【メルセデス愛が止まらない!】1994y AMG E400 ステージⅢ (W124) / GERMAN CARS アーカイブ/2022年10月号より抜粋
“500E”というネームバリューの影に隠れてしまったせいか、デビュー当時の話題性は決して高くはなかった。しかし、その素性の良さと魅力的な走りを味わえることから、今再び評価が上がっているモデルがAMGのE400ステージⅢ。
500E/E500とは違う独特な個性が魅力の〝ステージⅢ〟
W124型Eクラスには、500E/E500という事実上のトップグレードが君臨していた。ゆえに、400E/E400というグレードは、同じ型式のM119 V8エンジンを搭載していながら、実に微妙なポジションだった。それは、400E/E400をベースとしたAMGモデルも同様で、ワイドなボディを持たないこともあってか、特別感という意味では希薄な印象となっていたことは否めない。
しかしだ、W124ファンならご存じの通り、500E/E500はフロントセクションを事実上SLへとコンバートしたモデルであり、言わばEクラスというカテゴリーから卓越したグレード。一方、400E/E400はW124の基本設計を忠実に守っており、その意味では、E400およびそれをベースしたAMGモデルこそが、究極のW124とも言えるのではなかろうか。
その究極のW124とも呼べるE400シリーズの中でも、AMGのE400ステージⅢは特別な存在だ。その理由は、1速発進による強烈な加速、ワイド過ぎないサイズは日本のワインディングでも走りやすく、ハンドリングカーとしても大きな魅力を持つ。
自身もE400オーナーであるナガセ自動車の服部マネージャーによると「AMG E400のステージⅢは、運転していて楽しい特別なクルマ。走る場所によっては、500E/E500以上の魅力があり、今だからこそ所有する価値があると思います。W124好きにこそ、ステージⅢの走りを堪能してほしいですね」と、その価値を教えてくれた。
メルセデス・ベンツのE400をベースに、AMGがメカチューニングおよび外装のエアロパーツを装着したコンプリートモデルが、1993年に登場したAMG E400。ステージⅠ、ステージⅡ、ステージⅢというバリエーションが用意され、ステージⅢのみ1速発進を採用していた。
独特な加速感とワインディングでの操縦性はW124フリークにこそ堪能してほしい!
今では懐かしさを感じるAMGのエアロパーツだが、W124のルックスとのマッチングは抜群。このスタイルに惚れ込むW124フリークは多く、エアロパーツだけでも価値があるほど。
14.4万kmという走行距離とは思えないほど、内外装の程度は上々。また、キッチリと整備を行ってきた個体であるため、ステージⅢ本来の走りの良さも味わえる1台だ。前後フェンダーには控えめなアーチモールが備わる。
インテリアデザインはベース車両と比べても大きな変化はないが、ステアリングはウッドコンビタイプで、シフト回りなどにAMGステッカーが付く。
シートは前後ともレザーだが、フロントの2脚はノンオリジナルのレカロ・セミバケットタイプが装着されている。
マフラーは角形のダブル出しエンドとなる、当時のAMGらしいデザイン。AMGオリジナルのエアロパーツは、フロント、サイド、リア、そしてトランクスポイラーの4点セットとなる。
吸排気のチューニングで約40馬力アップを実現
エンジンは4.2ℓのV型8気筒DOHC48バルブのM119型。排気量はベースとなったE400と同じだが、吸排気系のチューニングなどによって、オリジナルの275ps/42.0kg-m(後に285ps/42.0kg-mへとアップ)から312ps/43.3kg-mへと出力およびトルクアップを果たしている。
ホイールはAMGオリジナルでタイヤは前後とも225/45ZR17となっている。
トランクには控えめなスポイラーが付く。このモデルは1994年式で約14.4万kmを走破しているが、有名ショップでキッチリと整備されてきた個体だ。
SHOP GUIDE / ナガセ自動車
ネオクラシック系AMGの整備も得意
愛知県名古屋市中区の国道1号線沿いに位置するナガセ自動車。W124世代のメルセデスの販売・整備を得意とするショップであり、敏腕メカニック揃いの整備は多くのユーザーから絶大なる支持を得ている。そのため中部地区のみならず、ナガセ自動車に整備を依頼するユーザーは全国に及び、特に関東圏にも多くの顧客を有している。AMGモデル希少だが、その整備実績が多いのも信頼の証といえる。
※全て GERMAN CARS 2022年10月号より抜粋。
相場や「現行型」「先代」などの表記は
全て2022年当時のもの