【メルセデス愛が止まらない！】1967y 230SL (W113) / GERMAN CARS アーカイブ／2022年10月号より抜粋
4速オートマチックにパワーステアリングといった当時の贅沢装備を備えたロードスターが230SL。ライトウェイトスポーツカーであることも確かだが、GTカー的な要素も与えられ、北米市場を強く意識したモデルでもあったのだ。
良好な状態の赤内装に5MTを備えた希少な230SL
ガルウィングドアに直噴ガソリンエンジンという、当時の最新メカニズムを搭載して登場したのが、W198こと初代ＳＬ。高価な300SLのほか、普及版の190SLも登場させ、その後を受けて1963年にデビューしたのが、W113こと2代目SLシリーズだ。初代300SLの強烈なインパクトと190SLの好調なセールスもあり、W113はUS市場でも受け入れられ、2万台近く生産されたモデルだ。
このW113、当初は230SLのみのバリエーションであったが、後に250SL、280SLへと発展。排気量アップに伴いその名称も変更されてきたが、ターンフローのSOHC直列6気筒というスペックは共通で、しかもボッシュ製の機械式燃料噴射装置が備わっていたことも同様だ。そしてここに紹介するモデルは、クロコカーズが仕入れた1967年式の230SL。同年には250SLへと移行しているため230SLとしては最終モデルだ。当時のニッサンやトヨタもこぞって研究開発したというM127エンジンは、後発のM130よりも軽快かつ丈夫なユニットとして好評を博した。しかも、5速のマニュアルミッション搭載モデルなのだから、ワインディングも楽しめる〝シュポルト・ライヒト〟なのだ。
そして内装は状態の良い赤いレザーシートにホワイトのステアリング、さらに完調のクーラーも付いている。下回りも良好な状態を維持しており、コレクターズアイテムとしても価値ある1台。
1963年から1967年まで生産されたメルセデス・ベンツのオープン2シーターが230SL。エンジンは機械式燃料噴射装置を備えたSOHCの直6で、150馬力を発生。ルーフはソフトップに加え、パゴダ・ルーフのデタッチャブルハードトップも装備する。
良好な状態のボディと極上の内装、好調なエンジン＆ミッションは一生モノ
バンパーはもちろんのこと、サイドミラーやアウターハンドル、グリルまでもが金属製で、あらゆるパーツにコストが掛かっていることが確認できる。現代のクルマでは絶対に味わえない雰囲気もクラシックの醍醐味である。
2ドアハードトップとロードスターのふたつのスタイルを楽しめる、端正なデザインの230SL。ホワイトリボンタイヤは185幅と現代の基準からすれば極細だが、意外にボリューミーなフェンダーアーチとマッチして、スポーティさを感じるエクステリアとなっている。
機械式燃料噴射装置がイージーな始動を実現
初代300SLの直噴こそ採用されていないが、当時は最先端だったボッシュの機械式燃料噴射装置を採用しているシングルカムの直6エンジン。ターンフロー式のこのM127エンジンは、ニッサンのL型とも非常に良く似た構造だ。ちなみにボンネットは逆アリゲーター式で、油圧ダンパーなどは備えていないが、アルミ製ゆえ軽い力で開けたまま固定することできる。取材車両のコンディションは抜群だった。
左右が盛り上がった形状のパコダ・ルーフは濃いブラウンメタリックカラー。タイヤはミシュランのMXV-P（185R14）で、これに純正のホイールキャップが付く。
状態の良い赤いレザーシートとホワイトのステアリング
ホワイトのステアリングはホーンリングが付いた細身のサイズ。オリジナルかどうかは不明だが、ミッションはメルセデス製の5MTだ。
オリジナルかどうかは定かではないが、非常に良好な状態の赤いレザーシート。ヘッドレストはなし。
純正のラジオを残し、クラシカルな雰囲気を継承している内装。ダッシュ下には吊り下げ式のクーラーとETCを装備している。ちなみにダッシュレザーの状態も非常に良い。
SHOP GUIDE / クロコカーズ
希少＆極上なネオクラ系メルセデスに自身アリ！
メルセデス・ベンツのネオクラシックやクラシックモデルの販売・整備を得意としているのが、取材した230ＳＬを販売するクロコカーズ。特にW124型の500E／E500、W201、W116、W113などの、他ではなかなかお目にかかれない希少かつ極上な物件を扱ってきた実績を持つ。コレクターにも認知されているほど、メルセデスの旧車に強い。このほか、アメ車の販売・整備や板金塗装なども得意としているショップである。
※全て GERMAN CARS 2022年10月号より抜粋。
相場や「現行型」「先代」などの表記は
全て2022年当時のもの
