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【M・Benz & BMW トラブル攻略ガイド】愛車の異常を感じた時はどうするべき?②

 愛車に起きたはじめてのトラブル。誰だって最初は焦ってしまうものだが、トラブルに対する知識を持っていると症状を悪化させないための扱い方が見えてくる。ここではメルセデス・ベンツとBMWにありがちなトラブル、そして対処法を解説。トラブルが起きることはなんて考えたくはないが、いざという時のために覚えておいても損はない。

 

ドイツ車にありがちトラブルの実例

1.アイドリングが安定しない
2.室内にまで響く異常な振動が発生
3.何か焦げたような臭いがする
4.突然、水温が上昇!
5.ATが変速しない
6.警告灯が点灯
7.足回りから異音がする

メルセデス・ベンツとBMWに共通するトラブルの症状をピックアップしてみた。年式や走行距離などによって発生率は変わってくるが、いざという時のために覚えておくと、突然のトラブルにも焦らず対応できるもの。アイドリング不調やオイル漏れなどのエンジン系、水温上昇などの冷却系、ATなどの駆動系、足回り系など基本的なメンテナンスが重要だということだ。

Scene 01.「アイドリングが安定しない」

予想されるトラブル原因

クランクポジションセンサー
カムシャフトセンサー
エアマスセンサー
燃料ポンプ

そのまま放置すると… エンストしてしまいエンジンが掛からなくなることも

センサーや燃料系にトラブルが起きる時、アイドリングが少し不安定だったり、エンストしたりなど、前兆とも言える症状が出ていることが多い。そのタイミングで点検して不具合箇所をメンテナンスしておけば、路上で止まってしまうようなことはない。

こんな時どうする? 症状が悪化する前にコンピュータ診断を受ける
サプレッサー
点火系の不具合でアイドリング不調を起こすケースがある。写真はメルセデスのサプレッサー。
クランクポジションセンサー
メルセデスでもBMWでも多く発生しているクランクポジションセンサーの不良。パーツ代は安い。
エアマスセンサー
エンジンに取り込まれる空気の量を検知しているエアマスセンサー。見た目以上に高価なパーツである。
カムシャフトセンサー
BMWで多く発生しているカムシャフトセンサーの不良。エンジン不調の原因として定番のポイントだ。

Scene 02.「異常な振動がする」

予想されるトラブル原因

エンジンマウント
ミッションマウント
イグニッションコイル
ディスクジョイント

そのまま放置すると… 振動がさらに大きくなったりエンジン不調の可能性も

エンジンマウントやディスクジョイントなどの緩衝系パーツの不良を放置すれば、振動はさらに大きくなる。イグニッションコイルの不良は1気筒がダメでも大きな振動が出るので、そのまま放置することはできない。振動が出たら早めに交換しておこう。

こんな時どうする? エンジンマウントなどの緩衝系パーツを交換する必要あり
エンジンマウント
右が装着されていたエンジンマウントで、左が新品。明らかに高さが違うのが確認できる。
イグニッションコイル
多くのモデルで、1気筒で1つのコイルが装着されている。6気筒なら6つということだ。

Scene 03.「焦げたような臭いがする」

予想されるトラブル原因

タペットカバーパッキン
ヘッドガスケット
ブローバイケース
オイルフィルターハウジング

そのまま放置すると… エンジン本体を壊してしまう可能性もある!

何かが焦げたような臭いがするのは、オイル漏れが原因であることがほとんど。漏れを放置すれば油圧が低下し、エンジン内部にある高価なパーツを傷めてしまう可能性が高い。たかがオイル漏れと侮っていると痛い目を見る。早めに対処しよう。

こんな時どうする? オイル漏れは放置せずに早めに対処すること
オイルフィルターハウジング
メルセデスやBMWで多く発生しているオイルフィルターハウジングからのオイル漏れ
タペットカバーパッキン
多くのドイツ車で発生している定番のオイル漏れポイントがタペットカバーパッキンだ。

Scene 04.「突然、水温が上昇!」

予想されるトラブル原因

サーモスタット
ウォーターポンプ
ラジエター
電動ファン

そのまま放置すると… オーバーヒートを起こしエンジンに大ダメージを与える

水温が上昇した状態のまま走り続けるとオーバーヒートを起こし、エンジンに大きなダメージを与えてしまう。ヘッドやブロックが歪んでしまうとエンジン自体を交換しなければならない。部品の交換だけで済むはずが、大掛かりな修理となってしまうのだ。

こんな時どうする? 無理して走らずに修理工場に電話を入れる
サーモスタット
サーモスタットに備わる弁が閉じたままになってしまうと、水温が急激に上昇してしまう
ラジエター
冷却系の要であるラジエター。今まで一度も交換されていないようであれば要チェックだ。

Scene 05.「ATが変速しない」

予想されるトラブル原因

AT内部の基板
AT内部のコンピュータ
AT内部の経年劣化
センサー類の故障

そのまま放置すると… 通常での走行ができなくなり修理費用が嵩む

AT内部にトラブルが起きると、3速に固定されてしまう。これはエマージェンシーモードと呼ばれており、解除するには修理工場に持ち込むしかない。通常走行ができないので放置する人はいないと思うが、移動距離が長くなれば費用にも差が出る。

こんな時どうする? エマージェンシーモードに入ったら無理して走らないこと
AT内部の基板
車種によっては基板のみの交換も可能。写真はメルセデス・ベンツの電子制御式5速ATの基板。
AT内部のコンピュータ
ATの頭脳とも言えるバルブボディと一体になったコンピュータ。最新のメルセデスはこのタイプ。

Scene 06.「警告灯が点灯」

予想されるトラブル原因

オルタネータ
電子ユニット
ステアリングアングルセンサー
エアバッグセンサー

そのまま放置すると… トラブルの原因によっては路上ストップすることも

オルタネータが不良のまま走り続ければ路上でストップしてしまうことがあるので注意。エアバッグは助手席の座面下にある着座センサーの不良であることが多い。警告灯が点灯したままだと、いざという時にエアバッグが開かなくなる。

こんな時どうする? 修理工場に持ち込んで原因を特定してもらう
オルタネータ
発電機の役割を持つオルタネータ。これがダメになると充電警告灯が点灯する。
電子ユニット
テールランプなどの灯火類を制御するユニット。警告灯のほかに点灯不良を起こすことも。

Scene 07.「足回りから異音がする」

予想されるトラブル原因

ボールジョイント
アームに備わるゴムブッシュ
スタビリンク
ハブベアリング

そのまま放置すると… 異音がさらに大きくなり走行安定性も低下する

足回りが多少劣化しても走行できないわけではないので、数あるメンテナンスポイントの中でも放置されやすい。しかし、異音が出ているほどの劣化であればすぐに交換すること。放置すれば異音は大きくなるし、走行安定性も著しく低下してしまう。

こんな時どうする? 車検をクリアできないことがあるので早めに点検しておく
ボールジョイント
足回りに備わるボールジョイントは、ガタが出たり、ブーツが裂けてしまうことが多い。
ゴムブッシュ
ゴムブッシュが劣化して金属部分に接触すると異音が発生。定期的な交換が必要だ。