希少だからいつまでも色褪せないアルピナならではのプレミアム性
やや年式が古いという点に、食指が動かないという貴兄もいるかと思う。しかし、それはどうやら間違った視点。アルピナは古くなればなるほど魅力を増していくのである。
生産台数が少ないアルピナは、古くなればなるほど希少価値が増す。その希少性ゆえ趣味性も強まり、オーナーの満足度も日に日に増していくのだ。さらにそのクラシカルな印象が、イベントなどでも注目され、再び高い満足度が得られる。
つまり、このB3Sクーペの魅力が増すのはまだまだこれから。極上の程度を確保している最終型で、しかもパワーユニットはアルピナの手により拡大された3・4ℓのハイカム入りの直6。BMWのM52ユニットよりも気持ちよく回るこのユニットだけでも、味わう価値のある1台である。
ステアリングや本革のシートには、ブルーとグリーンのアルピナステッチがさり気なく入る。遠目からではノーマルにも見えるシートだが、座るとそのステッチがアルピナワールドに引き込んでくれるのだ。
アルピナ最強ユニットにして最後のNA直6
3.3ℓ直6のボアを0.6mm拡大し、3346ccへと拡大されたエンジン。B3 3.3よりも46ccのみの排気量アップなのだが、ハイカムの装着や吸気効率のアップなどにより、280psから315psへとパワーが引き上げられている。また、最高出力の発生回転数も300回転高い高回転型であることもトピック。スペックはM3に及ばないものの、走行性能とコンフォート性能を高次元で融合しているアルピナらしいパワーユニットである。
06年式 B3S
●全長:4490㎜●全幅:1755㎜ ●全高:1370㎜ ●ホイールベース:2725㎜ ●トレッド(前):1470㎜●トレッド(後):1480㎜ ●車両重量:1510kg ●エンジン方式:直6DOHC-24V ●総排気量:3346cc ●最高出力:315ps/6300rpm ●最大トルク:36.9kg-m/4800rpm ●トランスミッション:5速ATスイッチトロニック付
アルピナのメンテナンスは?
チューニングコンプリートモデルとなるアルピナ。とはいえ、消耗品などはBMWのパーツを使用しているケースがほとんどであるため、スペシャルショップを頼れば、BMWと変わらぬ費用で済むことが多い。と同時に、弱点といえる部分もBMWとほぼ同じ。水回りと点火系は、専門店にて1年ごとの点検が必須だろう。また、エンジンオイルは短いサイクルでの交換が基本である。