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ホイール

2020.02.15

カスタマイズの原点にもなるホイール選び、意外と知らない基本を解説!

~カスタムで知っておくと役立つ情報~
vol.1 ホイール編

ホイールの製造方法

一般的に広く流通しているホイールの大半は「鋳造」といわれる成型方法で、雄雌一対の型に溶かしたアルミを流し込んで成型される。デザインの自由度が高く、大量生産にも向いているホイールだ。一方で「鍛造」といわれる成型方法は、熱したアルミのブロックを数千トンクラスのプレス機で押しつぶし、切削などの方法によって形状を整えるため、均一の薄さで硬い成型が可能。軽量・高剛性が命題とされるレース車両用ホイールに特に用いられるが、高度な技術が必要で、複雑なデザインを再現することは難しい。さらに製品単価も高くなる傾向にある。他にも「フローフォーミング(メーカーによって呼び名が異なる場合もある)」と呼ばれる成型方法もあるが、基本は鋳造1ピースホイールと同じだが、リム部分を加圧しながら成型するため、鋳造製ホイールよりも軽量で、強度を出すこともできる。

ホイールの構造

ホイールの構造は大きく「ワンピース」と「マルチピース(2/3ピース)」の2通り。「ワンピース」は一体成型で継ぎ目がなく、頑強なのが利点だが、板材をリムにするマルチピースホイールに比べ、若干重い。量産に向く製造法で、製品単価が抑えられる。「マルチピース(2/3ピース)」はリムとディスクを組み立て構造にしているもの。リムとディスクを別体とすることで、サイズおよびデザインバリエーションが広げやすく、軽量化もしやすい。また、リムとディスクを締結するピアスボルトが、デザイン状のポイントにもなる。組み立て工程が必要なために、製品単価は高くなる傾向がある。また、4WD用ホイール特有の「ビードロック」と呼ばれるものもある。オフロードを極低速で走る際にグリップ力を上げるため、タイヤのエアを極端に落とすテクニックがある。タイヤのエアを落とすと「ビード落ち」といって、ホイールから外れる危険性があるのだが、外れないように、タイヤをリムとアウターリングと呼ばれるリングで挟み込み、ボルトで固定するよう設計されたものがビードロック。本来は競技用だが、ワイルドなルックスをドレスアップに取り入れた、ストリート用のホイールも登場している。

ホイールのサイズの見方

サイズは、基本的にカタログや取扱説明書などに表記される「○○J×18インセット△△」で確認できる。「○○」部分の数字は、ホイールのリム幅を示している(インチ表示)、「J」というのは、ホイールリムのフランジ形状を表す記号だ。「18」はホイールの直径のインチ表示。次の「インセット△△」というのは、ホイール断面のセンターからハブ取付部の位置(下図参照)で、こちらはミリ表示。車両に直接装着するパーツであるホイールには、さらに重要な数値がある。それが「5H-127」などと設定された数値だ(ラングラーの場合)。「5H」というのはハブボルトの数で、「127」というのはP.C.Dを指す。P.C.Dとは、ハブボルトの芯を結んだ円の直径を意味する(ミリ表示)。つまり、ホイールにさえハマれば物理的に装着できてしまうタイヤとは異なり、ホイール自体は、より専用性が高く、つまり選ぶ際には、ある程度の知識が必要なパーツなのだ。