世代ごとに大きく外観が変わるスタイルの自動車市場。とりわけトヨタで最長のヒストリーを刻むランドクルーザーは、例えば60や70であったりと、ある特定のモデルの人気が今も高い。
そんなランクルシリーズに対しての豊富なノウハウ、そして愛ゆえ、FLEX(フレックス)が展開するカスタムコンプリートブランドが『Renoca(リノカ)』。新車とも中古車とも異なる「リノベーションカー」という新カテゴリーとして、いわゆるクルマのリノベーションを提案。コンセプトの定まったクルマを選び、カスタムメニューから自分好みのスタイルやカラーでつくる……楽しみもあるモデルだ。
「自分らしさをどこまでも」
そんなテーマを掲げるリノカのラインナップには、ランクル100がベースの『Renoca106(リノカ・イチマルロク)』や、ランクル90プラドをベースとした『Renoca COLOR BOMB(リノカ・カラーボム)』があり、それぞれ人気を集めている。これらリノカの最大の特長は、106はランクル60を彷彿とさせる角目4灯Ver(もしくは丸目2灯Ver)、カラーボムはスクエアな78プラドのレトロなフロントマスクを採用していることだ。
ちなみにグリルやヘッドライトベゼルにはイメージしたモデルの純正品を使用しているが、それを違和感なく溶け込ませるため、FLEXでは前後のアイアンバンパーやボンネット、さらにフェンダーなどを独自に採用している。
もうひとつのポイントが、レトロ感を主張するボディ色の採用。アースカラーをはじめ、16種類のスタンダードカラーを用意しているが、今回の撮影車2台のボディカラーはそれらとは対照的……むしろ近未来的メタリック系シルバー:ソニックチタニウムを採用。実はこのカラー、レクサス純正色のひとつ。街ではもちろん、フィールドにも映えるNEWカラーのリノカの登場は、そのクラシックなデザインだけでなく、まさに過去と未来が融合したスタイルといえよう。
ちなみにボディ全塗装の際には車体のキズやヘコミ修正に加え、モールやサイドパネルを撤去している。これがシンプルなクラシックスタイルにするための大事なポイントだ。また、撤去した後にパテ痩せが生じないように装着用の穴を溶接で埋めるというコダワリも。この手法は106のテールゲートにも用いられ、テールランプを外した後スムージング加工のような工程を経る。足し算のカスタムでなく引き算というのは、実に面白い。
オールドランクルのスタイリングには惹かれるが、信頼性や安全性、何かあった時にリペアできるかが心配という人には『106』や『カラーボム』は、まさに打ってつけ。誰もが気軽に往年のランクルのクラシック感を手に入れることができる。また、不変のエクステリアゆえ、急にデザインが野暮ったくなるような心配はない。だから飽きずに、長く乗ることのできる愛すべき存在として輝きを放つのだ。
Renoca COLOR BOMB LANDCRUISER 90PRADO
Renoca角目106 by LANDCRUISER 100
上の〝カラーボム〟と同じくボディをソニックチタニウムにオールペンしたRenocaブランドのフラッグシップモデル『106(イチマルロク)』。このカラーはレクサス純正色であるため、ランクルに似合わないはずがない。最大の特長はネーミングが示す通り、ランクル100をベースに、角目4灯(or丸目2灯)のランクル60フェイスをインストールしたコンプリートモデルであること。このデモカーは後期型をイメージした角目4灯のヘッドライト仕様。そのレトロな外観にそぐわないパワフルな4.7ℓV8ガソリンエンジンを搭載し、見た目だけでなくちゃんと走りが楽しめるのもリノカの魅力。前後バンパーはメッキタイプをチョイスし、それに合わせて、ホイールはDEAN・カリフォルニアで全体の雰囲気を統一済み。