ。フォグランプはホワイト/イエローの切り替えが可能なIPFのバルブに変更。あらゆる天候に対応できるのが、キャナスの考え方だ。

エンジンルームとリアゲートの開口部には、ボディ剛性を高めるタワーバーを追加。ボディがしっかりしないと、いくら良いサスペンションを装着しても活かしきれない。

オリジナルフロントディスクパッドと、オリジナルローターは1インチ大径化を実施。パッドサイズが同じでも作用点が外側になることで制動性能が向上。またブレーキホースもステンレスに変更。

40㎜のリフトアップに伴い、タイヤを225/70R16に変更。シエラ専用のBR-44は6.5Jとやや太め。その分、タイヤのたわみが減り、安定感も増す。

JAOSのチタンテールマフラーを装着。心地良い音色とスポーティな姿が、走りに対するこだわりを感じさせる。

ステンレス製のルーフキャリアはキャナスのオリジナル。サイズの変更も可能なので、自分に最適な大きさをオーダーできる。フューエルリッドカバーはアピオ、スコップホルダーは栄光社と、様々なブランドの中からより良いものを選び出す。

クルマに流れる電圧は基本的に12Vだが、これを16Vに昇圧。イグニッションコイル、スパークプラグなどの交換が必要だが、クルマのポテンシャルが確実にアップ。アクセルを無駄に踏み込まなくてもクルマが進んでくれるので、結果的に燃費の向上も期待できる。ブーストアップができないシエラには有効な手段だ。

電子スロットルはどうしてもアクセルに対して反応が鈍くなる。それを改善するスロットルコントローラーを装着。インパネの空いたスペースにON/OFFスイッチを内蔵し、スマートなメーター回りを実現する。様々な機器を取り付ける人が多いかもしれないが、配線が綺麗にまとまっていないのはトラブルの要因となる。

ドリンクホルダーや小物の整理に役立つコンパクトなトレイもキャナスの製品。整理整頓はセーフティドライブに直結するので心掛けたい。

足回りの要となるショックでクルマの性格は大きく変わる!

今回紹介するデモカーは、キャナスのオリジナルスプリングに交換し40㎜リフトアップを実施。ショックはリザーバータンクを備えるオーリンズで、あらゆる路面でしなやかな動きを実現している。ジムニー用のショックではあまり見られないが、キャナスでは車高調式のショックもラインナップ中。ノーマルから上下40㎜まで車高の変更が可能で、快適性と安定感を見事に両立している。ユーザーがジムニーでどのような場所を走り、どう楽しみたいか。それに最適な仕様をキャナスは提案してくれる。

キャナスでは、昨年ラリーモンゴルに参戦した車両製作も実施。自らがハンドルを握るだけでなくメンテナンスする側の気持ちも分かるので、とにかく壊れないことを最優先に製作。IPFのランプステーにランプが4灯搭載できるように加工。ロールバーの追加や、FRPボンネット、ホーシングの強化などノウハウが満載だ。

  • CANUS
  • 埼玉県白岡市西4-12-5
  • 0480-92-5519
  • 営業時間:9:00〜19:00
  • 定休日:第1月曜日・日曜・祝日
  • http://www.canus.jp/