ジャパンモビリティショー2023において、三菱自動車は日本仕様・プロトタイプの新型『トライトン』を日本初公開した。
この1tピックアップトラックの新型トライトンは7月にタイで世界初公開されたモデル。日本市場には約12年ぶりの投入することが明らかになっており、2024年初頭に販売予定。その価格も明らかとなり、予定価格帯は498万円~540万円とアナウンスされた。
ジャパンモビリティーショー2023で実車が日本初披露されたトライトンだが、実はレッツゴー4WDフェスにも登場していた。しかもドドンと4台!4WD登坂キットでのトライトン初のデモンストレーション走行のほか、新型トライトンの生みの親である企画責任者と開発責任者が熱く語る「新型トライトン・スペシャルトークショー」も開催されるなど、本誌的にはトライトンのポテンシャルにワクワクする状態である。
まずはトライトンについて簡単におさらいしておこう。かつて日本で販売されていたストラーダの(もう少し細かに語ると78年に誕生したL200)の末裔となるモデルであり、スタイリングはベッドとキャビンとを組み合わせた“ピックアップトラック”スタイルだ。その生産はタイでずっと続けられており、初代トライトンはV6ガソリン+4ATという組み合わせで“限定車”というカタチで逆輸入されていたことも。
かつてストラーダの好敵手だったトヨタ・ハイラックスが2017年にタイから逆輸入を開始すると、大き過ぎるボディという弱点はあるもののディーゼルユニットの搭載も功を奏して、スマッシュヒット。そして、後を追うように三菱も、再びトライトンを国内導入する。
2024年に国内に投入される日本仕様の新型トライトンの価格は498万円からを予定
■世界を駆ける三菱の本格派モデル
実は日本導入の正式発表前に本誌を含む限られたメディアは、北海道にある『三菱自動車十勝研究所』内の十勝アドベンチャートレイルにて、オフロードのテストドライブを行なっていた。
新型トライトンでまずオフロードコースにインするまでの数mので、そのすべてが乗用車的になっていることに気づいた。タイヤの接地感が豊かで、その転がりも実になめらか。アクセルペダルに足を乗せただけですっと発進する。ステアリングを操作すればそこにはダイレクト感がありつつ、軽快さもある。
そう、ピックアップトラックに残されているはずの「曖昧さ」が見当たらないのだ。例えばステアリングギア比はクイックだが、かといって違和感を覚えるほどではない。まさに意のままの感覚がそこにはあり、乗用車的なのだ。ボディサイズは決して小さくなく、ロングホイールベースも相まって、独特の乗り味があるはずなのに、それを感じさせない。
その上乗り心地にも不満は見当たらず、上下動の激しいオフロードでも、突き上げを感じさせる手前にとどめていたから驚きだ。もちろん、大きな入力に対しては、乗用車の乗り心地とは異なる面もあるが、そこに不快と表現する乗り味は見当たらなかった。トルクフルだが、扱いやすさも備えていたエンジンフィールも強く印象に残った。
これはフルモデルチェンジによって新時代のピックアップトラックスタイルを手に入れていることにほかならない。新型にスイッチした際にラダーフレームも一新しており、それによってハンドリングから乗り心地、そして快適性に至るまで、すべてをブラッシュアップしていたのだ。
ある程度ヘビーなオフロードコースにもかかわらず、ボディや下回りへのヒットを気にすることもなく、4WDシステムはフルタイムモード、ドライブモードはノーマルのままで走り切ってしまった。ちなみに新型トライトンには、7つのドライブモードが設定されている。これをグラベルに切り替えると、タイトコーナーでグイグイとインへと誘うかのように制御も変わる。一方でロックやサンドでにすると、タイヤがグリップを失った際に確実にクルマを前進させる。つまり4WDシステムによる確実性に加え、操る愉しさと安心感がハイバランスされている。
オンロードのテストドライブもできていないため、まだまだ新型トライトンの真のポテンシャルをしっかりと味わったわけではないが、そのパフォーマンスは相当に高いことは随所に感じられた。
- 三菱自動車
- トライトンスペシャルサイト
- https://www.mitsubishi-motors.com/jp/products/triton/