愛車に優しい取り扱い(その7)→ボンネットを閉める時は20cmくらいから真下に落とす
アルミ製のボンネットが増えている現在、ボンネットフードを閉める時は手で押し込まずに少し手前からまっすぐに落として閉めるのが基本。
オープナーを力任せに引くとワイヤーが切れる!?
国産車ではボンネットを開けることなんてないほどメンテナンスフリー化が進んでいるけれど、ドイツ車では日頃からエンジンルームにオイル漏れがないか、冷却水は減っていないかなど、ユーザーが自分で気にかけてやることが大切。そこで気を付けたいのがボンネットの開閉だ。
ボンネットを開くためのロックは、どんなクルマでもワイヤーを使った機械的なもの。室内側にあるレバーを引くと、ワイヤーが引っ張られてエンジンルームのロックを外す仕組みだ。これが時間の経過と共に動きが渋くなってくる。固くなったノブを力任せに一気に引くと、ワイヤーが切れたりノブが折れたりすることがある。ボンネットオープナーは少しずつ力を強めるように引っ張ろう。
またボンネットを持ち上げる時は、ワイパーアームが倒れていることを確認したい。ブレードの交換などでワイパーのアームを起こした状態でボンネットを開けてしまうと、フードに押されたアームがガラス側に倒れてフロントウインドーにキズを付けてしまうこともある。
さて、点検が終わってボンネットを閉める時にも注意が必用だ。キャッチの上に置いて手で押し込むように閉める人がいるが、これをやるとアルミ製のボンネットは凹んでしまうこともある。ボンネットは20センチくらい手前から真っ直ぐに落とすように手を離し、フードの重みで閉まるようにするのが正解だ。
愛車に優しい取り扱い(その8)→エアコンスイッチの意味合いを知ろう
オートエアコンの場合、季節を問わずにスイッチを入れっ放しにしているのは燃費にも機械的にもムダ。空調の正しい操作方法を知っておこう。
オートタイプもスイッチで適時オン・オフを!
クルマの空調にはマニュアル式のエアコンとオートタイプのエアコンがあるが、ドイツ車も最近はオートエアコンが主流となってきた。車内にいくつものセンサーがあって、ムラなく設定された温度に保つ優れたメカニズムだが、便利さゆえにいつもスイッチを入れっぱなしという人も少なくないのでは?
車種にもよるものの、基本的にオートタイプのエアコンはスイッチが入っている時はコンプレッサーを断続的に作動させ、冷気と温風をミックスして適温を保っている。気温が低ければヒーターみのでエアコンは動いていないだろうと思うと、そうでもない。つまりエアコンのスイッチを入れっぱなしだと、窓を開けてクーラーを付けているような状態になっていることもあるわけだ。これではもったいない。気温がちょうどいい時は、スイッチを切って窓を開けて走るのも気持ちがいいもの。
また車種によってはエコノミーモードなどと呼ばれるスイッチがあって、コレを押しておくとコンプレッサーが作動しないというものもあるので、オートエアコンの場合はとくに自分のクルマの空調操作がどのようになっているのかを確認して、ムダなく快適な車内を実現したいところ。不必要にエアコンを作動させれば燃費の悪化を招くが、冬の間はコンプレッサーをまったく作動させないというのも故障の原因になるので、適切に動かすようにしたい。
愛車に優しい取り扱い(その9)→寝起きのダッシュはエンジンにもツライ
エンジンだけでなく、駆動系や足回りなどが冷えた状態でいきなりのアクセル全開はクルマへの負担が非常に大きい。十分な暖機走行が大切。
スタートから5分はゆっくりと走ることが大切
朝イチからクルマのエンジンをかけると一気にアクセル全開でスタートするテンションの高い人もいるけれど、これは機械にとってもよくはない。
現代のクルマのエンジンは以前のように長々と暖機運転をしなくても安定して回るが、これはコンピュータが細かく計算して燃料の増量や点火タイミングの調整などを行なっているため。エンジンに使われている金属は熱によって膨張するため、十分に暖まった状態で抵抗がなくちょうどいいすき間となるように設計されているのだ。冷えている時はオイルが固く抵抗が大きいため、回りにくい状態になっている。そんな時にアクセルを大きく開けるのは、ベッドから飛び起きていきなり猛ダッシュをさせられるようなもの。いくらタフなエンジンでも、これはキツイ。
さらにATやデフなどの駆動系、パワステなどの操舵系や足回り、触媒などの排気系にとってもウォーミングアップは欠かせない。これらの中にはクルマを動かさないと暖まらない部分も多いので、単にエンジンをアイドリングさせるだけではなく、スタートしてから5分間くらいはエンジン回転を抑えながらゆっくりと走ってクルマ全体を暖める暖機走行をすると機械部分の消耗を抑えることができる。こういった小さな心がけは、毎日の通勤に使うようなクルマだと大きな違いとなって表れるものなのだ。