『ジムニースーパートライアルチャンピオンシップ』。その頭文字をとって通称JSTC。それはエヌズ・ステージが生みだし、ジムニーのカスタマイズを飛躍的に進化させたオフロード競技だ。
時は2000年にまで遡る。それまでジムニーのオフロード競技と言えば、減点方式のトライアルが中心だった。それを「競技者だけでなくギャラリーにもより分かりやすく」、さらには「ジムニーの魅力をしっかりと伝えられる競技はできないものか」と、エヌズ・ステージ代表の矢羽々氏らがこのJSTCを考案。今も現役で走るトップレーサー・吉田明成選手なども中心人物となって、試行錯誤の結果、産声をあげた。
基本的なルールはシンプルで、「スタートからゴールまでをいかに速く走れるか!?」である。ただしコースはモーグルやキャンバー、ヒルクライム、そしてダートなどオフローディングの要素が全て詰まっており、ドライビングテクニックも相応のレベルが要求される。さらにカスタマイズもトライアルとダートランの双方の性能が必要だ。そんなこれまでのジムニーシーンにはなかった〝JSTC〟ならではの面白さに、ドライバーもギャラリーも一瞬で魅了された。結果、競技人口が増えるとともにテクニックとカスタムのレベルも進歩。特に先代のジムニーJB23においては、よりハイレベルなサスペンションやエンジンチューンが求められた。そのチューニングの礎を築き上げたのがHB1stやショウワガレージといったジムニープロショップだった。またアフターパーツメーカーも進化をするJSTCの動向を察知し、本レースに開発スタッフを派遣するなど、製品の開発フィールドの場所としても注目されている
このJSTCをもっと多くの人に見せることはできないか?ジムニーの魅力を伝えられないか?その想いがカタチとなったのが、『ジムニー祭り』だ。2000年、ジムニー祭りの前身の『4WDフェスティバル』がスタート。2004年に名称を『ジムニー祭り』に変更し『ジムニー祭り5』が安比高原スキー場で開催された。この時から先述のJSTCをメインとして、さまざまな要素を取り入れた総合イベントとなった。
そんなジムニー祭りだが、実は2019年が20回の節目だった。だが、コロナ感染症対策の一環としてこの記念大会は延期に……。
前置きが長くなったが、今年2022年ついに『クルマアソビフェス×ジムニー祭り20』として、20回目のアニバーサリーイベントとして無事開催!コンテンツもそれにふさわしい充実したもので、D1選手によるドリフトデモランやAORのバギーデモラン、さらにはMTBのレースやカスタムカーショーも実施された。
しかしメインはやはりJSTC。無制限改造クラスのプロトクラスと、エントリーしやすいノーマルクラスの2クラス制になり、誕生当時からレギュレーションに変化はあるものの〝速く走った選手が優勝〟という基本ルールは変わらず。多くのドライバーやショップからエントリーが集まるなど、JSTCスタート時を彷彿とさせる熱量が感じられたものだ。
そんな今回のJSTCの優勝者は、ノーマルクラスが小原和樹選手。プロトクラスでは、なんとJSTCの立ち上げに関わった吉田明成選手の息子であり、高校生ながら突出した速さを披露した吉田時夢(じむ)選手が優勝!
20年という歴史を積み重ねて進化してきたジムニー祭り。東北のジムニーオーナーの中には「ジムニー祭りを中心に1年を過ごす」と言わしめる魅力がある…。このJSTCは8月と10月にも開催される。スポット参戦でもギャラリーでもジムニー乗り…いや四駆乗りなら一度は足を運ぼう!
さて、次ページではさらに『クルマアソビフェス×ジムニー祭り20』をお届けするが、なんと初日の6月14日(土)は約1500人、2日目15日(日)は約2500人、高校生以下の無料の来場者を含めるとおよそ5000人が、このジムニー祭りに魅了されたという。
やっぱり〝ジムニー〟が好き!20回目にふさわしい超盛り上がりのお祭り

開催日は6月4日(土)・5日(日)で、2日間でのべ5000人規模の来場者が集い、〝ジムニー祭り〟の名にふさわしい大盛況となった。










●STC 2022 ROUND1<Pクラス>

●JSTC 2022 ROUND1<Nクラス>

ジムニーファンみんなが待ち望んでいた20回目のお祭りは楽しみが盛り沢山










話題も出展数も多かったブース













- 開催日:6月4日(土)・5日(日)
- 開催場所:岩手県・産業文化センター
- ジムニー祭りオフィシャルサイト(http://www.jimny-matsuri.com)
- 主催:クルマアソビフェス×ジムニー祭り20実行委員会
- 事務局:エヌズ・ステージ(http://www.ns-stage.jp)