TOP > 記事 > 【FALKEN】ハイパフォーマンスなシン・ジムニータイヤの実力をスペシャリスト・APIOが検証!

【FALKEN】ハイパフォーマンスなシン・ジムニータイヤの実力をスペシャリスト・APIOが検証!

 世界中で支持されるFALKEN。中でも4WD・SUV用タイヤブランド「WILD PEAK(ワイルドピーク)」は、北米の四駆オーナーからのフォローが多い。そんなグローバルブランドから、ジムニー用サイズが登場!
 まずオールテレーンタイヤ「A/T3W」に設定されたのは175/80R16。ジムニー純正同等だが、ポイントは専用開発された“シリカトレッドコンパウンド”にあり、ライフ性能とウェット性能を両立させている。トレッドデザインは荒々しいブロックが並ぶマッドテレーン風で、いわゆるストレートグルーブをメインに構成する一般的なA/Tタイヤより、かなりアグレッシブ。ゆえにサイドウォールのデザインと合わせて、ラフロードでのトラクション性能の高さを持つ。最近主流になりつつある〝エクストリームなオールテレーン〟という雰囲気だ。
 一方のマッドテレーンタイヤ「M/T01」に設定されたサイズは185/85R16LT。ジムニーにとってはおなじみのカスタマイズサイズで、20㎜以上のリフトアップに対応するもの。このM/T01は北米仕様のJeepラングラー・ルビコンに純正採用されるほどの実力を持つ本格マッドテレーンタイヤでもある。溝の深い大きなブロックが並ぶ横に並ぶようなトレッドデザイン、ブロック端の階段状の傾斜がパターン剛性を向上させて、マッドやロックといったあらゆるオフロード路面で優れたトラクションを発揮する。またマッドでは主溝の排泥性能を補助し、ロック路面ではトレッド溝底への石噛みダメージを緩和する“ディフェンスフューチャー〟、タイヤサイドのブロックが鋭利な石からのカットを防ぐ“アグレッシブアッパーサイドウォール〟など、様々なオフロード走行への配慮がなされている。
 そんなわけで今回は、この2タイプの「WILDPEAK」をジムニーJB64に実装して、APIO代表・河野さんと共にフィーリングをチェックしてみた。

175サイズのA/T3Wはフルノーマル車両、一方の185サイズのM/T01の試乗車は40㎜アップのサスペンションカスタムを実施したAPIOジムニー。それぞれまず無理なく装着することが可能だ。
 オンロードではA/T3Wが、静粛性の高さと滑らかな乗り味を発揮。一方でヒルクライムやダートといったシーンでもATタイヤに期待する以上のグリップ感があった。逆にオフロードでのM/T01のタテにもヨコにも路面を捉える力は高評価だ。オンロードやダートを走っても剛性感の高い乗り味を披露し、ダイレクトなハンドリングにも繋がっているようだ。
 APIOとしては、双方とも見た目でまず好印象とのこと。そして乗ってみても最新タイヤの性能があるため、それぞれユーザーの志向・車両の仕様、使用する状況に合わせて、オススメできるということ。つまり、どちらのワイルドピークを選んでも満足できる。

◆WILDPEAK A/T3W(175/80R16)

専用に開発されたシリカコンパウンドがライフ性能とウェット性能を高次元で両立。トレッドブロックにはスタッドレスタイヤにも採用される3Dサイプ技術を応用し、ブロックの倒れ込みを抑え、ドライ路面での軽快なハンドリングとウェット路面での優れたエッジ効果を発揮する。さらにブロック端には階段状の傾斜をつけることでパターン剛性を向上。オフロードでは排石効果を生みながら、安定した走破性に貢献する。

シリカ トレッドコンパウンド

WILDPEAKタイヤシリーズのために専用開発されたシリカ トレッドコンパウンドを採用。ロングライフ性とウェット性能を高いレベルで両立。※ LT サイズを除く。

ラギッド&リジッド トレッドブロック

A/Tタイヤとしては大きめなブロックを持つ。その端には階段状の傾斜が施され、パターン剛性を向上。オフロードでは排石性・排土性を高め安定したグリップを生む。

3Dキャニオンサイプテクノロジー

ブロックには一般的なスタッドレスタイヤにも使われる技術、3Dサイプを応用。ブロックの倒れ込みを抑え、ドライ路面でのハンドリング、ウェットでのエッジ効果を発揮。

アグレッシブアッパーサイドウォール

タイヤサイドには彫りの深いブロック形状を採用。鋭利な石などによるタイヤカットを防ぎながら、深い泥でのトラクションも生み出す。アグレッシブなルックスも演出。
APIOの社内では純正同等の「175サイズ」という設定には疑問もあったが、装着後の見た目は◎と評価。細身大径で、いい意味でかつての商用車っぽい雰囲気になって可愛いらしく、ジムニーにちょうどいいスタイルだという。その走りはオンロードも含めまさに〝オールラウンド〟といった感じ。何より静粛性の高さが好印象だし、さらに〝滑らか〟と表現できるソフトな乗り心地が加わりオンロードでは快適だ。また、ソフトなだけでなく、サイドの剛性が高く、乗り心地の良さとリニアなハンドリングを両立していた印象があったとか。
まるでM/Tタイヤのように配置されたトレッドブロックにより、タテ方向・ヨコ方向ともに十分なトラクション性能を確保。ダートやモーグルの走りでは横滑りしにくく、しかも前進・後退方向にグリップを生むため、十二分に“遊べる”実力を持つA/Tタイヤ。APIO・河野社長は、ヒルクライムのグリップ感にも言及。途中で一度停車してから発進する時でもATタイヤを超えたレベルでのすこぶる良好なグリップを感じていた。

◆WILDPEAK M/T01(185/85R16LT)

北米のJeepラングラー・ルビコンの純正タイヤに採用されるリアルパフォーマンス・マッドテレーンタイヤだ「マッド&ロックディフェンス フィーチャー」は排土性を確保し石噛みを防止する。そして、「ラギッド&リジッドトレッドブロック」はブロック端の階段状の傾斜がパターン剛性を向上し、泥や岩などあらゆるオフロード路面で優れたトラクションを発揮。「アグレッシブアッパーサイドウォール」はサイドカットを防止しながら、深いマッドでのトラクションを確保。右のA/T3Wにも同コンセプトの技術はあるが、その形状や強さが異なる。

ラギッド&リジッド トレッドブロック

ブロックエンドの階段状の傾斜によって、パターン剛性を飛躍的に向上。また、マッド・ロックといったあらゆるオフロードでトラクションを発揮(A/T3Wも採用する技術)。

マッド&ロックディフェンス フィーチャー

鋭利な石などからのカットを防ぐためタイヤサイドにブロック形状を採用(A/T3Wとコンセプトや名称は同じだが形状は異なる)。マッド路面ではトラクション性能を確保。

アグレッシブアッパーサイドウォール

マッド路面ではメインの溝の琲泥性能を強くサポートして、トラクション性能を確保する。一方ロック路面においてはトレッド溝底への石噛みダメージを緩和してくれる。
M/T01の良さを如実に感じさせてくれるのはやはりオフロードシーンだが、オンロードの走りでもタイヤサイドの剛性が高いのでキビキビしたハンドリングを楽しめるのが特長。ドライ/ウェットを問わずグリップが安定している。タイヤノイズはA/T3Wに比べると大きめだが、M/Tタイヤとしてはまずまずといった感じだとか。
ダートでは縦方向はもちろん、横方向のグリップレベルも高く、挙動がとても安定している。モーグルやヒルクライムでも、ほどんと空転することなく、滑りやすい路面や石をトレッドが包み込むようにグリップしていた。そう、唐突にタイヤが滑り落ちてしまうようなことはない。「最新のMTタイヤらしさがあってグリップレベルの高さは秀逸」とAPIO河野さんは締めくくってくれた。
ワイルドピークのネーミングにふさわしく、アメリカンM/Tタイヤのテイストが強いM/T01には、A/T3W以上の見た目の良さを感じた河野さん。APIOではオリジナルホイールで、イノシシを意味する「ワイルドボア」シリーズを設定しているが、そういった「ワイルド」繋がりでシンパシーを感じた。