5月で40周年を迎えた『OPEN COUNTRY(オープンカントリー)』だが、そのアニバーサリーイヤーの最初にして最大のトピックが、ダカールラリー2023に挑戦した「チームランドクルーザー・トヨタオートボデー」のランクル300に向けて新開発されたタイヤ『M/T-R(エムティーアール)』を投入・供給していたこと。
この『M/T-R』は2022年まで販売されていた市販品をベースに、LC300ダカールラリー仕様車に合わせたチューニングを施し、悪路走破性・耐久性を向上。さらに環境に優しいサステナブル素材を採用していることが注目点だが、この開発に携わった三浦選手からはかなりディープな話がうかがえた。さらに、ここからは三浦選手のプライベートに関してもお話を聞かせてもらった
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―― 三浦選手が現在乗っている愛車はなんでしょうか?
三: 今、ボクが乗っている愛車はピックアップトラックで、2018年式のUSトヨタ・タコマTRD PROです。このクルマを選んだ理由は、2022年にアメリカで開催されたミント400に参戦した時に、現地を走っているタコマとタンドラがもの凄くカッコ良く見えたことですね。ただ日本国内で乗るにはタンドラは大き過ぎるか…と感じたので、タコマをチョイスしました。
―― カスタムもされていますよね? どんなところがポイントでしょうか。
三: まだまだカスタムビギナーですが、フェンダーやサイドステップのLINE-X塗装はお気に入りです。あとはTRD PRO純正のFOXショックは生かしつつもフロント2インチ、リアで1.5インチほどリフトアップしています。そこにオープンカントリーM/TのLT265/75R16タイヤと、ホイールはクリムソンのMG・モンスターをマッチングしています。
―― オープンカントリーにはさまざまなバリエーションがありますが、M/T以外の選択肢は考えなかったのでしょうか?
三: 最初から〝M/T一択〟でした。その理由は、オフロード競技に特化したM/T-Rとは異なり、オープンカントリーM/Tは優れたマッド性能を誇りながらも静粛性や乗り心地・ウエット性能にも配慮されているマッドテレーンタイヤであるからなんです。実は日常使いなどの一般的な乗用シーンでストレスがほぼないオールラウンダーで、満足感の強いタイヤであることが特長なんです。
特に静粛性に関しては、ボクが経験したM/Tタイヤの中でも、このオープンカントリーM/Tは非常に優秀だと感じます。
―― 総合性能のあるタイヤだと。
三: そうですね、ただ実は最もボクが一番気に入っているのは、やっぱりマッドテレーンタイヤならではのゴツゴツしたデザインなんです。オープンカントリーブランドには、R/TやA/TⅢといったもっと快適志向に振ったタイヤもありますが、やっぱりM/Tがバツグンにカッコイイでしょう(笑)。だからこそ、見た目やデザイン優先でオープンカントリーM/Tを選ぶのもアリだと思います。しかもマッドテレーンタイヤですから、日本国内の道はほぼどこへでも行ける・走れるという安心感を、四駆ユーザーなら頼もしいと思えるはずですから。
―― ナイスなアドバイスをありがとうございます。では最後にオープンカントリーブランドアンバサダーに就任しての意気込みのほか、ファンや読者に向けてのメッセージをお願いします。
三: 実はトヨタ車体への入社を志望した動機のひとつがダカールラリーに出ることでした。社員から公募でナビゲーターが選ばれることを知っていたので。2005年に入社してチャンスを待ち、公募でまずはナビゲーターに選ばれました。当初はラリーレイドのことはまったくの素人で経験もありませんでしたから、今ラリードライバーを務めているのが不思議です。今回、オープンカントリーのブランドアンバサダーになったからこそ、そうした初心を忘れないようにしたいです。
あとは2つの大きなことを頭に入れながら、オープンカントリーシリーズの開発やPR活動を行なっていきたいと思っています。ひとつはタイヤや車両開発に貢献できて、勝てる強いラリードライバーになること。もうひとつは普段はトヨタ車体の社員でもあるので、タイヤ開発やレース活動で得たノウハウや経験をビジネスに繋げる力を養っていきたいです。
―― そう、三浦選手はトヨタ車体の広報マンでもあるのだ。
三: ラリー活動以外にも各種イベントに参加してトヨタやランクルだけでなく、オープンカントリーの魅力も発信していきたいです。ユーザーに直接会って、同じ〝オプカン〟ユーザー同士だからこそ分かることを伝えていければと思っています。
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ダカールラリーを中心に、ミント400といった過酷なオフロード競技にも挑戦を続ける三浦選手は、オープンカントリーと同い年の40周年同士。本人は笑っていたが、40周年を大きくアピールしようという企画にピッタリとマッチしたことも、オープンカントリーブランドアンバサダーにふさわしかったのかもしれない。これをきっかけに今後はTLC以外にも活動の幅を広げることは間違いない。本誌としても、三浦選手が参戦するレースがあれば全力でエールを送るし、何より一層の活躍を期待したい!
OPEN COUNTRY M/T-R
TLCの「LC300ダカールラリー2023仕様」へしっかりとマッチングすることを目指して、ダカールラリー2022や数々のテストからフィードバックされたノウハウで、さらに進化している『OPEN COUNTRY M/T-R(LT285/70R17 116/113P)』。このタイヤはダカールラリー2023だけでなく、THE MINT400などにも使用されるが、実は市販化もされており、一般ユーザーも購入可能。
三浦選手の走りを文字通り支えるオープンカントリーM/T-Rは三浦選手やTLCの要望から、タイヤの空気圧を極端に下げずとも砂丘での優れた走破性やマッド走行性能を発揮できる、ドライバビリティに優れるタイヤであることを証明。さらに強力なトラクションやグリップ力に加え、耐外傷性や高い耐パンク性能も確認できている。ちなみに、ダカールラリーマシンが装着したM/T-R(LT285/70R17)とミント400で使用したM/T-R(40×13.50R17 LT)は、サイズだけでなく各レースに合わせてチューニングの仕様も異なっているとのことだ。
アグレッシブなフェイスと走りの楽しさのあるアメリカン・スタイルの三浦流タコマ
OPEN COUNTRY M/T
浦選手の評価では、各メーカーのマッドテレーンタイヤの中でも、随一の静粛性を持つという『OPEN COUNTRY M/T』。OPEN COUNTRY M/T-Rとは異なり、使用シーンや使用状況が日常の使い勝手にも配慮されているため、内部構造もM/T-Rとはだいぶ違う。さらにセンターとサイドにブロックが並ぶ不均等のブロックパターンを採用することで、ノイズを発生させにくくするだけでなく、打ち消しあって消す効果もあるという。またブロックにはディープサイプが刻まれ、静粛性や雨天の排水性といった乗用ニーズにも対応する。
なお、ブロックも偏平率も乗用タイヤよりは高くなるため、初めて乗った時は若干よれるような印象は受けるかもしれないが、ハンドリングなどの応答性、路面の変化に対するインフォメーションを正確に受け取れるため、不自然な挙動はなく、走っていてもストレスはない。
もちろんマッドテレーンに属するオフロードタイヤとしての性能も間違いないもので、耐カット性やケース剛性もしっかりしている
三浦選手曰く、「どこにでも行ける…ではなく、どこでも安心して乗れるM/Tタイヤ」だという。
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